信州の逸品 いま信州で注目されている旬なモノ・コトをお届けします。

信州の逸品

いま信州で注目されている旬なモノ・コトをお届けします。

信州の酒はテロワールを語る

くわえて、長野県は病気が出やすい28~30度の温度帯に気温が留まらないことから他県と比較しても高品質なお米ができます。特に飯島町田切地区周辺は標高約750mと比較的高く、朝は22~3度、昼は32度程度と昼夜の寒暖差が、太りが良く高品質なお米を育くみます。

田切農産では酒蔵との関係を大切にしており、杜氏と会う機会がある都度、お米の感想を聞き、生産に生かしていくことを積み重ねているそう。
「当社では、20年ほど前から化学肥料は一切使用せず、農薬の使用も県の基準の2分の1以下に抑えて酒米を栽培しています。始めた当時は全国的にみても、酒米を有機や減農薬で育てている生産者は少なかったのですが、これも酒蔵さんから『こういったお米が作れないか』という提案があってチャレンジしてきたものになるんですよ。このような、酒蔵さんとの対話をこれからも大事にしていきたいですね」と紫芝さん。

 



「地元で作られたお米で、その地で汲み上げられた水で酒を作るのが基本だと思うんです。長野県の酒蔵の皆さんとお話すると、美山錦をはじめとする長野県産の酒米を使って、その蔵に湧き出る水でお酒を醸すという、基本的な部分を大切にしている蔵が多いんだなあと思います。酒蔵さんが頑張って、いい酒を作ってくれたおかげで、我々もたくさんお米が作れますし、酒米を作る土地柄、気候、歴史も含めて、酒蔵と手を取り合って県産酒米の良さを伝えていきたいです」

長野県には「酒は農家と酒蔵の共同作品」との想いを強く持ち酒造りに取り組む酒蔵が多いですが、それは酒米の生産者も同様なのです。

 

長野県生まれの期待の新品種「山恵錦」


高橋助作酒造店 5代目 高橋 邦芳さん

酒米の王者と称される「山田錦」に匹敵する長野県オリジナルの新しい酒米を目指し、平成15年(2003年)の育種開始から品種登録される令和2年(2020年)まで17年間もの長い年月を経て生み出された「山恵錦(さんけいにしき)」。「美山錦」や「山田錦」などの酒米の長所を併せ持ち、味香のバランスがよく、なめらかな清酒に仕上がるのが特徴です。

品種登録出願が公表され、平成30年(2018年)から「信交酒545号(山恵錦)」と表示した日本酒の品評会への出品や販売が可能となるやいなや、「山恵錦」で醸した日本酒が全国新酒鑑評会で金賞を受賞するほか、ロンドンで開催される国際的なワインコンクールであるインターナショナル・ワイン・チャレンジ(IWC)2021のSAKE部門において、諏訪御湖鶴酒造場「御湖鶴 純米吟醸(山恵錦)」が出品総数1499銘柄の頂点に立ち、チャンピオン・サケの栄冠を獲得。鮮烈で華々しいデビューを飾った期待の新品種です。年々山恵錦で酒をかもす酒蔵が増加しており、今では県内の半数近い約40の酒蔵が「山恵錦」の日本酒を醸しています。



「この品種の普及が始まる頃、長野県農業試験場が育種した新たな酒米品種の中に、酒米としての品質が良さそうで、ちょうど信濃町の気候に適し、寒さや病気にも強い品種がありましたので、農家さんに試験栽培をお願いして新たな酒米での日本酒造りへの挑戦をはじめました。それがまさに『山恵錦』です」
こう教えてくれたのは長野県北部の信濃町で明治8年(1875年)に創業した「高橋助作酒造店」5代目の高橋邦芳さん。

地元の湧水と原料米で日本酒を醸しており、普及されるか分からない「信交酒545号」(のちの「山恵錦」)の試験醸造にも早い段階から継続して参画した数少ない酒蔵です。山恵錦で醸した日本酒が出品可能となった平成30年(2018年)には山恵錦を100%使用した「純米大吟醸」を「全国新酒鑑評会」、「関東信越国税局」、「長野県」の各鑑評会に出品。それぞれ「金賞」、「優秀賞」、「知事賞」の国内三冠を受賞するなど、山恵錦の質の高さを最初に世に知らしめた酒蔵です。



「全国的には酒米というと山田錦が有名ですが、長野県では気候条件が合わず、栽培が難しいのが実情です。特に「寒さ」が大きな問題としてあります。春の遅霜や冷夏、そして地域によっては晩秋には雪が降ってしまうなど、長野の気象条件による制約を克服し、お米の性質的にも山田錦に負けないものをいかにつくり上げるかという制約や試練があったからこそ生まれた酒米が山恵錦だと思います」と高橋さん。

「高橋助作酒造店」5代目の高橋邦芳さん

1 2 3

このブログのトップへ

このブログへの取材依頼や情報提供、ご意見・ご要望はこちら

営業局
TEL:026-235-7249
FAX:026-235-7496