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安曇野から発信中!自転車を通じて伝えるボディコントロール 2

I♥信州(あいラブしんしゅう)
安曇野から発信中!自転車を通じて伝えるボディコントロール(2)

「I♥信州」は、長野県外から信州へ移住された方に、移住のきっかけや信州での暮らしの様子をお伺いし、長野県の魅力をさらに伝えていこうというコーナーです。

第15回目のI♥信州は、1993年に北海道から松本市に移住し、2008年に安曇野市へ移住された堂城賢(タカギマサル)さん・千絵さんご夫妻にお話をお聞きしました。
前編では、堂城さんご夫妻が、安曇野市に移住されるまでの経緯をお聞きしました。
◆前編はこちら

後編では、堂城さんご夫妻が運営する「やまめの学校」の様子やこれから挑戦したいこと、移住を考えている方へのメッセージなどをご紹介します。


■未来に向けて今の体をメンテナンス

堂城さんご夫妻が運営する「やまめの学校」は、日本でも珍しい自転車の乗り方の基本を教える学校です。


賢さん著作「自転車の教科書」には、
自転車に「ちゃんと」乗ることのポイントが満載!

自動車とは違い、運転免許がなく、学校へ行く必要もなく乗ることができる自転車。
しかし、自転車も一歩間違えれば大事故につながる危険な乗り物であることに間違いありません。

他人だけでなく、自分も傷つきかねない自転車ですが、その乗り方には基本がなく、人によって言うこともバラバラ…というのが現状。
それならば、“自転車の乗り方の基本を安曇野で作り、それを世界に発信していこう”、というのが「やまめの学校」の一つの理念です。


やまめの学校 座学の様子(提供:やまめ工房)

賢さん:「やまめの学校に来られる生徒さんのほとんどは、自転車を上手く乗りこなせず悩んで来られる方がほとんど。今、自転車がブームで、高くて軽い自転車を買ったけど、乗るとすごく重たいとか、ママチャリの人に抜かれたとか、何で?と思って来られる方が多いんです。
それはやっぱりきちんとした乗り方になっていないからで、自分で後ろ足に体重をかけてるからペダルが余計重くなるんですよね。」


座学ではストレッチの方法も教えています。
(提供:やまめ工房)

やまめの学校が提唱する自転車の乗り方、「やまめ乗り」は、これまでの自転車の乗り方とはまったく違い、体の重心・体重移動を意識したもの。
それは、賢さんが今までに積み重ねた経験だけでなく、空手をやっていた父親から幼い頃に教わったこと、そのものでした。

賢さん:「自転車にただ乗ることだけじゃなくて、運動の基本はこうだろうという、結構深いところまで教えています。だから、スクールを受けてくださった方からは、「これって剣道とか野球とかほかのスポーツにもそのまま使えますね」と言われることも多いです。今はお年寄りの方でも、いつまでも元気に体を使い続けられるようにという方向にも進んでいければなぁと思っています。スクールもまだまだ進化しなければいけないと思っていますが、一歩ずつ登っている感じはしていますね。」

「やまめ工房」「やまめの学校」は自転車のメンテナンスはもちろん、事故で下半身に障害を負った人や、心臓の大きな手術を経験された方など、その人の体もメンテナンスするホスピタルのような一面を併せ持っています。
生徒の方の中には、病後治療、リハビリの一環で訪れる方も多く、その方の体の状態によっては、始めは自転車には乗らず、歩くことから始めるときもあります。


やまめの学校には小さな生徒さんも!
(提供:やまめ工房)

賢さん:「速く走れるようになったねとか、その人を瞬間だけ喜ばせる、形だけのようなことはちょっと違うなあと思っていて、自分のやっていることがその人の今後に役に立つことでありたいと思っています。速く走ることだけを教えていたら、安全がおろそかになってしまう。
自分の体が壊れるような大事故を経験したある生徒さんから“人にリハビリとか体の使い方とか先生が教えてくれたことを人に教えられるようになりたい”と言われたときは、とても嬉しかったです。」

■自分だけではなく、地域も一緒に笑顔になる

東京・名古屋から約2時間半、大阪から4時間と、ほぼ日本の真ん中に位置する安曇野という場所も、やまめの学校が発展する大きなポイントとなりました。
さらに、観光地であることから、ペンションや宿など宿泊施設、温泉、レストランなどの飲食施設も豊富にあるため、やまめの学校で授業を受けたことをきっかけに周辺の施設に立ち寄る方も増え、地域の活性に繋がっています。


安曇野の中を走るのは爽快!マウンテンバイクのトレイルはこんな急なところも。
(提供:やまめ工房)


