2021.02.28 [ テーマ本 ]
郷土展示「丑と寺社」
東信からは小諸市にある「釈尊寺(しゃくそんじ)」です。
釈尊寺は「牛に引かれて善光寺まいり」の発祥の地とされており、牛伏寺と同じく信濃三十三番観音札所のひとつでもあります。一説によると、牛に引かれて善光寺まいりの日に行われていたお祭りは、釈尊寺でまつられている布引観音のものであり、お婆さんを善光寺までひっぱっていった牛は、この布引観音が化けた姿ではないかと言い伝えられているそうです。
南信からは下伊那郡泰阜村などにある
津島神社(つしまじんじゃ)でまつられている
「牛頭天王(ごずてんのう)」についてです。
牛頭天王とは、日本神話に登場するスサノオノミコトと
同一視されている神です。京都府にある八坂神社(祇園社)や愛知県にある津島神社(天王社)などを中心に全国でまつられており、疫病除けや願望成就にご利益があるそうです。実際に、上伊那郡宮田村津島神社で開催される祇園祭では、毎年「あばれ神輿」といって神社の石段から神輿を何度も落として壊すという珍しい風習の祭事を行い、無病息災などを祈願しているようです。
釈尊寺からのご縁で善光寺へたどりつく、
善光寺への道中だったけれども牛伏寺にお経を納めることになる、
善光寺の境内にもある弥栄神社と同じく牛頭天王(スサノオノミコト)とを祭っている神社が
南信をはじめとして県内に点在している。
牛の力かは定かではありませんが、県内各地に牛にゆかりのある寺社があるとは、
なんだか不思議なご縁を感じませんか?
牛に引かれて寺社巡りをしたような気分になれる
郷土展示「丑と寺社 牛に引かれて厄除祈願」は、3月末まで展示予定です。
ご来館の際は、ぜひご覧になって楽しんでください
下記の本を参考に調べました
書名 著者名 出版者 出版年 請求記号
『善光寺まいり』 五来重 1988 平凡社 【N181/146】
『日本童話全集 ふるさとの伝説 東日本編』 坪田譲治 あかね書房 【91.3/ツ】
『信濃三十三札所めぐり』柿木憲二 関保男 郷土出版社 1991 【186.8/カケ】
『疫病退散』 島田祐巳 サイゾー 2020 【387/シヒ】
『信州ふるさとのまつり』 長野県商工会青年部連合会 2005 ほおずき書籍 【N386/141】
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