2026.01.31 [ 山好き館長の信州便り ]
まちの本やさんと図書館が一緒にできること(FMぜんこうじ「図書ナビ」第34回)

2026年初回の図書ナビ
みなさま、こんにちは。県立長野図書館の森です。FMぜんこうじの「ひるどきもんぷらワイド」、 2026年1月13日(火)に放送された「図書ナビ」コーナー、第34回目の内容をご報告します。
今年もスタートしました!年末年始は比較的穏やかな天気で、善光寺はじめ県内にも多くの方が訪れました。10日は成人式も行われましたね。伸び伸びと羽ばたいていただきたいなと思います。そんな中川さんのトークで始まったお昼時、オープニングの一曲は緑黄色社会の『あのころ見た光』(YouTube)でした。「♪怖いの飛んでゆけ 予測はできない明日に手を伸ばして 僕ら今を生きてる」不安もあるけれど、それよりももっと、これからの可能性と希望にあふれた、勇気がでてくる歌でした。
年末年始はいかがでしたか?
中川さん:森館長、年末年始は温かくお過ごしになれましたか?

姪っ子たちにプレゼントした本
森:今年の年末は、年末は高松市の実家へ、母の遺品整理のため帰省して、家族と楽しいひと時を過ごせました。とても暖かったので、庭木の手入れや、橙(だいだい)の収穫など、肉体労働も楽しく、讃岐うどんも、初めてのお店に遠出して、ワサビを付けて食べる肉うどん!最高でした。
地元最大の本屋さん「本なら何でもそろう、宮脇書店」、昔からのキャッチコピーなんです。そこの児童図書のコーナーで、7歳と4歳の姪っ子の娘たちに本をプレゼントしました。
最近の子ども向けの本って、凝っているんですよね。厚紙の包丁が付いていて、おままごとみたいに果物を切って「中身は何色かな?」と、ページを開くと果物の断面が出てくる本 『くだものさん トントントン』、小さな魚の『スイミー』や野ねずみの『フレデリック』などで有名な絵本作家、レオ・レオーニさんの塗り絵の本などをプレゼントしました。子どもたちが文字通り、一日一日成長していく様子には目を見張るものがありました。昼間は全力で遊んで、一度もパソコンを開かないまま熟睡する、健康的な毎日でした。
年末は父母が残した本の整理
森:今回の帰省の目的は、父母が遺した書籍の整理でした。母の蔵書からは、『羽仁もと子著作集』(婦人之友社)、三浦綾子の文庫本、長崎の歴史、子どもの頃に読んだ児童文学やお菓子の本等々。数十年分の『主婦日記』(婦人之友社)を含めて、5箱分になりました。
父の蔵書からは、科学者でありつつキリスト教を受容するのに必要だったと思われる数冊の本と、『日本古典文学体系』(岩波書店)。数十冊あるので、さんざん迷いましたが、家計が苦しい中やりくりしてコツコツと買い続けた思い出を聞いていたので、捨てられませんでした。それでも、救えるのは蔵書全体の10分の1にもなりません。ほとんどが古紙になってしまうと思うと切ないです。自分自身の蔵書の行く末も考えないといけないな、と思いつつ、本棚を増やそうと画策中です。中川さんもかなりの読書家だと思いますが、本、どうされていますか?
中川さん:ブックオフに持っていって新しい本を入れる余地を作ったりもするんですが、落ち込んだ時、淋しいときにもう1回読みたくなるような本ってありますよね。どうしても手元に置きたい本は、20年も前のものでも持ち続けています。

橙ポン酢の豚しゃぶ
年始は充電時間
森:晦日の夜に池田町の家に戻って、夫と合流しました。普段、単身赴任しているので、お雑煮、ブリ大根とか、実家の橙を絞ってポン酢にして豚しゃぶ鍋を食べたりとか、和食が続くと養殖も食べたくなるので、ポトフやクリームシチューとか。三度三度、家で食べていると、作って食べて片付けての繰り返しになりますね(笑)。あと、秋頃に、防災用で太陽光発電と大容量バッテリーを買ってあったんですが、ほったらかしになっていたので、設置してもらったり、薪を運んでもらったり、力仕事をたくさん手伝ってもらえました。風邪をひいてしまい、お天気もイマイチだったので外出はしませんでしたが、穏やかな年末年始を過ごして、たくさん充電できました。
まちの本やさんと図書館が一緒にできること
中川さん:今日はどんな話題ですか?
森:今月のおススメ本と兼ねて、1月23日(金)に開催する、イベント「書店と図書館がつなぐ未来の読者in長野 まちの本やさんと図書館が一緒にできること」についてご紹介したいと思います。2部構成になっていて、第1部は、書店員さんと図書館員さんの合同研修会、第2部は、長野県出身の作家さんの講演会です。背景には、昨今、「読書離れ」「活字離れ」といった現象が進んで、まちの本屋さんが減り続けているということがあります。長野県は、自治体数が77(19市、23町、35村)と北海道に次いで2番目に多く、各地域が独自の文化圏を築いてきましたが、地域的な条件による読書環境・情報環境に格差があるのは否めません。

