I LOVE 信州 – enjoy! 信州ライフ –

私の住んでる・私の好きな信州

“あなたの夢はわたしの夢(1)”

I♥信州(あいラブしんしゅう)
あなたの夢はわたしの夢(1)
~二人で叶えた青木村での田舎暮らし~

「I♥信州」は、長野県外から信州へ移住された方に、移住のきっかけや信州での暮らしの様子をお伺いし、長野県の魅力をさらに伝えていこうというコーナーです。

第13回目のI♥信州は、2003年に神奈川県相模原市から小県郡青木村に移住され、今年の11月で移住10年目を迎える、遠藤紘さん・ケイ子さんご夫妻にお話をお聞きしました。

遠藤さんご夫妻は、青木村で築130年の古民家を移築した、お食事処「恵」を経営されています。
また、青木村といえばこれ!という特産品を作り、地域の活性化につなげていこうという活動に取り組んでいます。

上田平が一望できる見晴らしの良い食事処。爽やかな風が通り抜ける古民家で、青木村に移住されるまでの経緯などをお聞きしました。


■そっとしまい込んだ夢が花ひらくとき

ご主人の紘さんは東京都のご出身。幼い頃から公務員のお父様の仕事の関係で全国各地で生活され、ご自身は東京都内で公務員として活躍されていました。
奥様のケイ子さんは、福島県の会津で生まれ、その後は横浜で育ちました。

多忙な紘さんのお仕事を支え続けたケイ子さん、以前より、紘さんが退職されたら温泉の湧くところで民宿をやりたい、という夢を持っていましたが、それは夢のまた夢…と自分の心にそっとしまい込んでいました。
しかし、自宅を訪れる、紘さんを慕う職場の仲間やお客様に料理を振る舞ったり、自分が心を込めてお出しした料理を美味しそうに食べている人達の笑顔を見るにつれ、夢に対する気持ちは高まっていきました。


農山村・青木村に溶け込む古民家が遠藤さんご夫妻のご自宅兼食事処。
一歩中に入ると昔ながらの家の造りが見てとれます。
天井を高く改築してあるので開放感もたっぷり。
(写真、下中央:移築され存在感を醸し出す天井の梁)

当時、ご夫妻が居を構えていたのは神奈川県相模原市。
前々から器に興味があったケイ子さん。偶然入った器のお店で出会った店主の女性と知り合いになったことから、思いがけず夢がかなうチャンスが訪れます。

その女性は、1階部分を茶室、2階部分をギャラリーにした家を建てたいという夢を持っていました。
お互いの夢を語り合い、女性から茶室で食事処をやってみないかと誘いを受けたケイ子さん。迷いもありましたが、息子さんが就職して巣立ったこともあり、思い切って決断。
50歳の時、彼女が建てたギャラリー兼茶室でお昼のみの食事処をオープンさせました。

食事処は一週間のうち、月・火・水曜日のお昼のみの営業で、お客様は1日2組限定。
当初は、ずっと相模原市で食事処を続けていく予定でしたが、紘さんの退職をきっかけに再び人生の転機が訪れるのです。

■信州の鎌倉へ…目の前に広がる景色に一目惚れ

仕事一筋の生活だった紘さんの退職の記念と慰労をかね、“信州の鎌倉”と呼ばれる上田市の別所温泉を訪れました。

ケイ子さん:「信州への退職記念旅行では、千曲市の杏を見に行こうといって計画したのですが、残念なことに花が散っちゃっててね…。でもせっかく信州まで来たし、“信州の鎌倉”と呼ばれる別所へ行きました。
そのときまで青木村のことはまったく知らなかったんです。青木村は別所温泉の隣にあって、大法寺三重塔という国宝があると聞いて、実際に行ってみたら、『国宝なのに人がいないわね』なんて話しながら(笑)
観音堂は修復中だったから見れなかったんだけど、大法寺のひっそりとした佇まいとか、青木村の“里山”という風景を見て、あぁいいなぁって。」

ケイ子さん:「それから2年くらいかな、田舎暮らしの雑誌を見ていたら青木村の物件が載っていて、観音堂も修復終わっただろうからって、じゃあ観音堂を見がてら物件を見に行こうかと青木村に訪れました。」

紘さん:「私も女房も、もともと田舎暮らしを望んでいました。田舎暮らしの情報紙を見ながらいろんな所を探していたところだったんです。山梨や新潟、長野県内でも野沢温泉とか色々な場所を訪ねました。青木村でも物件を案内してもらいましたが、私達の移住先としては不向きで…。
そんな中、物件を案内して下さった方のつながりでこの古民家と出会いました。
ここは壊す直前だったのですが、太い天井の梁とか昔ながらの雰囲気を見たら、これが壊されちゃうなんて…とせつなくなってしまってね。
その家の持ち主の方に譲って頂けないかと相談したところ、持ち主の方が良い方で、これで良ければどうぞと気持ちよく承諾して下さったので、譲って頂けることになり、お願いしました。
初めは、古民家のあるもともとの土地でそのまま暮らそうと思っていたのですが、持ち主の方が新しく家を建てるということで、この場所に移築したんです。」

ケイ子さん:「移築する土地は、青木村内の何箇所かを見て回ったんですが、最後にここへ来て、この景色を見て即、『ここにしましょう!』と決めたんです。それが2003年の4月だったかな。案内人のみなさん驚かれていましたが、別に無人島に住むわけじゃないし、ずっと暮らしてる方もいるから何の心配もないわ、ってね。
初めは不便なところもあるかもしれないけど、不便なりに楽しもうと思って。
ここは夜になると、お月様が目線で見えるんですよ。もう誰かがいたずらしたんじゃないかと思うくらい!家も理想とぴったりの家だったし、本当に良いところに巡り合えました。」


「お食事処 恵」からは青木村~上田平が一望!

