2013.10.31 [ILOVE信州]
“生きる力は北信州の自然とともに(2)”
生きる力は北信州の自然とともに(2)
「I♥信州」は、長野県外から信州へ移住された方に、移住のきっかけや信州での暮らしの様子をお伺いし、長野県の魅力をさらに伝えていこうというコーナーです。
第16回目のI♥信州は、2010年に神奈川県から木島平村に移住された内藤正巳(マサミ)さんにお話をお聞きしました。
前編では、内藤さんが木島平村に移住されるまでの経緯をお聞きしました。
後編では、「百姓塾」での活動の様子や移住を考えている方へのメッセージなどをご紹介します。
<農業実践・百姓塾での活動>
2006年から現在まで「百姓塾」の活動を継続して取り組んでいる内藤さん。
「百姓塾」の活動を通して四季の自然の流れに沿った生活を再発見しています。
(写真提供:飯山市ふるさと回帰支援センター)
内藤さん:「「百姓塾」の畑は飯山市にあって、5月~11月までの期間中、月1回のペースで開催されます。田んぼは田植え・草取り・稲刈り、畑は色んな野菜を植え、草刈りや収穫までをみんなで取り組んでいます。
僕が「百姓塾」に参加し始めた当初は人数も少なかったのですが、今はだいたい10人~20人ぐらい。最近はリピーターの方も多いので、新しく参加される方になるべく作業をしてもらえればと思っています。」
(写真提供:飯山市ふるさと回帰支援センター)
内藤さん:「神奈川の自宅から「百姓塾」に参加していた頃は、来るたびにビーバー(刈払機)で畑の草刈りをしていました。畑の雑草は手を入れないと、こちらの意図に反して勝手に成長してしまうので、結構気になりますね。
基本的に「百姓塾」の活動は土日に開催されるので、当日はどんな天気でも作業しないと進まないんです。
雨の日の活動は大変ですが、自然が相手なので自然のリズムにそって畑を見守る事に楽しみを感じますね。」
土を耕し、種や苗を植え、雨の日も風の日も成長の過程を見守る…。自分の手塩にかけて育てた作物はまるで子どものようなもの。
自身の手で育てたものなんだという安心感とともに、収穫するときには大きな達成感を味わうことができます。
収穫直後のトマトをその場で食べることができるのは一番の贅沢だ、と内藤さんは話します。
自分で育てた野菜たちは、近所の方々とのコミュニケーションの潤滑剤にもなっています。
自分の手で育てる野菜たちは愛情たっぷり!
内藤さん:「野菜の季節には近所の方からお裾分けを結構頂きます。自分も今年の夏にズッキーニを育ててみたんですが、これが結構採れたので、お裾分けしようと思ったら、お隣のご主人から『ズッキーニいらないか?』って言われたり(笑)それで、友達の家に送ったり、実家に送ったりしています。」
内藤さんの暮らしの中に四季折々の自然が根付いているように感じます。
取材当日内藤さんが自宅の前の畑で育てている「ミニトマト」をその場でもいで頂きましたが固めの食感でジューシー、大変美味でした。
<移住を考えている人達へのメッセージ>
移住のひとつのポイントとなるのが「地域との関わり方」。
地域の行事や役割、近所付き合いがネックだという方は少なくありません。
しかし、内藤さんは北信州・木島平村での地域との関わり方が心地良いと感じています。
都会のマンション暮らしとは違い、ご近所同士の顔が見え、お互いのことを気にかけている…そんな人間関係が内藤さんの思い描く田舎暮らし像に、ちょうど良く重ね合わさったのです。
内藤さん:「地域では地区の皆さんで草取りや水路の掃除など、季節ごとで仕事はありますが、コミュニティーを維持していく上では必要な仕事だと思います。この場所に住むと決めて来た以上、最低限地域に合わせていく事が大事だと思います。」
内藤さん:「僕は、日常の生活をマメにやっていきたい、それが苦にならないという人に、田舎暮らしは向いていると思います。
ファッションやグルメといった流行を楽しんで生活したいという人は都会向きですね。
喉が渇いたとき、お茶を飲むにも自動販売機やコンビニですぐ買えたり、都会は便利な分だけお金もかかります。
こちらでもコンビニはありますが、面倒なので水筒を持っていくとかすると、意外と生活費がかかりません。車の運転ができればショッピングセンター、ホームセンター、大きな家電量販店も近くにありますし、地方もそんなに不便じゃないですよ。」
内藤さん:「それと、働き世代の移住はどうしても仕事をどうするか、生活のための収入をどうするかが問題だと思います。中々就職先を見つけるのは難しいかもしれませんが、一つの勤め先でサラリーマンをやるよりは、農業とか色々な仕事をやって稼いでいく。
これからは今までのように経済が安定して収入が増えていく世の中ではなくなってくると思いますし、勤め先の会社が倒産したり、自分が体を壊して働けなくなったら収入が途絶えてしまいます。」
内藤さん:「田舎はある程度自給自足というか、食べ物には案外困りません。
収入を複数持っていることは、生活のリスク管理です。田舎暮らしは贅沢を言わなければ生きていけると思います。短いようで長い人生。お金では買えない人間らしい暮らしができると僕は思います。」
<インタビューを終えて>
内藤さんの自宅前に見える高社山も
色づきの季節を迎えます
2006年から活動している「百姓塾」は今後も続け、また色々な活動を通じて移住に興味をもってもらい仲間を増やし、近い将来には自身で「田んぼ」もやってみたいと語る内藤さん。
都内で培った自治体での仕事経験を生かし、木島平村役場で今もご活躍中です。
信州と関わりを持ってから早7年、北信州木島平村の内藤さんのご自宅から見える高社山は、間もなく紅葉が始まります。実りの季節が過ぎると、内藤さんの移住生活3回目の冬が間もなくやってきます。
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