2013.11.28 [ILOVE信州]
百聞は一見にしかず、百見より一行動。笑顔繋がる社会を目指して
百聞は一見にしかず、百見より一行動。笑顔繋がる社会を目指して(2)
「I♥信州」は、長野県外から信州へ移住された方に、移住のきっかけや信州での暮らしの様子をお伺いし、長野県の魅力をさらに伝えていこうというコーナーです。
「I♥信州」は、長野県外から信州へ移住された方に、移住のきっかけや信州での暮らしの様子をお伺いし、長野県の魅力をさらに伝えていこうというコーナーです。
第17回目のI♥信州は、2011年に東京都から小諸市に移住された小宅春樹(オヤケハルキ)さんにお話をお聞きしました。
前編では、小宅さんが小諸市に移住されるまでの経緯を、後編では、「こもろはす倶楽部」での活動の様子などをご紹介します。
◆前編はこちら
<人と人を繋げるこもろはす倶楽部での活動>
小諸エコビレッジでの半年間の研修を終えた小宅さん。
臨時職員として採用され、事務局の運営に携わりながら移住の担当を行い、臨時職員の任期終了後も小諸市の委託を受けた「こもろはす倶楽部」で移住者の受け入れに取り組まれています。
*小諸市のロハス活動
小諸市では、全小中学校に太陽光発電装置が設置され、各学校が地域の安全・安心な食材を取り入れた自校給食に取り組んでいます。また市全域の生ごみを分別収集し、 堆肥にして市民に還元していたりと、いたるところにロハス(環境や健康に配慮した持続可能な暮らし)が存在しています。
*こもろはす倶楽部
小諸全市的にロハスを実践する人達をネットワーク化して、交流人口を増やす小諸市の試みです。
2012年4月より、前身の「こもろはす会議」から名称を変え、小諸市の委託を受ける任意団体として継続して活動しています。
・こもろはす会議 http://www.komolohas.com/
・こもろはす倶楽部 http://ameblo.jp/haruki9110/
・こもろはす倶楽部(Facebook) https://www.facebook.com/KomorohasuJuLeBu
小宅さん:「小諸市役所でのこもろはす会議事務局では、移住の交流会などを企画したり、こもろはす倶楽部で移住希望者の方々と関わっています。
仕事柄、いろいろな移住希望者の方とお話ししますが、僕もなんで小諸に移住したかと言えば、小諸の空気が良かったからとか、小諸が気に入ったとか、そういう訳では決して無くて、やはり小諸の人たちが残れよと言ってくれて、この人たちと一緒にだったら何かやりたいなと思えたからこそ、小諸に居たいと思ったんです。」
小宅さん:「僕も今、移住に関わっていますが、こもろはす倶楽部の活動は地域の観光案内では無く、移住者の方が持っている長野での暮らしのイメージを汲み取って、その人にマッチした人と人を繋げ、地域の理解を深めてもらう、やはり移住の決め手となるのは人と人との繋がりだと思います。」
人が社会生活を営んで行く上で大切な人と人との繋がり、その人間関係を作り上げるお手伝いに奔走する小宅さん。地域の方と移住者の方とのマッチングは、地域の方々と深い信頼関係を築いている小宅さんだからこそできる方法だなと感じました。
<放射能から子供達を守る保養プログラム、保養宿・招福亭>
招福亭の玄関に掲げられる表札と笑門のしめ縄
小宅さんは現在、原発事故の影響で放射能被害にあった子供たちの受け入れ組織「子ども信州ネット」の事務局長として活動されています。
自身も小諸市内で保養宿・招福亭を運営し、主に福島の子供たちを多く受け入れています。
「招福亭」は小諸エコビレッジでのティピー生活を営んでいた時に、地元の放射線技師から子供たちの保養に使ってくれるのであればと提供されました。
保養所を始めるにあたり、長野県内で同じ活動を実践している団体を数多く訪問。
同じ思いを共有する他の団体とネットワークを組み、放射能から子供たちを守る保養プログラムを積極的に行っています。
小宅さん:「保養の目的は、放射線量の高い所から線量の極めて低い所へ行く事が目的です。
