ナンジャモンジャ

先日、図書館のカウンターで、植物について調査をしたい利用者の方をお手伝いしていた時のこと。
その方がこんな発言をされました。

「そういえば、そろそろ若里公園のナンジャモンジャが咲くのよ~♪」

(?)

(「ナンジャ…モンジャ」?)

(って、……なんじゃ?

というわけで詳しくお尋ねしてみたところ、図書館のある県営若里公園の片隅に白い綺麗な花が咲く木が2本生えていて、それがナンジャモンジャの木だとのことでした。

そこで。

見に行ってみました!!
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新緑からすっかり深緑へと成長した若里公園の木々icon12
うっそうと茂ったその中に、ふわふわの白い花を咲かせたナンジャモンジャが立っていました!


実はこの木にはちゃんとした名前があり、「ヒトツバタゴ (Chionanthus retusus)」というようです。

ヒトツバタゴは高さ20mに達する落葉高木で、葉は長さ10cmほどの長楕円形で、ふつう全緑ですが、若木では細かい鋸歯(きょし)を持ちます。5月に7~12cmの直立して頂生する円錐花序(えんすいかじょ)を樹冠一面につけます。その姿はまるで雪が降り積もったかのように見え、属名もギリシャ語で「雪の花」を意味し、その姿に由来します。
日本では、岐阜県南東部とそこに接する長野・愛知両県の一部、対馬の北端のみに分布します。

(出典:『朝日百科植物の世界 2巻 種子植物・双子葉類(2)』朝日新聞社. 1997.10 【請求記号:470.38/シヨ/2】
※当館の蔵書検索システムの書誌情報へリンクします。

では、なぜ正式な名前のある木をナンジャモンジャと呼んでいるのでしょうか?

「ナンジャモンジャ」というのは、このヒトツバタゴの俗称のようです。
一般に、その地方では他に見かけない珍木で誰も名がわからないものを俗にナンジャモンジャと呼んでおり、地域によってはカツラ、イヌザクラ、シマクロギ、ハルニレなど、いろいろな種類にわたっています。皆、その地域では珍しい古木の呼び名です。
ちなみに、「ナンジャモンジャ」の名で呼ばれ、最も古く文献にのったものは、千葉県利根川べりの神崎にある神崎明神の社殿の傍のくすのきだそうです。徳川の初期(延宝2(1674)年)に水戸光圀公がこの神社を訪れ“これは何というもんじゃ”と側近にたずねたが誰もこの木の名を知る者がなかった。それからナンジャモンジャの木と呼ばれるようになったと言い伝えられています。

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