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“大地に根を下ろし、明るい農村を作る(1)”

NPOのプログラムに参加し、2009年5月に小川村へ訪れた大沢さん。
山間に広がる土地に点在する民家と畑、周囲の森や林…雄大な北アルプスの眺め、そこには思い描いていたとおりの「田舎」の風景が広がっていました。

大沢さん:「初めて小川村に降り立ったとき、何だか受け入れられているような感覚になりました。
小川村に関する予備知識があまりなかったからなのかもしれませんが、不思議と迎えられている感じがしたんです。」


日本で最も美しい村のひとつ、小川村。
本州の中心点でもあるこの村は、「本州のへそ」とも呼ばれます。

初めて小川村を訪れてから一か月後の2009年6月、小川村での大沢さんの田舎暮らしが始まりました。しかし始まったと同時に最大のピンチが訪れます。それは頼りにしていたNPOが解散してしまったということ。
NPOから廃業した工場に併設されていた事務所を仮住まいとして提供されていたのですが、NPOを通じて契約した場所だったため、大家さんとの交渉は難航。
住居の不安もさることながら、一番の不安は生活の糧が無くなってしまったことでした。

新しい暮らしを思い描いていた大沢さんでしたが、早速立ちはだかった壁は大きく、今後の生活にも不安を覚えます。
そして、何より大沢さんを落胆させたのは、小川村でやりたいと考えていた有機農業への道が閉ざされてしまったことでした。

小川村に訪れる以前の打ち合わせで有機農業をやりたいと、要望を伝えていたことから、NPOスタッフの方が長野県北信地区の著名な有機農家の元で研修できるよう取り計らってくれていたこともあり、期待に胸を膨らませていた大沢さん。
肩を落としながら、研修先の農家の元へ事情を説明に行くと、農家の方から返ってきた言葉は何よりも嬉しい言葉でした。
大沢さん:「中野市の有機農家さんに事情を話すと『じゃあうちでアルバイトしなよ』と、そこの農場で働かせてもらえるようになったんです。研修兼アルバイトとして生活していけるようになったので、なんとか小川村で暮らし続けることが出来ました。
期待していたNPOが解散してしまったのは残念でしたが、NPOスタッフの方は有機農業への思いとか要望を受け止めて、僕の背中を押してくれました。後押ししてくれたことに感謝しています。
NPOスタッフの方の紹介が無ければ、農家さんと出会うこともなかったでしょうから。」

大沢さんの小川村で暮らす思いを真摯に受け止めた様々な人たちに支えられ、少しずつ小川村での生活に馴染んでいった大沢さん。
研修先として出向いた農家さんとの出会いも必然だったのかもしれません。

次回、後編では「麦ダンス農園」での有機野菜作りや、小川村での生活の様子、また移住を考えている方へのメッセージなどをご紹介します。お楽しみに。

【インタビュー時期:2014年1月】

■大沢さんご夫妻が移住された上水内郡小川村

長野県の北部、長野市と白馬村の中間に位置する小川村。
「日本で最も美しい村」の一つに名を連ねるとおり、北アルプス連峰が村内各所から眺められる眺望の良さや、森や田畑のある里山の風景はまさに日本のふるさとといった感覚です。人口は3,000人ほどの小さな村ですが、人の営みや暮らしの体温が感じられる山村です。


写真左:小川村役場 写真右:小川村の案内マップ

●長野県では、東京・有楽町の東京観光情報センター内に「長野県移住・交流センター」を開設し、県内各市町村とも協力しながら移住に関する取り組みに力を入れています。
また、名古屋・栄、大阪・梅田の各観光情報センターに「移住・交流サポートデスク」を開設し、中京圏や関西圏からの移住をサポートをしています。
信州への移住に関心のある方はお気軽にご来場ください。

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