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読むこと・語ることは人生の彩り!(FMぜんこうじ「図書ナビ」第30回)

中川さん:「知る自由」は、意識して守っていく必要があるんだということ、とても大切ですね。

「読む読む・語る」平均年齢85歳の読書会の物語

中川さん:今日のおすすめ本、お願いします!

『よむよむかたる』

森:シリアスな話になっちゃいましたので、読書会つながりで、ちょっと楽しい話題を。
この夏の芥川賞・直木賞は、両賞とも「該当作なし」で残念だったんですが、直木賞の候補作になった朝倉かすみさんのよむよむかたる文芸春秋(2024)が、とっても面白かったので、おススメします!
物語の舞台は、北海道の小樽。月一回の読書会に集う人々の物語です。読書会メンバーの平均年齢は、なんと85歳。とにかく、どのキャラクターも強烈な個性の持ち主です。

読書会で取り上げる作品は、佐藤さとるさんのだれも知らない小さな国講談社青い鳥文庫(1980)。主人公は、子どもの頃、自分だけの秘密の場所を見つけるんですが、そこで「こぼしさま」と呼ばれる小人たちに、一瞬だけ出会います。戦争を経て、大人になってその土地に戻ってきて、小人たちに再会します。実はこの小人たちは、「コロボックル」なのではないか?と、ルーツを探ったりしながら、お互いのことを信頼し合うようになります。ところが、小人たちが住んでいる土地が、道路工事で潰されてしまう、という危機に見舞われるんですね。そこである作戦を立てて、協力しながら小人たちの国を守ろうと奮闘します。
この本、何十年かