2019.01.07 [ アーカイブ ]
ジョジョの治山紀行 ~中条川のソイルセメント治山ダムの巻~
林務課のジョジョです。治山工事の現場は、いよいよ深い雪に閉ざされてしまいました。
どどどど、どーしたんですか、その顔!!! 冬なのに日焼け!?
「今回は、中条川5号谷止工の完成記念バージョンでお送りするよ!」
そういうことですか。。。でも、中条川5号って言っても、誰も分かりませんよ!
栄村中条川では、平成23年3月12日や平成25年9月16日に大規模な土砂災害が発生しました。現在、治山事業により復旧工事を進めていますが、様々な工種・工法を採用しています。そのうち、2基の治山ダム(5号谷止工、6号谷止工)は、コンクリートではなくソイルセメントという材料を使っています。
「長野県内では、ソイルセメントの治山ダムは珍しいよね!」
ソイルセメント治山ダムとは、現地発生土砂とセメントを撹拌混合して、予め組み立てた枠の中に投入・転圧して造るものです。現地に多量にある堆積土砂を有効活用できたり、コンクリートよりも施工期間を短くできるといったメリットがあります。
「施工方法を少し説明してよ!」
はい。
まずは、中詰めする現地発生土砂の「①土質試験」を行い、必要な強度を発揮させるためには、どれぐらいのセメントや水を配合すれば良いのかを決定する「②配合試験」を行います。
次に、現地に混合桝などの「③現地プラント」を造ります。そして「④試験施工」を行い、混合時間、敷き均し厚さ、転圧回数、施工機械などを決定します。
それから本施工に移ります。
まずは「⑤土砂の採取」と「⑥ふるい分け(粒径処理)」を行い、材料として不適な巨石等を取り除きます。
そして、配合試験で決定した量のセメント等と「⑦混合撹拌」します。ちゃんと混合されたかどうかは、フェノールフタレイン溶液を散布するなどして確認します。
「理科の実験みたいだね。」
これで中詰材料は出来上がりです。
谷止工施工箇所では、徐々に「⑧型枠」を組み立てていき、それに並行して、出来た中詰材料をバックホウやクレーンで枠の中に「⑨投入」します。
そして、ブルドーザ―などを使って、試験施工で決定した厚さに「⑩敷均し」を行い、振動ローラーなどで「⑪転圧」します。
これをひたすら繰り返して治山ダムを構築していきます。
天端(てんば)は耐摩耗性などを確保するために、コンクリートを打設して蓋をします。
完成した中条川5号谷止工はこちら。長さ43.3メートル、高さ14.5メートル、体積4512立方メートルあります。今年は本堤だけの工事ですが、来年度以降に副堤を施工する計画をしています。
こちらは、去年完成した中条川6号谷止工です。本堤の長さ41.0メートル、高さ10.0メートル、体積1457立方メートルあります。
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