公共図書館の設置のない自治体:約26%- 書店のない自治体:約54%
- 公共図書館も書店もない自治体:約23% という状況なんです。
歩いて行けるところや、車で少し走れば本屋さんや図書館があるという環境にお住まいの方はラッキーで、どなたでもそういう環境におられるわけではないんですよね。そこで、「書店と図書館が共有する課題を分かち合い、力を合わせて地域の読書環境を豊かにし、読者を増やしていきたい」「それぞれの地域の状況に会う連携方法を探し、実際に形にしていきたい」という気運が高まっています。
6月にフォーラムを開いた際に「共に学び合える場が作りたいね」ということになって、文部科学省の「図書館・学校図書館と地域の連携協働による読書のまちづくり推進事業」である本の未来と読者を考える「書店・図書館等による連携協議会」からお声掛けいただき、長野県書店商業組合、長野県図書館協会が共催して、書店員と図書館員の合同研修会を開催することになりました。

『空芯手帳』
第2部は、長野県出身の作家、八木詠美(やぎ・えみ)さんによる講演会です。初めての本は、2020年の『空芯手帳(くうしん・てちょう)』(筑摩書房)で第36回太宰治賞を受賞されています。まだお若い、新進売り出し中の作家さんですね。「くうしん」は、「芯が空」と書くんですが、なんと・なんと、「妊娠」を「偽装」する妙齢の女性が主人公。ちょっとびっくりする設定なんですが、ぐいぐい引き込まれます。世界25ヶ国語での翻訳が進行中で、2022年8月に刊行された英語版『Diary of a Void』は、ニューヨーク・タイムズやニューヨーク公共図書館が「今年の収穫」として取り上げるなど、高い評価を得ているそうです。
2冊目は、2024年の『休館日の彼女たち』(筑摩書房)。こちらは、第12回河合隼雄物語賞を受賞されています。「きゅうかんび」は、博物館がお休みの日、という「休館日」です。こちらもまた、不思議な設定で、なんと、博物館に展示されている古代ローマのヴィーナス像のおしゃべり相手にやとわれた女性のお話。このアルバイトができる資格は、ラテン語の日常会話ができること。あり得ない設定なんですが、これがまたマジック・魔術的というか、この世界観に引き込まれちゃうんですよね。

『休館日の彼女たち』
どちらも、今のこの生きづらいというか、コミュニケーションがうまく行かない現代社会に、新しい視点で問題提起するような作品で、特に女性の生き方を考えさせられる作品です。八木さんは、今は出版社にお勤めしながら作家として活躍されています。八木さんを担当されている筑摩書房の編集者さんも来てくださることになっているので、本が生み出されていく現場の話をいろいろ伺いたいと思っています。
- 1月23日(金)、八木さんの講演会は17:30~19:00、お仕事帰りやお夕食の前に、立ち寄っていただける時間帯です。
- その場で本を買っていただくと、八木さんのサインもしていただけます。
詳しくは、県立長野図書館のウェブサイトから。お電話でも受け付けています。
2026年の目標は?-「黒船になること」
中川さん:ところで、森館長は今年どんな年に?・・・目標など立てられましたか?

2026年もよろしくお願いいたします!
森:今年の目標は、「黒船」になることです!
中川さん:「黒船」??? それは。。。?
森:話すと長くなるので、ものすごーく端折っちゃいますが(笑)、今、私達を取り巻く状況は、ものすごい変化の中にあります。それはあたかも、幕末にペリーが率いて来た「黒船」のようです。例えば、生成AIなんかは、「黒船」の代表格ですね。でも、どうしても日本人って、内面から変えていくのが苦手で、外圧というか、「黒船」が来ないと改革ができないようなところがある感じがしますよね。そこで、待ったなしの状況がある場合には、「自らが黒船となって、内側から変えていこうよ」という機運が高まってきていまして。今回の、書店さんと図書館の合同研修会もそうですが、自ら動いて、良い方向をめざしていけたらいいなと思っています。
中川さん:なるほど、壮大な目標ですが…素晴らしいですね! リスナーの皆さまへメッセージをお願い致します!
森:繰り返しになりますが、1月23日(金)「書店さんと図書館の合同研修会」、特に、夕方の八木詠美さんの講演会にぜひご参加ください!17時頃から本の販売やサイン会があり、17:30にお話が始まります。お申し込みは、県立長野図書館のホームページからリンクが貼ってあります。お電話でも大丈夫です。026-228-4500 寒い日が続きますが、図書館は暖かいです。お近くの図書館にもぜひ足をお運びください。
中川さん:書店や図書館の関係じゃなくても、本や読書に興味のある方は、どなたでもご参加いただけるとのこと。長野県出身の作家、八木詠美さんの講演会もあります。みなさまぜひおでかけください!
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