2013.05.09 [ILOVE信州]
“活気あふれる“善光寺・門前暮らし”を発信”(2)
“活気あふれる“善光寺・門前暮らし”を発信”(2)
本との出会いから変わる人生
「I♥信州」は、長野県外から信州へ移住された方に、移住のきっかけや信州での暮らしの様子をお伺いし、長野県の魅力をさらに伝えていこうというコーナーです。
Book&Cafe ひふみよの
オーナー、今井雄大さん
第10回目のI♥信州、前編では長野市・善光寺の門前で「門前暮らしのすすめ」活動をしているナノグラフィカのメンバー・増澤珠美さんにお話をお聞きしました。
◆前編はこちら
中編・後編ではナノグラフィカで行なっている活動「門前暮らしのすすめ」をきっかけに移住された、Book&Cafe ひふみよのオーナー、今井雄大さんに現在のカフェを開店するまでの経緯などをお聞きしました。
細野晴臣さんら日本を代表するミュージシャンで結成され、活動していたバンド、「はっぴぃえんど」の楽曲をBGMに、たくさんの本に囲まれた、ゆったりとした空間での取材となりました。
■全国を渡り歩き、旅するように働く
「Book&Cafe ひふみよ」は、長野市善光寺の門前、表参道からは少し離れた場所にあります。
「Book&Cafe」の名のとおり、外からでもお店の中にある膨大な本の数々が目に入ります。
店内に並べられた本は、絵本や小説から時事問題に焦点をあてたノンフィクションものまで、オーナーである今井さんのセレクトが光るものばかり。誰かが手にとってくれることを今か今かと待っています。
この「Book&Cafe ひふみよ」のオーナー、今井雄大さんは長野県の隣、群馬県のご出身。大学卒業後は家電販売店に就職し、忙しい日々を過ごしていました。
仕事に追われる中、「自分の時間を持ちたい」という想いから自分探しの旅に出たことがきっかけで、住み込みで働くという新しい仕事のスタイルを知り、そこから約6年間全国各地で様々な仕事に携わりました。
中でも長野県では、野辺山の牧場での搾乳の仕事や白樺湖のホテルでの接客、上高地では山小屋・・・など、度々仕事で訪れていたことや出身である群馬県の隣県ということから、以前から親近感を持っていました。
奥様との結婚を機に、起業を考えるようになり、一念発起。
前回ご紹介した、ナノグラフィカの活動『空き家見学会』をきっかけに長野市へ移住されました。
今井さん:「移住先を決めるときは、松本にしようか長野にしようか、迷っていた時期がありました。けれど、長野市はナノグラフィカさんを中心に、善光寺門前界隈でなんだか面白い動きをしてるなと思って、お店を開く移住者の方が多いこともあり、長野市に決めました。
今でもナノグラフィカさんとは、様々なことでコミュニケーションをとっています。
門前界隈では、横のつながりがとても大きいですね。」
■まちの本屋さんと憩いの場、二つの顔をもつ「Book&Cafe ひふみよ」
「Book&Cafe ひふみよ」の名前は、今井さんが学生時代から好きだった小澤健二さんのコンサートツアータイトルに由来しています。日本語の響きの面白さと、覚えてもらいやすい言葉ということもあり命名されました。
来月6月でオープンから丸2年を迎える、Book&Cafe ひふみよですが、開店するまでにはたくさんの方々の支えがありました。
奥様や友人、またご近所の方々の力を借りながら、解体作業や壁のペンキ塗り、漆喰塗りなど自分達でできることは自分達の手で作業!店舗が完成したときは、感慨もひとしおです。
たくさんの人の手でつくられたBook&Cafe ひふみよは、オーナーの今井さんにとっても、携わったみなさんにとっても愛着あるお店となりました。
空き家となっていた、元・酒屋を改装してつくられた「Book&Cafe ひふみよ」。
門前の街並みに溶け込んでいます。
今井さん:「開店する前の作業中からブログなどで情報発信をしていたのですが、それを見た近所の方が手伝いに来てくれたり、開店前に人のつながりが出来たことはとても大きかったです。
最初の頃は、街に溶け込めるのか、不安もありましたが、ご近所の方も良くしてくださいますし、
この場所に住んでまだ2年ほどですが、ずっと昔から暮らしているような感覚です。」
天気の良い日には、ご近所のおばあちゃんが散歩がてらに、ふらっと立ち寄ってくれる・・・、冬は2階のカフェスペースのコタツで温まりながら、思う存分、本を読みふける・・・。
「Book&Cafe ひふみよ」は街の本屋さんというだけでなく、憩いの場としても地元の方々から愛されています。
■一冊の本が価値観を変えることもある
Book&Cafe ひふみよで取り扱う本は、衣・食・住の生活に関わる本や、もう一つの生き方や世界を提案してくれるカウンターカルチャーが主なジャンルです。
並べられている本は、全て今井さんがご自身の足で、古本屋や新古書店を歩き回り集めたもの。
本の一冊一冊から、今井さんの人柄やこだわりが見えます。
今井さん:「今は本を買うといってもインターネットで注文して、次の日には届くというような世の中で、わざわざ街の本屋さんへ行って買うということが一般的に少なくなってきています。
でも本屋では実際に店舗でないと出会えなかった本とか、今まで興味がなかったけど、こういった世界があるんだ、という新しい価値観を提供してくれる本との出会いがあります。
お店にはそういった“本との出会い”を求めて来られる方が多いかなと思います。
自分が今まで生きてきた中で、一冊の本と出会って、その本が新しい世界に導いてくれたという経験はよくあるので、“本との出会い”をお客様にも伝えていけたらいいなと思っています。」
「Book&Cafe ひふみよ」の店内。棚には今井さんセレクトの本がたっぷり!
今井さんが価値観が変わったという本の中のひとつ「自然のレッスン」
「Book&Cafe ひふみよ」は、日々の忙しさから少し立ち止まって、今の自分を見つめ直す・・・そんなきっかけを与えてくれる場所。今井さんがセレクトした本と相まって、「こんな考え方もあるんじゃない?」と、押し付けではなく、語りかけられているような不思議な感覚になります。
今井さんの想いや伝えたいことがたくさんつまったBook&Cafe ひふみよは、今日も訪れる人に「もうひとつの生き方」をそっと提案しています。
次回、後編では今井さんがこれから挑戦していきたいことや善光寺門前で暮らしてみたい方に向けてのアドバイスなどをご紹介します。お楽しみに。
・Book&Cafeひふみよ
http://bookcafe1234.net/
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