2013.11.06 [ 【目】自然・景観 ]
こんなところに○○○が!!
農地整備課では諏訪管内の土地改良施設の現状について職員総出で調査しています。土地改良施設の調査を通じて、地域の特色や歴史について、いろいろ「発見」できます。
今回は発見した一部を紹介します。
<グーグル地図(航空写真)を引用しました>
諏訪湖南部には、長野県内で唯一の平野部の水田地帯があります。諏訪市の上川西側の文出、小川、豊田、湖南の水田地帯を称して「諏訪平」と呼んでおります。
その昔は「諏訪大社上社の付近まで諏訪湖だった」と言われていますが、事実諏訪湖岸付近の水田と諏訪インター付近の水田の高さはほぼ同じ高さとなっています。
写真は豊田地籍にあります「じんかん堀」です。昔は武井田川と新川を結んでいたであろう形跡が残っています。また周辺河川と諏訪湖の水位差が無いことから、「クリーク」として利用されていたものと思われます。教科書でしか見たことが無い施設が長野県にもあったのですね。
<いちみぞ堀とポンプ場>
現在はこのような堀からポンプ等使用して、水田に水を流しています。また、水を反復利用するための排水路が堀に流れ込むように作られています。
新潟平野などでみられるような土地改良施設が標高760mの高冷地にあること自体が新鮮であり、心高ぶる思いがします。
さらに調査を進めていくと、見慣れない施設(写真)が農地にありました。これは、ガス田跡と思われます。調べてみると諏訪瓦斯(株)が1990年頃までメタンガスを採掘していたようですが、現在は採取されていないようで、引火しないように空気中に放出するなどの管理をしているようです。諏訪湖周辺の地下水にはメタンガスが相当量溶け込んでいるようなので、新潟平野のかつてのガス採掘事象と同じようなことが諏訪湖周辺でもあったことが分かります。
長野県農政部では、土地改良施設を利用した小水力発電などの再生エネルギー推進を図っているところですが、メタンガスは地球温暖化要因とも言われているので、「マイクロガス発電」なんてのも再エネ+地球温暖化ガス抑制となるので、一考の価値があるのかもしれません。
諏訪平地域の農地は昭和30年代に一度整備され、現在まで50年近く維持管理されています。しかし、半世紀前の施設なので、既に寿命を迎えてきており、農家のみなさんは水を確保するだけでも、非常に苦労されています。今後も諏訪地域を詳細に調査を進め、将来の農業を考えていかなければならないと感じた次第でした。
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