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“安曇野での「暮らす」を伝える”(1)

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“安曇野での「暮らす」を伝える”(1)

県外から信州へ移住された方に、移住のきっかけや信州での暮らしの様子をお伺いし、長野県の魅力をさらに伝えていこうというこのコーナー!

第3回目は、埼玉県から安曇野市へ移住された、宮崎崇徳さんにお話を伺いました。

宮崎さんは、日本全国の移住を考えている方々に、移住の情報を発信し、安曇野への移住受け入れに中心的な役割を果たしている方です。


<旅を通じて訪れた安曇野へ移住するまで>
宮崎さんが初めて安曇野を知ったのは、大学時代。
旅が好きだった宮崎さんは、ユースホステル(*1)を利用しながら日本各地を旅していたそうです。

安曇野にもユースホステルがあったことから訪れ、初めて見た北アルプスと田園風景が織り成す「日本のふるさと」の原風景に、“日本にもまだこんなところがあったのか!”と感動。
以来、休みの間には安曇野へ2~3週間ほど滞在し、ユースホステルで住み込みとして働いて、旅の資金を貯めるということをされていたそうです。

大学を卒業し、東京の不動産会社へ勤めて6年目の頃、日本経済全体が大きな打撃を受けたバブル崩壊が起こり、勤務先で年齢を問わず希望退職者を募る機会がありました。
不動産会社勤務の頃から、度々週末に安曇野へリフレッシュしに来ていた宮崎さん。希望退職者の募集をきっかけに、安曇野で仕事があればと考え、松本で住宅メーカーの仕事が見つかったことから退職を決意し、松本での生活がスタートしました。その後、安曇野市に自宅を建設し、不動産会社を開業されました。

(*1) ユースホステル : ドイツで生まれた世界的な「旅の宿」ネットワーク。
誰でも安全に楽しく、経済的に旅ができるようにと考えられたもので、現在世界80カ国、4,000のユースホステルがあります。日本には北海道から沖縄まで約270のユースホステルがあり、経済的に宿泊することができます。

<不動産業の経験を生かし安曇野で田舎暮らしコンサルティング>
宮崎さんは現在、自宅を事務所と兼用して、不動産会社を経営されています。
東京でお仕事をされていた当時から、移住を希望される方からの相談を受けていたんだとか。
(移住に関する相談窓口が当時は少なく、住宅メーカーに相談されるケースが多かったそう。)

住宅メーカーではなかなかできにくい地域での暮らしに関する情報を伝え、移住を考えている方々の手助けが出来ればという想いで、不動産会社を開業されました。

今では、お客様の半分以上が県外の方。
自宅が事務所と兼用のため、お客様にはご自身の経験をお話されるとともに、生活の雰囲気を見ていただいたりできるとのことです。

その中で、宮崎さんが思うのは、移住はゴールではないということ。

「みなさんから相談を受けるときに感じるのは、移住地を旅先を決めるような感覚というか・・・なんとなくイメージで考えている方が多いということです。
移住地を探して、物件を探して、自分のイメージにある暮らしが出来ればそれがバラ色で・・・と。
旅先を決めるなら、“美味しいとこ取り”でいいけれど、移住はその地域に<暮らす>ということなので、そこに住んだら終わりではなくて、その先もずっと続いていくものです。
地域を理解し、地域とのつながりを考えること、移住には「暮らす」という視点が欠かせないと思っています。移住することが目的ではないんですよ。」

地域とのつながりを考えるとはどういうことでしょうか。

<先人が古くから築いてきた景観と文化を担う責任>


山並みと田園風景が広がる安曇野

宮崎さんの住む地区は、北アルプスや田園風景など安曇野市内でも景観の美しい土地です。
以前と比べ、都市化が進んだものの、魅力は尽きません。

「安曇野だけでなく、信州どこでも言えることかもしれませんが、例えば安曇野でいうと、北アルプスが見えるから美しいのではなくて、田園が広がって、屋敷林があって、堰(せぎ)があって、その向こうに北アルプスが見える、だから美しい。
そして、山の手前にあるものには全て人が関わっています。
この美しい恵みを私たちは受けていますが、それはここに住んできた先人、地域の方々が守ってきたからこそ、この景観があるわけです。
素晴らしい景観を享受したいのであれば、一定の責任はあります。
その責任を果たす場として、地域コミュニティがあるんです。」

「安曇野は、人口10万人都市だと思われている方もいるかと思いますが、一つの大きな都市ではなく、小さな区と呼ばれる村の集合体が安曇野市なんです。
だからこそ、その安曇野市の中でどの地区に住むかを考えることはとても大事。
街中に住むのか、郊外に住むのか・・・。
田舎へ行けば行くほど、地域コミュニティは強いですから。
それは私が学生時代、安曇野に来ていたときには見えなかったもので、移住して初めて見えたものです。だけどやはりそこに本質があるのかなと思います。」

地域コミュニティというとなんだか馴染めなさそうで不安だ、と思われる方もいらっしゃるかと思いますが、逆に言えば地域のつながりが強いからこそ、安心できる部分もたくさんあります。

「私には娘がいますが、長野県では知らない子どもでも、みんな挨拶しますよね。
登下校についても、私の住んでいる辺では集団下校ではないですが、地区のPTAや老人会とかみんなが地域のパトロールを自主的にやっている。
子どもたちは、“地域の子どもたち”だという意識が今でもあるので、それが残ってるというのはすごいことだなと思います。
今、子育てやいじめの問題とかありますけど、不安になっている人で移住を考えている人達も多いんじゃないかと思うんです。
きちんと伝えれば理解して、積極的に地域に関わろうと考えてくれる方はたくさんいると思います。」

移住は、ただ移り住めばいいというわけではありません。
美しい景観を守る・子どもたちを守る・・・地域に自分がつながること、
自分はこの地域の一員なんだ、という意識を持つ、またはそういう意識に変えるということが移住の第一歩なのかもしれません。

次回、後編ではこれから移住を考えている方へのアドバイスや宮崎さんが現在活動されているNPO法人「信州ふるさとづくり応援団」の取り組みの様子などを掲載します。 お楽しみに♪

【宮崎さんが移住された中信地域(安曇野市)】


安曇野市役所は
安曇野合同庁舎の奥にあります

安曇野市は、豊科町・穂高町・三郷村・堀金村・明科町の5町村が合併して誕生した市で、長野県のほぼ中央部に位置しています。
北アルプスの山麓に広がるのどかな田園風景は、多くの文化人にも愛され、近年連続テレビ小説「おひさま」の舞台となったことでも有名です。
豊富な湧水があることからワサビの栽培が盛んな土地でもあります。

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