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“安曇野での「暮らす」を伝える”(2)

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“安曇野での「暮らす」を伝える”(2)

埼玉県から安曇野市へ移住された、宮崎崇徳さん。
前編では、安曇野へ移住するきっかけや、移住に対するご自身の考えなどをお聞きしました。

◆前編はコチラ
安曇野での「暮らす」を伝える(1)

後編では、移住を考えている方々へのアドバイスや現在活動されているNPO法人「信州ふるさと応援団」での取り組みなどをご紹介します。

<不動産業とNPO法人の活動を通じて安曇野を知る>

(提供:NPO法人信州ふるさとづくり応援団安曇野支部)

宮崎さんは、地域の暮らしに関する情報を伝え、移住を考えている方々の手助けが出来ればという想いで不動産業に携わっています。

そのほか、NPO法人「信州ふるさとづくり応援団」で、移住者と地域の方々との交流の場を提供する活動をされています。

「信州ふるさとづくり応援団」での活動は、新たに移住をされる方のみに対してだけではなく、既に移住している方と地域の方がコミュニケーションを図れる場・取り組みを提供するということが大きな柱です。


(提供:NPO法人信州ふるさとづくり応援団安曇野支部)

その活動の中のひとつが、「ふるさとウォッチング」。

5年ほど前から現在まで15回行われており、毎回100名以上の参加者があり、そのうちの7割が地域の方、さらに半分以上がリピーターの方です。

午前中に地域の方と一緒に安曇野を歩いた後、お昼に「ぬかくど」(*1)という大きな釜戸で炊いた地元の美味しいお米をみなさん一緒に食べるといったプログラムの内容となっています。

当日は、コース内の史跡をまとめた資料を作り、プログラムによって一回歩いて終わりではなく、自分で再び歩いてもらえるようにと、参加者の方に差し上げています。最近では様々な媒体でプログラムのことを知り、県外から参加する方も増えてきたそうです。


(提供:NPO法人信州ふるさとづくり応援団安曇野支部)

(宮崎さん談)
「私たちが歩くコースは、観光地ではありません。
お宮があって、道祖神があって・・・というみなさんが生活している地域の中を地元の方やNPOのメンバーが解説しながら歩きます。
そうするとその地域がどのように成り立って今に至っているのか、どうしてこの農村景観になっているのかなど、安曇野の成り立ちが理解してもらえます。
まずは地元の方々が自分の地域を知ることが大事だと思っているので、特に移住者の方に限定したプログラムではないですが、移住を希望されている方から相談を受ける際には、こういうプログラムがあるので参加してみませんかとご紹介しています。」 

「観光パンフレットでは見えない安曇野を知っていただける機会でもあるので、それを踏まえて、ご自身で別荘地に住むのか、安曇野市の中でも街中に住むのか、それとも郊外の集落の中でも十分やっていけると思うのか・・・、自分なりに判断した上でどこに住むかを考えた方がいいですよ、とお話をさせていただいてます。」

一緒に歩き、同じご飯を食べる、そこで地域の方と会話をする・地域を知るきっかけが生まれる・・・。
長野県全体にも広まってほしい、素敵な取り組みですね。

(*1)ぬかくど :昭和20~30年代頃に安曇野などで活躍した炊飯道具。(かまど)
ぬかは籾殻、くどはカマドのことで、農作業するときなど作業前に火を付けておけば、農作業して帰ってくる頃には美味しいごはんが炊けているという優れもの。

<行政と民間が同じ目線で移住に取り組む>

(長野県安曇野庁舎)

(宮崎さん談)
「移住」ということに真剣に向き合う中で見えてきたものは、行政とNPOなどの民間組織が協力して事業をしていくことが必要だということ。

・ありのままの地域の姿をその地域に住む生活者が伝える。
・移住セミナー参加者が信州へ足を運ぶ機会を増やす取り組みを行う。
・インターネットのソーシャルネットサービスを行政・民間が一体で積極的に活用する。


(提供:NPO法人信州ふるさとづくり応援団安曇野支部)

「良いところだけを話して、実際の生活とイメージとのギャップに失望されるより、はじめにきちんと厳しい面も伝えて、納得して移住をしてもらう。
そうでないと結局自分の描いていたイメージと違うといってすぐに帰ってしまう、それでは本当の意味で地域の発展・活性につながりません。

逆に厳しいことも聞いたからこそ真剣に移住を考え、積極的に地域に関わろうとしてくださる方はたくさんいらっしゃいます。
行政に、地元の経済活動に関わっている民間組織や人の力が加われば、さらに素晴らしいものになるのではないかと思っています。」

<安曇野で暮らす宮崎さんから移住を考えている方へアドバイス>

「私は移住をするには、少なくても最低限1年は準備期間が必要だと思っています。
その地域のすべての季節を感じてみることが非常に大切。
パンフレットや雑誌に掲載されている表面的なものだけでなく、実情も知る、<暮らす>という視点を持つことが欠かせません。」


(安曇野市堀金地区にある拾ヶ堰(じっかせぎ))

「安曇野は、北アルプスや田園風景などの風光明媚はもちろん、雪国・長野県の中でも積雪が割りと少ないという面があります。
また、車で移動できる範囲に郊外型の店舗などがあるので生活面での利便さもありますが、最大のポイントは既に移住者の方々がたくさん住んでいるので安心感が持てます。地域のことをしっかり知って移住をしていただきたいなと思います。」

「移住は“移り住む”だけでなく、その地域の文化を次の世代に受け継ぐリレーの一員になるという想いを持つこと。
これからの活動で安曇野が今までのいいところも引き継ぎ、将来子どもたちが大人になったとき、安曇野で生まれ育って良かったと思ってもらえるような地域にしていきたいです。」と宮崎さんは話します。

地域の文化の担い手になるというのは何も移住者に限られたことではありません。
住者と地域に住む方々が皆、意識を持つことでさらに地域発展していくのかなと感じました。

◆NPO法人「信州ふるさとづくり応援団 安曇野支部」
 http://npo-furusato.way-nifty.com/azumino/

■長野県では、東京・有楽町に「長野県移住・交流センター」を開設したり、県内各市町村でも移住に関する取り組みに力を入れています。

「長野県移住・交流センター」には、移住やIターン専門の相談員が常駐していますので、信州への移住に関心のある方はお気軽にご来場ください。

長野県と参加市町村が各地域の魅力を伝える、信州田舎暮らしセミナーですが、10月・11月と「信州田舎暮らしセミナー“秋”」が実施されます。
各日程で参加市町村が変わりますので、移住先に合わせて参加してみてはいかがでしょうか?

【信州田舎暮らしセミナー“秋”(第5・6回)】
・第5回
平成24年10月13日(土) 17:30~20:30
<主なエリア:東北信地域(須坂市、高山村 ほか)>

・第6回
平成24年11月10日(土) 13:00~16:00
<主なエリア:中南信地域(茅野市、飯島町、松本市、大町市 ほか)>

会場はいずれもふるさと回帰支援センターです。
詳しくはこちらから >>
http://www.pref.nagano.lg.jp/kanko/iju/iju-koryu-seminar/iju-koryu-seminar.htm

長野県各地の魅力の紹介や、移住者の方が日々の暮らしの様子を語るコーナー、
また参加市町村ごとにブースを設置しているので、気になる市町村へ相談することもできます。
多くの皆様のご参加をお待ちしております。

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