2025.11.11 [ 山好き館長の信州便り ]
「それはないでしょ!」から「もしかしたらあるかも?」へ(FMぜんこうじ「図書ナビ」第32回)

FMぜんこうじスタジオ前
みなさま、こんにちは。県立長野図書館の森です。FMぜんこうじの「ひるどきもんぷらワイド」、 2025年11月11日(火)に放送された「図書ナビ」コーナー、第32回目の内容をご報告します。
11月11日は、いろいろな記念日になっている日で、例えば静岡県土肥町(といちょう、現:伊豆市)の土肥観光協会が、「恋人岬」にちなんで「恋人たちの日」と決めたんだそうです。ということで、オープニングの一曲は、ナタリー・コールの『LOVE』(YouTube)。「L is for the way you look at me (Lは君が僕をLook(見つめて)くれるためにあるんだ), O is for the only one I see (Oは僕の瞳に映るOnly oneのために), V is very, very extraordinary (VはVery(とても)特別な存在), E is even more than anyone that you adore (Eは君が愛する誰よりもEven(ずっと)のE)… 軽快なメロディー、甘い歌詞に、華やかな季節を予感させる歌です♪
トリコロールカラーの景色に魅せられて
中川さん:一気に季節が進んだ感がありますね。
森:本当に。近所から見える北アルプスに雪が積もって、寒いけれども空気が澄んで、大好きな季節になってきました。私が住んでいる地区のゴミ捨て場は山の眺めがよくて、ゴミ出しの日ではなくても時々行くんですが(笑)、空の青、雪の白、ドウダンツツジの真っ赤な紅葉で、青・白・赤のトリコロールカラーのようです。

青空・雪・紅葉が青・白・赤のトリコロールカラーになった北アルプスの風景
森:私、ドウダンツツジが大好きで、自宅にも沢山植えているんですが、今年の猛暑で2本くらい枯れてしまったかもしれません…。来年の春、芽吹いてくれると良いのですが。でも、今年は全般的に、紅葉は当たり年だという話をよく聞きますね。中川さんの身近では、いかがですか?
中川さん:軽井沢の紅葉もきれいでしたが、昨日、長野市の鍋屋田(なべやた)小学校のイチョウがとても綺麗でした。何だか学校らしいというか。大人になるほどこういう風景が大切に感じますね。
県立長野図書館のウェブサイトがリニューアル!
中川さん:ところで、県立長野図書館のホームページ、リニューアルされましたよね?

リニューアル後の県立長野図書館ウェブサイト
森:そうなんです!気付いてくださって、ありがとうございます。職員の皆さんが頑張ってくれました。全体的なイメージや内容はそんなに変わっていないのですが、より使いやすくなったと思います。一番大きいのは、よく使われるサービスが、トップページから直接飛べるように、大きく表示されたことだと思います。3週間と、長い期間お休みをいただきましたが、おかげさまでシステムの更新は無事にすみ、蔵書整理(本がちゃんとあるか、バーコードを読み取って1冊ずつ点検するんです)や、館内の照明のLED化も進みました。
中川さん:私「信州ブックサーチ」が好きで。全県の図書館の本が横断的に調べられるんですよね。「今、検索しています」って出てきて、どんどん検索結果が増えてくるのが楽しいです。
「図書館大会」には2つの目的があるんです
森:今日は「図書館大会」について、ご紹介したいと思います。
図書館大会って、全国だったり、県であったり、いろいろな単位で開催されるんですが、2つの目的があるんです。一つは、図書館で働いている人やボランティアをしている人、図書館行政の関係者が集まって学び合う場。もう一つは、地域の皆さんが、本に親しんだり、図書館を知っていただくキッカケ作りの場。
地域の皆さんに沢山来てほしい、という目的のために、話題作の作家さんや、注目されている研究者の方にお話ししていただく、「講演会」をすることが多いです。
図書館関係者が学び合う場、という意味では、いろいろなテーマの「分科会」を設定します。例えば、「授業の中で電子書籍を有効に使う方法を知りたい」と思う、司書教諭や学校司書さんのために、すでに実践をしている先生から話してもらい、それに基づいて、自分の学校だったらどうすれば上手くいくかを話し合って発表し合う、というようなスタイルですね。

長野県図書館大会@佐久平交流センター
森:最近、私が参加させていただいた2つの図書館大会についてご紹介したいと思います。
一つは、長野県図書館大会。去年は須坂で『魔女の宅急便』の角野栄子さんが講演してくださいました。
今年、佐久で開催された長野県図書館大会は、なんと第75回の節目の年。第33回北信越地区学校図書館研究大会も併催されました。探究に図書館を活用している学校の授業を見学させていただいたりもしたんですよ! 講演は、石井睦美さん。すごく気に入っていた絵本『冬のコートをつくりに』が会場で売られていたので、サインをしていただきました!(春・夏・秋・冬のシリーズものを大人買い *^-^*)それから前回ご紹介させていただいた『パパはステキな男のおばさん』という、お父さんが家にいて、お母さんが働きに出かけている女の子のお話、なんと講演の中にも出てきました。

実はこの物語、ご自分の経験に基づいて書かれたものだったそうなんです。石井さんご自身が、お父さんが家にいて、お母さんが働いていて。夕方になるとお父さんと一緒にお母さんを駅まで迎えに行く…という生活をされていたそうなんですね。そして、初めて「これは!」という本に出会ったのは、立原道造さんの詩集だったそうで、学校の先生のおかげで、たくさんの作品に出会えたそうです。石井さんは、さまざまな物語を書き続けておられますが、「子どものころに沢山の言葉のシャワーを浴びたおかげで今の自分がある。自分の中に無いものは創り出すことができない」「だから子どもたちには沢山の物語に接してほしい」とお話しされていました。とても丁寧に、思いを言葉にされる方だな、素敵だなと思いました。
音楽や、歌うことも、そうなのかもしれませんね?中川さんが歌う歌には、どんなものが込められているんでしょうか?
中川さん:そうですね。私は人前で歌う機会が多いんですが、会場では「あなたに届けたい」と思って歌っています。誰かに届いたらいいな、と。でも、「自分らしく」というのが大切というか、歌って実は「究極の自由」なんじゃないかと思うんですよね。
森:わぁ、「歌は究極の自由」って素敵ですね。そういう風に思ったことがなかったです。(私、音痴でして…^^;)いつか、中川さんの歌についてのトーク、伺ってみたいです。
中川さん:ありがとうございます!私も、小さいときにもっと本を読んでおけば良かったなと思うことがあります。
森:本を読むのは、いつだって大丈夫!「遅すぎる」ってことはないですから。
愛媛県で開催された「全国図書館大会」に参加してきました
森:10月末には、四国の愛媛県で開催された「全国図書館大会」に参加してきました。「全国図書館大会」は、毎年、全国のどこかで開催されるんですが、私はほとんど初めてでした。今、全国で書店さんが減っているという危機感から、書店さんと図書館が一緒になって、地域の読書文化を盛り上げようという機運が高まっています。それについて、信州での取り組みを事例報告させていただきました。(発表資料「地域の読書環境をもっと豊かに! 信州における試み― 読者×書店×図書館×∞」はコチラからご覧いただけます)
「講演会」には、一般の方もたくさん参加されていました。3人の作家さんのクロストークという形で、全員が、愛媛県出身のかたたちです。

