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私の住んでる・私の好きな信州

“夢は北相木で夏フェス!(1)”

I♥信州(あいラブしんしゅう)
夢は北相木で夏フェス!(1)

「I♥信州」は、長野県外から信州へ移住された方に、移住のきっかけや信州での暮らしの様子をお伺いし、長野県の魅力をさらに伝えていこうというコーナーです。

第12回目のI♥信州は、東京都から南佐久郡北相木村に移住された、峰尾勝巳さんにお話をお聞きしました。

峰尾さんは、北相木村の廃校になった小学校で、家具工房「夢屋」を開き、家具職人として物づくりの世界に携わっています。

梅雨の時期が少ない北相木村で季節を告げるハルゼミの鳴き声が聞こえる中、峰尾さんが信州へ移住するまでの経緯をお聞きしました。


■若者文化が大きく変化し始めた東京で抱いた疑問

1953年、東京都で生まれた峰尾さん。幼い頃からピアノを習い、音楽に触れ、学生時代にはビートルズやローリングストーンズをはじめとするロックアーティストに出会い、峰尾さん自身も大きな影響を受けました。
社会が低成長期へと移り変わり、若者文化の劇的な変化や学生運動が盛んとなった時代。
東京にはさまざまな地方から若者が集まり、一つのコミュニティを形成していました。
そこに集まった若者が口々に話していたことは、地域社会から単身出て行くということのハードルの高さです。
自分たちの田舎の良さを話す反面、彼らは何故、恋しい田舎に帰らないのか…。
そこには「一旗上げないと田舎には戻れない」という地方出身者の強い想いがありました。
一旦地域を出たら、何かを成し遂げる、一旗上げて帰らなければ面子(めんつ)が立たない、家には戻れない…という彼らの揺ぎない信念に触れ、峰尾さんは、一旗とはどういうものなのか、地域で暮らすということはどういうことなのか、と疑問を抱きました。

峰尾さん:「彼らの話を聞いていると、東京よりもっと開けた場所がある、面白いところあるんじゃないか、ということを薄々思っていたんです。僕は報道写真家になりたくて、写真の専門学校に通っていたんですが、在学中、仲間とバンドを組んでいたんですよ。そのミュージシャン仲間でも地方から出て来た人が多くて、みんな根性あるんですよね。なんで根性あるのかなって思ったら、やっぱり「一旗上げなきゃ帰れない」っていうところなんです。それで、地域に入るってことはものすごいハードルが高いことなんだなぁ…と思いましたね。」

■写真から音楽、そして家具職人の道へ

峰尾さんは、専門学校卒業後、カメラマンをしながら音楽活動も続け、御茶ノ水で偶然声を掛けられたことがきっかけとなりプロミュージシャンとして活動を始めました。
プロミュージシャンとしての活動はご自身のバンド活動のほか、スタジオミュージシャン、メジャーグループの全国ツアーのメンバーとしてコンサートツアーに参加するなど、数多くのアーティストに信頼されていました。あるツアーの最中、北陸地方での公演の際に宿泊したホテルでの出会いが、峰尾さんの第二の人生のターニングポイントに。

峰尾さん:「富山だったかなぁ、ロビーに素晴らしいドレッサーが置いてあったんです。それを見た瞬間にこういう家具をつくれる人になれたらいいなと思いました。もともと家具づくりは漠然と頭の中にあったんです。それでも音楽の仕事を続けていたのですが、たまたま読んだ、家具づくりの雑誌で家具をつくれる学校があるということを知って、そのページを見てすぐに電話しちゃったんですよね。」

思い立ったら、即行動!若さも手伝って、木曽郡上松町にある長野県上松技術専門校に就学し、そこで1年間に渡って木製家具の設計や製作の基礎を学びました。


左上:工房の中は、校舎だった頃の面影がそこかしこに残っています。
峰尾さんのコレクションであるミニチュアギターや家具。
外には花菖蒲も綺麗な花を咲かせていました。

■人生観を変えた師匠からの言葉

在学中、日々、木と向き合い、家具製作に精を出していた峰尾さん。
卒業後、家具職人として生計を立てている現在でも修行の日々だと語ります。

峰尾さん:「僕はとっても不器用だったんです。ノコギリを切らしても斜めに入るし、ほぞ切っても穴は倍ぐらいあいちゃうし。それで、三ヶ月ぐらいで諦めようかと思ったんですが、その時、師匠がポンポンと僕の肩をたたきながら、『物づくりってのは不器用じゃなきゃだめだよ。器用なやつは絶対上手くならない。いい家具を作って、今木工家で頑張っている奴はみんな不器用だった。俺も不器用だと散々師匠から言われたよ。』と言われて….。それは優しい言葉で、人生観が変わりましたね。」

自分が不器用だという人は、何回もやらないと上手くならない。飽きずに同じことを何回も練習する。反対に、器用な人は一回で物が簡単に出来てしまうのでだんだんつまらなくなってくる、自分で作品をつくっても嬉しくなくなってしまう・・・。
そんな師匠からの温かい言葉と、音楽活動をしていた当時に感じたことがリンクし、物づくりの楽しさにのめり込んでいった峰尾さん。


