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【休館19日目】高校生と一緒に「信州・学び創造ラボ」座談会!

12月13(木)、休館中の営業日19日目です。

3階には解体工事による音が響きわたり、書庫では職員総出で大規模な蔵書の入れ替え作業が進められ、閉館期間中の動きは新たな山場を迎えています。

てんやわんやの図書館をこっそり(いや、堂々と)抜け出し、12日の夕方から長野高校へと向かいました。今回は特別編として、長野高校図書館で開催された座談会の様子をお届けします

 

長野高校図書委員会による読書週間イベントのひとつとして、県立長野図書館の3階リノベーションに関する意見交換会「信州・学び創造ラボってどんな場所?何ができる?どう使う?」が企画されることになり、当館職員(私です)が解説役としてお招きいただきました。

きっかけは、長野高校新聞部が作成する「長高新聞」に掲載された“高校生の居場所”に関する特集記事です。学校と家庭以外に、高校生はどんな場所で何をして過ごしているのか、どんな居場所を求めているのか。新聞部は全校生徒を対象としたアンケートを実施するとともに結果を分析し、平日放課後の学習利用場所として数多く挙げられた「もんぜんぷら座」と、公共施設である市内の図書館や公民館について調査を行い、立派な記事にまとめていました。当館も休館直前に新聞部員2名による取材を受けています。

一般紙レベルといっていい、立派な紙面 すごいなぁ、高校生の底力。

県立長野図書館に関する取材内容は、やはり3階のリノベーションに関することです。これまで中高生を中心に利用されていた「学習室」(旧・郷土資料室)を含めたスペースがワンフロアになることについて、その理由と目的をたずねられ、館長と情報係長が対応しました。「リノベーション後も勉強場所は確保できる?」「高校生の居場所はあるの?」という切実な思いが伝わってきます。

なぜ新聞部が「高校生の居場所」を取材テーマにしようと思ったのか、実際に各所を取材してみてどう感じたか、読者からどんな反応が寄せられたか、経緯や反応を知りたいと思っていました。この座談会は、長野高校生から直接話が聞ける絶好のチャンスです。当日は新聞部や図書委員のほか、撮影役として来てくれた放送部も含め、生徒10人+教職員2人の計12人が集まってくれました

まずは参加生徒による自己紹介。なぜ、この座談会に参加しようと思ったかをたずねました。「学習室を積極的に利用していた」「まだ行ったことがない」など、当館の認識度合いこそ違いますが、みなさんそれぞれの視点で興味を持ってくれているようです。続けて私から、自己紹介とあわせて「これからの図書館が果たす役割」「県立長野図書館が目指そうとしていること」「そのために3階がどう生まれ変わろうとしているか」についてお話しました。

3階の設計や運営について、まっさらな状態から一般参加者の方々とともに考えてきたワークショップの経緯にも触れ、リノベーション後のイメージ図を見てもらうと「おおー」と歓声が。びっくりしてくれて嬉しい! ここでどんなことができるか、わくわくするよね~

そこで、集まってもらったみなさんに付箋を配り、この図面を見て感じたことや新たなアイデアについて、自由に話しながら書き出してもらいました。お願いしたのは「何があるといいか」よりも「どんなことが起こるといいか」という視点で考えてもらうこと。「〇〇が欲しい」という切り口は、予算や人手不足などの壁にぶつかるとあきらめてしまいがち。でも「〇〇がしたい」だと、実現するための建設的な意見や代替案が出やすいのです。

  

「こたつ!」「泊まりたい」「お祭りやりたい」「映画観たい」「楽器弾きたい」「肝試し」「かくれんぼ」「本だらけにしてもらいたい」「自分の作品を自由に持ち込んで見てほしい」「不良品を大量生産する人(がいたらおもしろい)」「独占しようとする人が出る(ととうしたらいい?)」「盗難被害を訴える人(がいたらどう解決する?)」「床はどうなる?(転んでも大丈夫か、座ったり寝ころべるよう清潔か)」「まさかフリーWi-fiが無いなんてことないですよね?」 ※一部抜粋

鋭い指摘やおもしろいキーワードがぽんぽんと飛び出す一方で「学習する場所はどこに?」とこだわり続ける生徒さんもいる。いいですね。場の空気に流されない意志の強さが頼もしい。自由な発想というのは突飛さや奇抜さではなく、自分の思いに素直になること。なんとか新しいアイデアを出さなければと考えすぎてしまったら本末転倒です。

それぞれのアイデア出しが一段落すると「リラックスできる場所に人気が集中することでリラックスできないというジレンマを解消するには」「にぎやかなイベントと静かに読書したい人が同じ空間で共存する方法は」など、一方を制限せずに権利を守るための運用方法へと議論が深まっていきました。しかし盛り上がってきたところで終了予定時間です あー楽しかった。もっと話したかったね!

「座談会に参加してみてどうだった?」という問いかけに「図書館の認識が変わった」「行ってみたい」「わくわくした」などの言葉が返ってきたのが嬉しかったです。

最後にまとめとして、12月8日に開催された「信州・学び創造ラボ アンカンファレンス#1」で、学生たちにこんな機会を与えたい(与えてほしい)というテーマで議論をするチームがあったことを伝えました。人生の岐路に立つ若者に対し、学校や家庭という限られた世界から外に視野を広げてもらう機会を図書館なら作れるのではないか……という発想から生まれたものです。多様な生き方をしている方々を呼んで話をしてもらったり、さまざまな職種の情報に触れ、興味のある人生の先輩たちと交流できる場。そのアイデアは「多様な幸せに出会うための人ライブラリー ~ストレートに生きている人はそれほどいない~(仮)」と名付けられました。

学校はいわば守られた世界で、共通する目的を持った同世代の集合体です。そこでしか学べないこともあるけど、そこでは学べないこともある。これからの社会に必要な学びとは何か、学校で学べないことは何か、図書館はどんな学びを支えるのか。それを高校生なりに感じ取ってもらい、一緒に考えていってもらえるといいなと思いました。

終了後には新聞部の2人から声をかけられ、ご参加の先生も交えて少し話をしました。3階オープン後には、必ず取材に来てくれるそうです。アイデア出しの付箋の中に「長高新聞、発行させてください」の一枚があったことを忘れませんよ。
長野高校のみなさん、すばらしい機会をありがとうございました。またおじゃまします!

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