3人の作家さんたちの本
- お一人は四国八十八ヶ所霊場第57番札所栄福寺の住職で、お遍路さんについて書いた本『マイ遍路』の著者、白川密成さん。
- 二人目は、高橋久美子さん。昔はバンドで作詞もしていた方が作家になられて、今は地元愛媛ではチームで農業をして、東京にいる時では作家。というユニークな方です。『わたしの農継ぎ』という本にサインをいただきました。いま、日本の原風景ともいえる田んぼの風景が、後継者がいなくて、失われてしまうのではないかという心配がありますよね。高橋さんは、「稼ぐためではなく、風景や知恵やタネを受け継ぐために」農業に取り組んでいるんだそうです。
- 三人目は田丸雅智さん。星新一さんのような、短くてひねりのあるお話、ショーショートの作家さんです。実は、田丸さんとはちょうど10年前に会ったことがありました。お茶の水女子大学の図書館で、星新一賞に関連するイベントとして、ショートショートを書いてみようという講座で田丸さんが講師をしてくださったんです。田丸さんは、作家として自分が作品を書くだけではなくて、「みんなも書いてみよう!」と、書き方を伝授する活動もされているんですね。つい最近、「日本一の星空 長野県阿智村:誰でも書けるショートショート講座」が開催されました。
中川:「自分でも書いてみる」っていうのが良いですね!
今月のおすすめ本『24のひらめき!と僕らの季節』
森:この流れで
、今月のおすすめ本は『24のひらめき!と僕らの季節』をご紹介します。タイトルの24っていうのは、「立春」や「冬至」などの、二十四節気のことです。それぞれの季節にちなんだお話が、24本、収められているんです。今は「立冬」なので、そのページを開いてみますね。立冬の物語のタイトルは、「木枯らし収集家」!
中川:「木枯らし収集家」?どんなお話なんでしょうか?
森:「木枯らし」と言えば、この季節になると「この冬初めて、木枯らし1号が吹きました」なんて、ニュースになったりしますよね。木枯らし1号があるくらいだから、木枯らし2号、3号も本当はあるはずです。それを虫取り網みたいなもので捕まえて、たとえば「1970年の木枯らし2号」、みたいなラベルを付けて、保存してあるんです。
あるとき、女の子が友達と一緒に「木枯らし収集家」に出会って、これまで集めた木枯らしのコレクションを見せてもらうことになりました。木枯らしが収められた引き出しを開けると、ひゅんひゅんと、風が吹き抜けていきます。
ただの冷たい風、と思いきや、一つ一つ個性があるんです。実は、主人公の女の子は、友達にコンプレックスを持っていて、友達はいろんなことができるけれど、自分には何もないって思っていました。でも、いろいろ話しているうちに「自分は、季節ならではの自然のものが好きだ」と気が付いて。そういうものを引き寄せる人になりたいと思うようになるんです。例えば、「霜柱」。あの、白くて透明で踏むとザクザクする、「霜柱」を柱に使った家があるんじゃないか。それを見つけたいとか(笑)。最後のオチは、そんな主人公の周りを木枯らしがさっと吹き抜けて、「迷い」を吹き払ってくれた・・・というところで終わります。
この「それはないでしょ!」から「もしかしたらあるかも?」への発想の転換というか、自由さが、今求められている気がするんですよね。実はこの本、「14歳の世渡り術」というシリーズの一冊で、ティーンズ向けの本なんですが、大人でも楽しめます。
身近にある「季節」にひきつけた「ひらめき」で、一人ひとりが自分らしさを認めて、身近な幸せを実感して暮らしていけるように。ちょっと不思議で、温かなメッセージがたくさん詰まった本。おすすめです!
リスナーの皆さまへのお知らせ「モノコトフェス」!
森:今回は、イベントのお知らせです。12月14日(日曜日)、朝10時から夕方16時まで、「モノコトフェス」第2回を開催することになりました。「モノコトフェス」は、モノづくりの展示・発表イベントです。例えば、木の切れ端、木っ端を削って作る「木っ端人形」とか、板を組み合わせてリンゴの形の本棚を作ったりとか、電気工作からAIを使ったゲーム、ハイテクから手作り品まで、幅広いジャンルの作品が一堂に集まります。体験型のイベントもあるので、一緒に、新たな発見や創造の喜びを体験していただけるイベントです。
中川:大人も子どもも楽しめそうですね!
森:寒くて、遠くにお出かけするのはちょっと・・・というときは、身近な図書館をのぞいてみていただければと思います。今日も、ありがとうございました!
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