家具に使う材木は何十年も寝かせてからでないと使えないのだとか。
倉庫には家具として生まれ変わる日をじっと待っている材木達が眠っています。

峰尾さん:「初めてつくったものが小さな箱だったんですが、とても嬉しかったことを覚えています。
音楽も同じで、器用な人の音楽より、下手でも一生懸命やっている人の音楽の方が感動する。
そこがリンクしたんです。絶対家具はつくれない、と思うくらい酷かったのですが、そういう想いがあったからこそ、未だに修行。つくった家具にこれでいい、なんて満足はないです。」

在学中は、卒業後、職人として居を構えるところも考えなくてはなりませんでした。
工房の条件としては、作業ができるだけの広さがあることと、床が板張りであること。
この条件を満たしているところは・・・と考えたときに、思いついたのが廃校になった校舎でした。

峰尾さん:「自身の工房ははじめから信州にと決めていました。
僕は関東人なので、信州にものすごい憧れがあるんです。田舎といえば信州というイメージがあって、ちょうど学校も上松町だったのでちょうどいいんじゃないかと。」

当時、長野県内には100市町村ほどに60もの廃校があり、峰尾さんはひとつひとつ、市町村に電話をかけ、見学させてもらえないか、連絡を取りました。
北は栄村から南は天龍村まで・・・物件探しの日々の果てに辿りついたのが、北相木村の小学校でした。

■東京の顔から北相木村の顔へ・・・日々の真摯な暮らしが伝わった

昭和62年に北相木村に移住してから今年で29年と、今では立派な村の住人である峰尾さんですが、初めの一年目は、地域住人から警戒され口を聞いてもらえないという経験もありました。
昔の文化、素朴な自然の暮らしが残る北相木村。
東京の顔から、北相木村の顔に変わった瞬間、北相木村と繋がったんだ、と峰尾さんは話します。

峰尾さん:「当時、東京から村に引っ越してきた人は、有史以来いなかったし、いても事情ある人なんだと。髪の毛が長くて、髭を生やして、風体が怪しいし、広い校舎で夜中に何かコンコンとやってるぞ、と疑われましたね。それで、履歴書を駐在さんに出して、今までの経歴を全部お話ししたんです。
毎日でも遊びに来てください、と鍵もかけずにとにかくオープンにしました。そのうちにだんだんと駐在さんはじめ、地域のみなさんに本当に家具職人としてやってるんだということを分かってもらうことができました。材木屋さんも、駐在さんに紹介していただいたんです。」

地域のことを全く分からない者が、地域に入るということを身をもって経験し、謙虚さと誠実さをもって地元の方々と信頼関係を築きあげる…それは、今では「昔からここにいたと思っている」と言われるほど、強い結びつきになりました。
地域のために働こう、という気持ちになってはじめて住人になれるという峰尾さんの言葉には、経験に裏打ちされた想いが込められています。

次回、後編では現在峰尾さんが行っている移住コーディネーターとしての活動や、北相木村で叶えたい夢をご紹介します。お楽しみに。

・家具工房 夢屋  http://www.avis.ne.jp/~yumeya/

■峰尾さんが移住された南佐久郡北相木村

長野県の東信、佐久地域に位置する南佐久郡北相木村。人口約845名の山村で、村内にある森林は、村木であるカラマツがほぼ占めており、美しいカラマツ林を形成しています。標高約1000mの高さから年間平均10℃に満たない冷涼な土地です。


北相木村の象徴・御座山  下段左:北相木村役場

●長野県では、東京・有楽町の東京観光情報センター内に「長野県移住・交流センター」を開設し、県内各市町村とも協力しながら移住に関する取り組みに力を入れています。
また、名古屋・栄、大阪・梅田の各観光情報センターに「移住・交流サポートデスク」を開設し、中京圏や関西圏からの移住をサポートをしています。
信州への移住に関心のある方はお気軽にご来場ください。

また、長野県と参加市町村が各地域の魅力を伝える、信州田舎暮らしセミナーが、名古屋と大阪で開催されます。

【信州田舎暮らしセミナー“名古屋”】

◆日 時:平成25年6月15日(土) 13:00~16:00 (受付開始 12:30)

◆会場 : 中日ビル6階 第1、2会議室
 (愛知県名古屋市中区栄4-1-1 中日ビル6階)

◆プログラム : ※全体説明(セミナー)と個別相談会を同時開催します。
会場内の移動及び入退室はいつでも可能です。

<共同参加市町村:長野県、上田地域定住自立圏(上田市、東御市、長和町、青木村)、茅野市、飯島町、売木村、大町市、信濃町>

【信州田舎暮らしセミナー“大阪”】

◆日時 : 平成25年7月6日(土) 13:30~16:30 (受付開始 13:15)

◆会場 : 大阪市立 弁天町市民学習センター 7階 特別会議室
 (大阪市港区弁天1-2-2-700 オーク2番街)

◆プログラム : ※全体説明(セミナー)と個別相談会を同時開催します。
会場内の移動及び入退室はいつでも可能です。

<参加自治体:長野県、茅野市、飯島町、大町市、須坂市>

各セミナーの詳細・申込等はこちらから >> http://www.rakuen-shinsyu.jp/event

移住に興味を持たれている方や信州を知りたい方など多くの皆様のご参加をお待ちしております。

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