震災以前は普通にしていたことが、震災以降は価値のある事になってしまったんです。
例えば、砂場で遊んだり、公園で遊んだりという何でもない日常が価値のあることになってしまった。福島では、砂を触っただけで怒られてしまいますから。そういう現実があるから、ありきたりな夏休みとか、ただ畑に行くこととか、何でもないあたりまえの日々を過ごす事に意味があります。
子ども達が少しでもそんなありきたりな日々を過ごせるようにと活動をしています。」
招福亭の玄関には、保養に訪れた子供たちの笑顔の写真と小宅さんの生まれ育った福島県を形どった木製パネルが掲示されています。写真には子供たちの笑顔が溢れ、何でもない日常を心から楽しんで過ごしていることが感じられました。
招福亭の玄関に飾られている子ども達との写真と福島県の木製パネル
<百見よりも一行動、笑顔をソロバンを弾こう>
今の世の中に若干の閉塞感を感じている小宅さん、一部の人たちから笑顔が消える世の中には、大きな問題とマイナスがあると感じています。
こもろはす倶楽部で運用している地域通貨「シローネ」
小宅さん:「僕の中では、より多くの人達が笑顔になる事こそが大切だと思っています。『笑顔のソロバンを弾こう』というのを活動の理念として持っていて、お金ではなくて、これをやるといくつの笑顔が作れるか、数値化できない部分や経済的に繋がらない部分もあるかもしれませんが、多くの人たちが笑顔になる事が理想です。例え立ち位置が変わっても目標は変わりません。
見えてくるものが増えれば増えるほど、やり方も変わってくるような気がします。」
地元農家の方々から農業を学ぶ
小宅さん:「今は、食べ物とエネルギー、経済の仕組みについて学んでいます。
どこまで可能性があるかの挑戦ですが、こもろはす倶楽部でも、地域通貨「シローネ」という独自の通貨システムの運用を始めています。
またエネルギーに関しても、現在、主力のエネルギー以外にも、可能性をもったエネルギーが沢山あると思いますので、普及できれば良いなと思っています。」
小宅さん:「よく極論で、皆が自給自足すればいいんだって話になりますが、僕はそれを答えだと思っていません。誰にも迷惑をかけずに、誰の笑顔も消えないのであれば今のエネルギーを使用することも悪い事ではないのかなと思っています。」
小宅さん:「僕の原動力は、消防士時代に経験した事や生まれ故郷の福島の原発事故、福島の現場にいって経験した事から生まれた想い。よく百聞は一見にしかずって言うじゃないですか。
僕は百聞より百見より一行動だと思ってて、百回見るより一回動こうと思っています。本を何十冊読む事も大切ですが、現場で感じる事が勉強になると思います。」
招福亭の玄関に飾られている子ども達との写真と福島県の木製パネル
<インタビューを終えて>
今の経済を中心とした世の中の仕組みと、その不合理的な側面を、自らの目で探求し続ける小宅さんは、持続可能で笑顔が溢れる社会を目指し活動しています。
小宅さんの物事の心理を追求する姿勢と正義感、バイタリティーは周りの人たちを勇気づけ、また元気にします。小宅さんが関わった移住者の方々との絆は日に日に深まり、たくさんの笑顔を生んでいます。
行動的で爽やかな小宅さん、今日も信州小諸を拠点に「笑顔のソロバン」を弾く日々が続きます。
●長野県では、東京・有楽町の東京観光情報センター内に「長野県移住・交流センター」を開設し、県内各市町村とも協力しながら移住に関する取り組みに力を入れています。
また、名古屋・栄、大阪・梅田の各観光情報センターに「移住・交流サポートデスク」を開設し、中京圏や関西圏からの移住をサポートをしています。
信州への移住に関心のある方はお気軽にご来場ください。
また、移住に関するセミナーや相談会、体験ツアーなどが長野県内各地域で行われています。
移住に興味を持たれている方や信州を知りたい方など多くの皆様のご参加をお待ちしております。
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