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“生きる力は北信州の自然とともに(1)”

I♥信州(あいラブしんしゅう)
生きる力は北信州の自然とともに(1)

「I♥信州」は、長野県外から信州へ移住された方に、移住のきっかけや信州での暮らしの様子をお伺いし、長野県の魅力をさらに伝えていこうというコーナーです。

第16回目のI♥信州は、2010年に神奈川県から木島平村に移住された内藤正巳(マサミ)さんにお話をお聞きしました。

内藤さんは、木島平村に隣接する飯山市、飯山市ふるさと回帰支援センター主催の「飯山まなび塾」や「百姓塾」で5年間農業や田舎暮らしを学ばれ、2010年から木島平村の「地域おこし協力隊員」として木島平村に移住、現在は木島平村役場で行政のお仕事に携わっています。

北信州のシンボル・高社山の麓、豊かに実った稲穂を刈り取り、収穫の秋の匂いが漂う木島平村、木島平村役場で信州へ移住されるまでの経緯をお聞きしました。


<日本の首都、東京の生活で湧き出た思い>

日本経済が飛躍的に成長を遂げた1960年代後半、内藤さんは東京都板橋区で生まれました。
学校卒業後、都内の自治体へ就職し、日本の首都・東京の社会経済を支える交通関連の部門で忙しい日々を過ごしていました。

忙しい日々を送る中、神奈川県ご出身の奥様と出会いご結婚、その後神奈川県大和市へ居を構え、往復3時間かけて都心の職場へ通勤していました。

内藤さん:「自宅が神奈川県大和市ですので、朝6時頃に家を出ないと電車で座れないんです。日が短い冬場の季節は、まだ真っ暗。勤務中はほとんど外出することもなかったですし、勤務が終わって帰宅するのも日が暮れてからなので、太陽に当たる時間があまりありませんでした。
朝の通勤は、少しでも体を休めるようにと寝て過ごしていましたが、ある時、ふと周りを見渡すと、大勢いる乗客の皆さんほとんどが疲れている様子で…その光景を見て、すごく背筋が寒くなったんですよね。もともと都会で生まれ育ったのですが、だんだんと人混みが嫌になってきて…”なんかちょっと違うよなぁ”と感じ始めました。」

交通網が整備されている都心では、通勤には車ではなく電車を使う方が多く、朝や夕方などの混雑時は学生から社会人まで様々な方が利用するため、電車内はまさに「すし詰め」状態。
この通勤・帰宅ラッシュをほぼ毎日、長期間に渡って過ごすことは、体力的・精神的にとても多くのエネルギーを使います。

内藤さん:「ある時、通勤にかかる往復3時間が、往復2時間・1時間と短くなったとして、どの位の時間が浮くのか、ざっくりですけど計算してみたんです。すると、人生の時間に換算してみたら、積み重ねで1年とかの長さになるんですよね。
当時の定年は60歳でしたけど、僕らの世代は65歳まで延長されるだろうし、人生の中で、自分で自由に使い道を決められない時間を、この先、定年まで毎日毎日過ごすのか…と思いました。」

こうして過ごした日々の積み重ねが、内藤さんの心を徐々に「田舎暮らし」へと向けていったのです。

<呼び起こされた原体験と田舎暮らし体験>

内藤さんの田舎暮らしへのきっかけとなったのは、2005年に都内で開催された飯山市主催の「田舎暮らしセミナー」でした。
セミナーで様々な話を聞く内に北信州に興味を持ち始め、「こんな生活も良いなぁ。」と感じるようになった内藤さん。まずは体験してみようと、翌年の2006年2月に飯山市ふるさと回帰支援センターが主催する「飯山まなび塾」に参加し、その後、農業を交えた田舎暮らしが体験できる「百姓塾」にも参加するようになりました。

*飯山まなび塾:北信州四季折々の素朴で自然と一体となった暮らしが体験できる企画。
*百姓塾:5月~11月に開催され、実際に田植えなどの農業を行い、農業の楽しさや喜びを実感しながらの田舎暮らし体験が出来る企画。飯山まなび塾、百姓塾ともに「飯山市ふるさと回帰支援センター」主催。


百姓塾・飯山まなび塾の様子(写真提供:飯山市ふるさと回帰支援センター)

昔ながらの里山の風景が残る北信州は、内藤さんが幼い頃に経験した原体験を呼び起こしました。


自然の風景と馴染む、内藤さん自慢の古民家

「僕の父の実家は山梨県の勝沼でブドウ農家を営んでいます。小学生の頃は夏休みに山梨へ遊びに行って、カブトムシ、クワガタとかを採ったり、近所の子供達とのラジオ体操をしたりして過ごしました。家の土間だったり、農村の風景や営みの記憶が心の奥底にあったのかもしれません。」

「百姓塾」に参加し始めた2007年頃から、週末など一定期間北信州で暮らすための物件探しが始まりました。木島平に移住された不動産屋さんに巡り会え、戸狩・信濃平など数カ所ほど候補がありましたが、北信州のシンボルである高社山が南に見える現在の古民家に決定。
内藤さんの「二地域居住」がスタートしました。

