信州魅力人

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フジゲンの「フジ」は富士山の「富士」 …つまり「日本一」のギターをつくる

おらが故郷を自慢する「お国自慢」。
レタス、あんず、ブルーベリー、巨峰、えのきだけでなく、寒天や味噌も長野県が「日本一」の生産量を誇ります。(ちなみに、カーネーションも長野県が日本一。「おひさま」だけじゃないんですね。)

ご存知でしたか?
実は、「ギター」も長野県が日本一の出荷額を誇っています。日照時間が長く、湿度が低い気候を利用し、ギター生産が盛んとなりました。平成19年のギターの出荷額は長野県が4,446百万円で全国一です。

長野県のすごいものづくりを紹介し、そこに関わる人物のスポットライトを当てる「信州魅力人」。日本一のギターをつくるフジゲン社長、上條啓水の2回目です。

―後ろにはずらーっと色とりどりのギターが並んでいますが、フジゲンさんは現在、どんな商品を作っているのでしょうか?

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エレキギターが中心です。
また、アコースティックギターも新しく立ち上げました。実は、アコースティックは、昔作っていたこともあるのですが、一時期中断して、しばらく生産していませんでした。
もう一度、アコースティックギターの生産に挑戦しているところです。
アコースティックは再開したばかりなので、今の所はエレキギターがほとんどです。

―工場を見学してスゴいと思ったのが、ギターづくりは今も手作りなんですね。もちろん機械も使っていますが、一つ一つに「職人の手」が加わっていることに驚きました。

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原料の木をギターのカタチに切り抜く作業は、NCという自動で切り抜く機械を使って加工します。しかし、機械で作業したままでは塗装ができません。
塗装する為には、ひとつひとつ磨かなくてはいけないのです。
機械では磨くことができないので、そこは「職人の手」が入ります。

ギターづくりの工程の半分ぐらいは「職人の手」が加わるわけです。
職人さん、働いている人たちの技術によって、ギターの品質・クオリティーが左右されるんです。



―「職人の手」で木を磨く・・・エレキギターって工芸品のようですね。
フジゲンのギターづくりの現場をみていると、職人さんたちがひとつひとつのギターに想いを込めて作られているという印象を受けました。一番のこだわりはどこですか?

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まず、木材です。
調達をしてきた木材を自社で乾燥させる。これはギターを作る上では大切な要素です。
フジゲンの「強み」は、時間が経ってもギターの品質・音質が狂わないことです。
ギターのもとは木材ですので、どうしても時間とともに狂いが出てきてしまいます。それを出さないのが重要。
音づくりに対して、木材の乾燥は非常に大切ですので、それを自社でやっています。

―木材の乾燥を自社でするというのは、珍しいんでしょうか。

はい、世界的に見ても珍しいと思います。

―実際につくる事にもこだわりはありますか。

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「加工」に対しても非常にこだわりを持っています。フジゲンが50年間培ってきた技術が継承されています。
日本製として、とくに仕上がりは大切です。お客さんも非常に期待していますので、その期待にこたえる技術がフジゲンにはあると思います。



―「木材」「加工」にこだわっている姿は工場の様子からも伝わってきました。また、クルマの内装部品にも応用されている「塗装技術」もすごいですよね。

塗装は、本当に大変です。
木工技術、木材への塗装というのは、職人さん一人の人が技術を習得するのに非常に時間がかかるんです。
少なくても10年はかかる。色づけもセンスがないと、カッコいいギターにならない。カッコいいギターでなければ誰も欲しがらない。
たとえば、この色出し。このギターは縁取りを違う色で仕上げていますが、こうした縁取りや模様なども、職人さんがスプレーガンで吹き付けていくのです。

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―絵を描くような感じ・・・本当に伝統工芸のような感覚ですね。

エレキギターは、工業製品でありながら工芸品でもある。工業と工芸の間の製品のようなものです。
たとえば、色彩ひとつみても職人さんのセンスが大切です。そのワザを持った職人さんたちが大勢いる・・・というのがフジゲンの「強み」になっています。

―楽器として「音」へのこだわりは?

当然、演奏する楽器ですから、弾く人が弾けば「音」が分かります。
実際フジゲンでギターを作っているのは、ギターが好きな人が多い。ギターが好きな人たちが全国から集まって、ギターを作っています。

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そういう演奏者たちの感性で、どういうものだったら弾きやすいかを考えながら生産しています。
ギターを弾くのも好きな作り手たちが、日々研究しながら、どうすればもっといい音が出るのか、どうすればもっと弾きやすくなるのかを、今までの経験を踏まえてつくっています。
最近は、ギターが好きな若い人たちも多く入社してきているので、若い感性を取り入れていくこともこれから重要になってきます。



―ギターを「つくる」ことに関しては50年の歴史があるフジゲンですが、これまでは「つくる」こと中心で「売る」ことはしてこなかった。つまり相手先のブランド名でつくるOEMですよね。
でも10年程前に、ついにオリジナルブランドをつくりはじめた。

私たちのつくるギターの大半は、製造を中心とした「OEM生産」、フジゲンにとってのお客様である他のブランド名での製造が中心でした。
しかし、10年前に自社ブランドをスタートしました。まずは国内、3年前に海外に進出し、今は国内外での自社ブランドの確立に努力しているところです。

―海外でのエレキギター市場は、これから広がっていく?

海外市場はどんどん広がっています。
中国や東南アジア、インドネシアとか、ギターが好きな人がいっぱいいるんです。中国でもエレキギターを弾く人たちが増えているので、市場はどんどん増えていくんですね。
音楽は世界共通の言語です。ブラジルもそうだし、ロシアもそうだし、中国もそうだし、インドネシアもそうだし、そこに参入していきたいと思っています。

―メイドイン・ナガノ。長野県でつくられたギターが世界中で演奏される、という日が来るかもしれませんね。

そうですね。
フジゲンのギターが世界中で音楽を奏でてくれることを目標に、メイドイン・ナガノ、メイドインジャパンとして、フジゲンのブランドを世界中に広めていきたいと思っています。

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