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“白馬のホットステーションを目指して”(1)

I♥信州(あいラブしんしゅう)
“白馬のホットステーションを目指して”(1)
今だから出来る理想の生活へのスタート

「I♥信州」は、長野県外から信州へ移住された方に、移住のきっかけや信州での暮らしの様子をお伺いし、長野県の魅力をさらに伝えていこうというコーナーです。


第9回目のI♥信州は、2010年に愛知県名古屋市より北安曇郡白馬村に移住された、伊藤光泰さん・恵美さんご夫妻にお話をお聞きしました。

伊藤さんご夫妻は、1998年・長野オリンピックのジャンプ競技やアルペン競技会場となった白馬村で、地元の方から観光客の方まで、老若男女を問わず多くの方が訪れる喫茶店「珈琲せんじゅ」を経営されています。

こだわりの天然酵母を使用した自家製パンの焼けた匂いと、自家焙煎の珈琲のアロマが香る店内。
ダイナミックな白馬八方尾根を眺めながら、信州・白馬村に移住するまでの経緯などをお聞きしました。


■身近な自然を受け入れて暮らす、新しい生き方への目覚め

伊藤さんご夫妻は、2010年に愛知県名古屋市から北安曇群白馬村へ移住されました。

光泰さんは大学卒業後、コンサートやイベントの企画・制作・運営を行う企業に就職し、やがて独立。
2005年に愛知県で開催された「愛・地球博(愛知万博)」の出展パビリオンの運営にも携わった経験をお持ちです。
しかし、イベント成功に向け全身全霊、情熱を注げば注ぐだけ、イベント終了後の寂しさを感じるようになり、 自分が主人公になれる、理想とするライフスタイルを模索していました。

大学の同級生であった奥様の恵美さんは、大学卒業後地元の企業に就職し、光泰さんと結婚後は自然食品を扱う会社やアウトドア用品を扱うショップに就職。都会の生活には無い、自然と共存する生き方、身近にある自然への憧れを強く感じながら、忙しくも充実した日々を過ごされていました。
もともとアウトドアが共通の趣味の伊藤さんご夫妻は、夏はサーフィン、冬はアルペンスキーと一年を通してアクティブに活動されています。 
名古屋での生活時代に趣味仲間がこぞって訪れる隠れ家的なバーで、仲間からゲレンデでは味わえない雪の感触を楽しめるテレマークスキーを熱心に勧められたことがきっかけで、八ヶ岳を訪れることに。
初めてのテレマークスキーでは、自分の思い通りに滑れない歯がゆさと悔しさを味わいましたが、それから毎週のように白馬へ訪れ、次第にテレマークスキーの魅力にはまっていきました。

恵美さん:「テレマークスキーを始めてから、山の本当の魅力に気づきました。
今までは山に作られた、整備されたスキー場でしか滑っていなくて、それももちろん楽しいのですが、山はとても雄大なのに、その中のほんの一部分しか味わえていなかったなと思いました。
雪は簡単には滑らせてくれないし、山は場所によっても天候が違います。
その日の天候に合わせてコースを変えたり、自然に自分を合わせていく・・・この楽しみ方が私達にはマッチしていたのかなと思います。」

あるとき、ご夫婦共通の趣味であるテレマークスキーで知り合った方の紹介で、小谷村でペンションを経営されていた方と出会い、自然と共存し、身近な自然を受け入れて暮らすライフスタイルに共感し、“田舎に暮らす”という新しい生き方に目覚めました。

それまでの観光目線で見ていた白馬村を、「暮らす」という目線で見たとき、実家のある愛知県からの距離や、自分達の趣味であるスポーツの環境、学生時代から何度となく訪れていたことで友人も増えていることに気づき、移住を決断。2010年、信州・白馬村での田舎暮らしがスタートしました。

■「今」だから出来る理想のライフスタイル、決断は踏み出す勇気

白馬村で喫茶店「珈琲せんじゅ」を経営する伊藤さんご夫妻。
しかし、初めから喫茶店をする予定ではなかった、と話します。
生活の糧である仕事は、当初光泰さんが長年手がけてきたイベント関連の仕事でと考えましたが、ラフティングと自家焙煎の珈琲、天然酵母のパン作りをライフワークに活動されている古くからの友人の助言もあり喫茶店の開業を決断されました。

