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「GIFT;子どもの世界が変わった時」【2】『少年倶楽部』に胸おどらせる

GIFTfinal県立長野図書館戦後70年特別企画Ⅱ
「GIFT;子どもの世界が変わった時」
―進駐軍とともにやってきた児童書と戦前・戦中・戦後―
平成27(2015)年12月22日(火)から平成28(2016)年1月28日(木)まで当館で開催した標記企画展。おかげさまで好評のうちに終了となりました。
期間中はお越しいただけなかった方、もっとゆっくり見たかったという方もいらっしゃると思いますので、展示資料の様子と解説パネルの内容などをブログでご紹介します。


 

「『少年倶楽部』に胸おどらせる」 

『少年倶楽部』は、1914(大正3)年~1964(昭和37)年まで大日本雄弁会(現・講談社)から発行された雑誌である(1946(昭和21)年「少年クラブ」に誌名変更)。 後年の学習雑誌や少年誌が漫画に席巻されていくことを考えると、それらに比べはるかに読み物が多い。

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戦前の執筆者は吉川英治、大仏次郎、野村胡堂、子母澤寛、南洋一郎、山中峯太郎、佐々木邦、海野十三、サトウハチロー、西条八十、田川水泡、島田啓三と、現在でも名の知られた作家・漫画家が並ぶ豪華なものだった。 内容は、熱血・怪奇・南海・時代・運動小説など元気な少年向けのジャンルが並ぶが、外国小説や教育小説といった中に「乞食王子」や「フランダースの犬」などの翻訳物が掲載されている。
また滑稽ものやマンガもあり、内容は堅いものだけではない。海外の偉人、有名人もたびたび記事になり、欧米や中国の青少年の話題も掲載されていた。

blog2 山川惣冶は戦中戦後の日本を代表する絵物語作家である。戦前は『少年倶楽部』に掲載される小説などに絵物語を描いていた。1939(昭和14)年7月の『少年倶楽部』に掲載された紙上紙芝居『宣撫の勇士』は、日本兵を嫌う中国の人々を、兵士が命を捨てて守るという話である。

三谷薫『山川惣冶;「少年王者」「少年ケニヤ」の絵物語作家』河出書房新社,2008.【726.5/ミカ】

 

誌面を飾る広告などもにぎやかだが、懸賞の景品が楽器や絵具など以外に、天幕や軍隊ラッパなどがあるところにも時代を感じることができる。
表紙や掲載記事は、大正、昭和と時代が進むにつれて次第に軍事的な色合いが見られていくようになっていった。

(※『少年倶楽部』は、この企画展示のために長野県立歴史館からお借りしました。)


県立長野図書館戦後70年特別企画

「GIFT;子どもの世界が変わった時―進駐軍とともにやってきた児童書と戦前・戦中・戦後―」

2015.12.22(火)>2016.1.28(木)
http://www.library.pref.nagano.jp/kikaku_1512

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