定期的に「百姓塾」の活動で木島平村に訪れる生活を3年間続け、また2010年に公開された中井貴一さん主演の映画「RAILWAYS~ 49歳で電車の運転士になった男の物語」を観て、映画の主人公の生き方に自分を重ね合わせ、内藤さんの北信州木島平村への移住の思いが強くなっていきました。
そして2010年の夏、木島平村の「地域おこし協力隊」の募集を見つけ奥様の賛同もあり応募、木島平村の選考を経て本格的に移住。生活の場を移しました。

* RAILWAYS~49歳で電車の運転士になった男の物語:大企業に勤める主人公が企業を退職して生まれ故郷で子供の頃の夢だった電車の運転手として活躍する映画。

<都会と異なる田舎暮らし>

「数年、木島平村で生活していますが、気候の良い時期は歩いて職場に通っています。歩いてだいたい22分~23分で、車では5分くらいで職場に着きます。歩いて通勤中の道々、南に高社山や西に飯山市の市街地、斑尾山、新潟の妙高などを見ながら歩いていると気持ちも浄化され、健康に良い感じがします。」
「一年の間に風景が変わるので、大きな劇場の廻り舞台を見ているようです。
今の季節は稲刈りが終わった”黄色”、これから紅葉になると山が”赤から黄色”に変わっていきます。それが過ぎると”雪”が降って真っ白になる。2月3月に雪が溶け、芽吹きの季節を迎えると一気に菜の花が咲く。”黄色”は”黄色”でも、色々な”黄色”があるんですよ!
それから5月6月になると田植えをして”緑”になって、夏が終わった今ぐらいの季節はまた”黄色”になって…自宅の前の高社山も遮るものがまったく無いので、毎日違う表情を見せてくれます。
都会は色があまり無いんですよね。コンクリートばかりで色があまり変わらないような気がします。毎日見ていると景色の変化に気づきます。」


稲刈りが終わる木島平村。紅葉が終えると白銀の世界に変わります。

「それと音。以前こちらに遊びに来た友達が言っていたのですが、本当に音がしない。
シーンとして何も音が聞こえないんですよ。
都会に住んでいるときは近隣の生活音とか、神奈川の自宅の近所には飛行場があるので、飛行機の離着陸の時はテレビの音も聞こえなくなるほどだったのですが、こちらに来るとそういう人工の音がしないんですよね。
田植えの季節にはカエルが鳴いていますが、自然の音なのでストレスに感じません。」

北信州木島平村の自然が内藤さんの感受性の感度を日々高めていっている気がします。
笑顔でお話くださる内藤さんのにこやかな表情に、充実した木島平村での生活の一端を垣間見ました。

【インタビュー時期:2013年10月】

次回、後編では内藤さんが取組んでいる「百姓塾」での活動の様子や、移住者の方へのメッセージをご紹介します。お楽しみに。

■内藤さんが移住された下高井郡木島平村

長野県の北東に位置し、2015年春に開業する新幹線飯山駅ができる飯山市、スキーで有名な野沢温泉村、志賀高原の山ノ内町に隣接しています。日本でも有数なブナの原生林「カヤの平高原」から湧き出したミネラル分を多く含んだ水と歴史あるお米作り(有機農法)で「平成21年度「米・食味分析鑑定コンクール:国際大会」では金賞と特別優秀賞受賞を受賞。」厳選された木島平米は「村長の太鼓判」として全国から注目されています。


写真左:木島平村役場

●長野県では、東京・有楽町の東京観光情報センター内に「長野県移住・交流センター」を開設し、県内各市町村とも協力しながら移住に関する取り組みに力を入れています。
また、名古屋・栄、大阪・梅田の各観光情報センターに「移住・交流サポートデスク」を開設し、中京圏や関西圏からの移住をサポートをしています。
信州への移住に関心のある方はお気軽にご来場ください。

また、移住に関するセミナーや相談会、体験ツアーなどが長野県内各地域で行われています。
移住に興味を持たれている方や信州を知りたい方など多くの皆様のご参加をお待ちしております。

信州へ移住を考える人のポータルサイト
田舎暮らし  楽園信州  http://www.rakuen-shinsyu.jp/

「信州田舎暮らしセミナー」開催のお知らせ

平成25年10月26日(土)午後1時から、名古屋中区栄の中日ビルで「信州田舎暮らしセミナー」を開催します。
伊那市へ移住されたご夫妻の移住体験談、長野県内7市町村の担当者からの魅力紹介など全体セミナーと個別相談の時間を設けてお待ちしております。
美味しい長野県のお菓子もありますよ。

参加費は無料!移住に興味を持たれている方や信州を知りたい方など多くの皆様のご参加をお待ちしております。

参加の申し込みはこちらから
http://www.pref.nagano.lg.jp/iju/sangyo/iju/annai/seminar-03.html

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