お昼はみんなで!遠足のようでなんだか楽しそう!
(提供:やまめ工房)

賢さん:「自転車のレースって競技自体がマイナーなので、観客の方もなかなか増えなくて、必ずしもレース開催地にプラスに働かないことが多かったんです。僕たちはプロなので、開催地にプラスに働かなければ、次の年もそこでレースができなくなってしまう。
そういう経験もあって、やまめの学校は僕たちだけが囲いこみで人を呼ぶというよりは、周りの地域にもプラスになるような仕組みができたらなと思っていました。
宿も食べ物もそれぞれのプロに任せる方が良いと考えているので、学校に来た方々には周辺地域でオススメの宿とか食事処を案内しています。5年目でやっと周りの人に「やまめの学校」という存在が知ってもらえて、いい感じになってきたなと思います。」

賢さん:「自転車で安曇野を走っているとイベントに協力してくれた方々から声をかけられたり、手を振って頂いたり自分が地域に溶け込んでいる実感がありますね。」

周りの人も笑顔になれる仕組みを作る…そこには、表面的なブームではなく、きちんと「文化」として自転車が育ってほしい、という賢さんの願いが込められています。

■信州へ移住を考えている方へのメッセージ

最後に、堂城さんご夫妻から移住を考えている方へのメッセージをお聞きしました。

賢さん:「不安で閉じこもってしまうよりも、やりたいことがあるのであれば、まず行動してみるのがいいんじゃないでしょうか。イレギュラーなことって、ものすごくたくさんあって、自分が組み立てたとおりに進むなんてほとんどありません。でも閉じこもってしまったら、誰も助けてくれないですので、移住したいという気持ちがあるなら、いろんな人に声をかけてみて、挨拶して、そこから開けていくんじゃないかなと思います。」

千絵さん:「長野県は農業県なので、朝がすごく早くて、最初はその時間の流れに少し戸惑いました。
移住のときは、インターネットとかであまり調べすぎない、情報を集めすぎない方がいいのかなと思います。情報はあくまで参考程度にして、何回も現地にきて、そこの空気を感じることの方が大切。現地の人と仲良くなるのはなかなか難しいかもしれないけど、実際、自分の足で見てみないとわかりませんから。
安曇野は町が近いし、田舎過ぎない田舎。言葉の違いもそこまでないから移住者の方も住みやすい土地なんじゃないかなと思います。」

賢さん:「3歳の息子は僕が選手だったことを知らないので、父親としてレースに出ている姿は見せてやりたいなという気持ちはあります。やまめの学校で教えていることをもっと洗練していくことはもちろん、自転車だけじゃなくて、いろんな動作の基本を世界に発信していく…誰もやってないことを成し遂げたいと思っています。」

千絵さん:「やまめの学校も工房も主人が主導で軌道にのってきたので、子育てが落ち着いたら、今度は私自身の企画もやりたいですね。以前、海外とのつながりがあったので、英語を活用して、海外に行くツアーとか、海外から来た方向けの授業とかそういうのも少しずつやっていきたいなと思っています。」


小さいお子さんを乗せたまま、牽引して走れる「チャイルドトレーラー」。
(写真左・提供:やまめ工房)
堂城さんご夫妻は、日本における「チャイルドトレーラー」のスペシャルアドバイザーもしています。

一人ひとりの道は様々で、障害がない真っ直ぐな道はなく、曲がっていたり壁があったりがほとんど。けれども明るく前向きに進んでいく…堂城さんご夫妻の言葉には、そんな前へ進むことの強さを感じました。

“自転車の乗り方の基本=「YAMAME」”と、「やまめ乗り」が世界の共通言語になる日を夢見て、堂城さんご夫妻は、今日も安曇野を走り続けています。

●やまめ工房・やまめの学校
 http://www.yamamekobo.com/

【インタビュー時期:2013年8月】

●長野県では、東京・有楽町の東京観光情報センター内に「長野県移住・交流センター」を開設し、県内各市町村とも協力しながら移住に関する取り組みに力を入れています。
また、名古屋・栄、大阪・梅田の各観光情報センターに「移住・交流サポートデスク」を開設し、中京圏や関西圏からの移住をサポートをしています。
信州への移住に関心のある方はお気軽にご来場ください。

また、移住に関するセミナーや相談会、体験ツアーなどが長野県内各地域で行われています。
移住に興味を持たれている方や信州を知りたい方など多くの皆様のご参加をお待ちしております。

信州へ移住を考える人のポータルサイト
田舎暮らし 楽園信州 http://www.rakuen-shinsyu.jp/

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