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制約を乗り越え旨くなる長野の米づくり

長野県オリジナル米 「風さやか」
小柳農園 新井康寛さん

今や日本には900を超える水稲うるち玄米の銘柄が存在し、年々その数は増え続けています。長野県では「コシヒカリ」の栽培が盛んで作付面積は全体の約7割を占めます。近年では稲刈り時期の労力不足が問題となるほか温暖化の影響も懸念されるように。暑さに強く、コシヒカリと収穫時期をずらすことができ、長野県の特徴を出せるような品種を求める声をうけ誕生したのが、2013年に品種登録された長野県オリジナル米の「風さやか」です。

「風さやかは印象的な香りと、お米の甘さやうまみがあって、のどごしが良い。コシヒカリはそのまま食べて美味しいお米だけど、風さやかはおかずと一緒に食べると、おかずを引き立てられるようなお米です。だしとの相性もよく、煮物とか、お茶漬けなど、日本らしい食事に合うんですよ」

こう風さやかの魅力を語るのは、中野市内180か所の田んぼで風さやかのほか、コシヒカリ、もちひかり、酒米の山恵錦、美山錦など多種多様な米栽培を行う小柳農園の新井康寛さん。
2012年には皇室新嘗祭の献上米にも選ばれた経歴を持ち、その際に天皇陛下からいただいた「これからは地域の農業の発展に力を尽くしてください」との趣旨の言葉をきっかけとなり、長野県らしい米栽培への志を強くしたそう。そのため、長野県生まれの「風さやか」栽培にも強い思い入れを持っているのだといいます。

品種によって、育ち方の個性があるそうで、新井さんはコシヒカリは保水力の高い土地で、「風さやか」は水はけが良い土地で栽培するなど、品種と土の特性に合わせて栽培しています。風さやかを栽培している土地は夜間瀬川の扇状地。山から運ばれてきた石が堆積する砂礫層という果実栽培にも適した土地で風さやかを栽培しています。

「風さやかは多収系の品種で、肥料をしっかり吸ってしまうっていう特徴があります。そのため、風さやかならではのすっきりとした味わいが生み出せるよう、肥料を与えすぎないよう調整しながら作っています。水も養分が豊富な千曲川水系ではなく、上流からの距離が近い夜間瀬川から水を田んぼに引き込んでいます。石が多く肥料が流れやすいこの地の特徴が逆に風さやか栽培には適しているんだと思います」

また、一つの品種を複数のたんぼで栽培し、生育状況の確認のほか、食べくらべることで、品種にあった土地を探求しているそうで、
「土地と水の両方があって、そのお米の味わいってできる。土地に合う品種や栽培方法を考えながら今後も米づくりと向き合っていきたい」と新井さん。

それぞれの土地で、それぞれの個性を持った米が育まれている長野県。豊かな土壌や水、長野県特有の気候に加え、先人たちの知恵とたゆまぬ努力が今の長野県の米作りにつながっているのです。

 

※この記事は2022年9月時点の情報です。取扱商品等は変更になっている場合がございますので、ご了承ください

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