あっという間のスピードで、家と土地を決めた遠藤さんご夫妻。
2003年9月に思い出の詰まった相模原市の食事処を閉め、その年の11月、青木村での生活をスタートさせました。遠藤さんご夫妻が青木村に移住されたことで、家族で集まる機会や雪の日には心配して電話をくれたりとコミュニケーションが増えたそう。 移住をきっかけに夫婦の絆だけでなく、家族の絆も深くなり、ご夫妻の新たな思い出が積み重なっています。

■心を込めてお料理を・・・お客様に合わせて一膳一膳コーディネート

現在遠藤さんご夫妻は、相模原で開いていた食事処の経験を生かし、青木村で、お食事処「恵」を開いています。お店は、4月~11月までの金・土・日曜日の営業で、1日1組限定。
10品のコース料理で、なるべく地元のものを、と青木村で採れた野菜を使って作っています。
お客様は女性の方が多く、ご両親の還暦のお祝いや結婚のお互いの家族との顔合わせなど、慶事で利用する方も。ハレの日には、お赤飯や鯛そうめんなど少し特別なお料理にしたりと、ケイ子さんはお客様に合わせてお料理をコーディネートしています。そして、「1日1組限定」にはこんなこだわりが…。

ケイ子さん:「準備から配膳からすべて私がやっているので、人数が多くなるとどうしても出すことに精一杯になってしまって、美味しいものを作ってお出ししよう、っていう、自分の気持ちにゆとりがなくなってしまうんです。
お料理も一斉に並べるんじゃなくて、コース料理なので、食べ終わったら出して…となると、大体3~7人くらいが私が自分で出来る範囲。
それに私自身器が好きなので、お客様一人ひとりに合わせて、器も少し変えてお料理をお出ししてるんです。『あのお客様は今日この色のお召し物だから、じゃあこの器が合うな』とかね。
器のコーディネートも自分の楽しみのひとつなのですが、お客様もとても喜んでくださるので嬉しいですね。」


景色を見ながらの食事はより美味しい!
ケイ子さんの一膳のコーディネートはお客様の心を掴んでいます。
お箸を留めている「恵」の巻紙もかわいいです。

紘さん:「若い頃から女房より「将来は山とか海とかの近くで民宿とかやりたい。」と聞いていました。
私が定年まで無事に過ごすことが出来たのは全て女房のおかげ。だから定年後は、女房の夢を実現するのが私の努めだなと思ってね。女房の夢を支えるため、私は掃除とか、皿洗いなどを手伝って、応援しています。」
遠藤さんご夫妻は、お互いのことを尊重し合い、目線の向かう先も同じ。
「お互いが同じような方向を向いていれば何かあっても大丈夫」と語る紘さんの言葉がとても力強く印象的でした。

「毎日庭を見て、花の成長や野菜の成長を見るのが何より癒される。」
「曲がってようが、どんな形をしてようが、我が家で採れた野菜が一番美味しいの!」

遠藤さんご夫妻は、青木村で二人の夢をかなえています。

次回、後編では現在遠藤さんご夫妻が行っている、青木村の特産品作りや青木村でかなえたい夢、移住を考えている方へのメッセージをご紹介します。お楽しみに。

・お食事処 恵(青木村観光協会HP内)
http://www.vill.aoki.nagano.jp/assoc/eat/megumi.html


青木村役場(写真上)
道の駅あおき(写真左下)
青木村のキャラクター「アオキノコ」(写真右下)

■遠藤さんご夫妻が移住された小県郡青木村

長野県の東信、上小地域に位置する小県郡青木村。
村の三方に、夫神岳(おかみだけ)・子檀嶺岳(こまゆみだけ)・十観山(じゅっかんざん)の三つの山があり、「青木三山」として地域の方から親しまれています。

山に囲まれた地形を生かして、斜面を駆け下りて空を飛ぶアクティビティ・パラグライダーが体験でき、浅間山や北アルプス、美ヶ原高原など青木村ならではの絶景を俯瞰で眺めることができます。

●長野県では、東京・有楽町の東京観光情報センター内に「長野県移住・交流センター」を開設し、県内各市町村とも協力しながら移住に関する取り組みに力を入れています。
また、名古屋・栄、大阪・梅田の各観光情報センターに「移住・交流サポートデスク」を開設し、中京圏や関西圏からの移住をサポートをしています。
信州への移住に関心のある方はお気軽にご来場ください。

また、移住に関するセミナーや相談会、体験ツアーなどが長野県内各地域で行われています。
移住に興味を持たれている方や信州を知りたい方など多くの皆様のご参加をお待ちしております。

信州へ移住を考える人のポータルサイト
田舎暮らし 楽園信州 http://www.rakuen-shinsyu.jp/

このブログのトップへ

このブログや記事に関するお問い合わせ窓口

長野県観光部信州ブランド推進室
TEL:026-235-7247
FAX:026-235-7257