それから白馬村を中心に生活の拠点となる家や、仕事の情報をこまめに収集する日々が続きました。
友人達にかけ合ったり、不動産屋さんへ相談したりするものの、なかなか自分達の暮らしに合う物件に出会うことができませんでした。
移住を考え始めてから約5年、ようやく今の場所と出会い、知り合いの方に根気強くコンタクトをとり続け、信頼関係を築き、無事契約することができました。
駅が近いだけでなく、パウダースノーのゲレンデまで5分、海も1時間ほどで行くことができる伊藤さんご夫妻の理想の場所。


伊藤さんご夫妻、自慢の喫茶店「珈琲せんじゅ」。
外にはこの冬に積もった雪がまだうず高く残っていました。
玄関の扉は、新潟の土蔵から譲ってもらったものを、木曽の漆器職人のもとで手直し。
漆器独特の光沢感が美しい!

光泰さん:「今まで都市圏で暮らしていたので、あまり人里離れた場所は馴染めなかったのではないかと思います。
適度に人々の暮らす気配がして、スキー場がすぐ近くにあるのにも関わらず、生活の利便性が良い。
それに駅も近いですから、観光客の方もよく立ち寄っていただけるので、本当に理想とするところにお店を構えることが出来ました。」

長野県内でも積雪量の多い白馬村。降り積もる雪は、覚悟はしていたもののある意味脅威でした。

恵美さん:「地元の方は生まれたときから雪のある生活に慣れていますが、高齢になってからの雪国での生活は体力的にも気力的にも厳しいなと思いました。

生活するのにいっぱいいっぱいで、スキーまではとてもじゃないけど楽しめないんじゃないかと。
雪深い地域は特に40代で田舎暮らしをスタートするのと、60代でスタートするのでは大変さが違います。」

恵美さん:「このくらいの年齢でこれをしたい、と思っても中々実現できる方は少ないと思うのですが、親身に相談に乗ってくれた兄の後押しもあって移住をすることが出来ました。
やりたいときにやりたいことをできるシチュエーションって人生の中でもそうないと思うんです。
移住を決断するのは、思い切って一歩踏み出すかどうかの違いだと思います。」

次回、後編では伊藤さんご夫妻の現在の暮らしの様子や移住を考えている方に向けてのメッセージなどをご紹介します。お楽しみに♪

【インタビュー時期・2013年3月】


■伊藤さんご夫妻が移住された北安曇郡白馬村

長野県の北信地方、標高3000メートル級の山々に囲まれた豪雪地帯。
それ故、スキーなどのウィンタースポーツを主軸とした観光業が発展しています。
1998年の冬季長野オリンピックで、スキージャンプ競技が行なわれたジャンプ台は、日本で唯一ノーマルヒル・ラージヒル用が二つ並ぶ会場で、現在も国内外の大会で使用されています。
冬季だけでなく、夏季は冷涼な気候からトレッキングやラフティングなどのアウトドアスポーツを楽しむ方も多く、一年を通じてたくさんの観光客が訪れています。


上段左:白馬村役場 上段右:1998年の長野オリンピックで使用されたジャンプ台
下段左:白馬駅 下段右:白馬村内には各所にオリンピックの看板が立てられています。

■長野県では、東京・有楽町に「長野県移住・交流センター」を開設したり、県内各市町村でも移住に関する取り組みに力を入れています。

「長野県移住・交流センター」には、移住やIターン専門の相談員が常駐していますので、信州への移住に関心のある方はお気軽にご来場ください。

また、長野県と参加市町村が各地域の魅力を伝える、信州田舎暮らし個別相談会が2013年3月に実施されます。

【信州田舎暮らし個別相談会(第10回)】

・第10回
平成25年3月23日(土) 13:00~16:00
<共同参加市町村:茅野市、原村、駒ヶ根市、飯島町、大町市>

会場はふるさと回帰支援センターです。
詳しくはこちらから >>
http://www.pref.nagano.lg.jp/kanko/iju/iju-koryu-seminar/iju-koryu-seminar.htm

長野県、参加市町村、就業、住宅など相談内容ごとにブースを設置しているので、ご自身の希望するブースでご相談いただけます。(ブースによってはお待ちいただくことがあります。)
参加無料・入退室は自由です。移住に興味を持たれている方や信州を知りたい方など多くの皆様のご参加をお待ちしております。

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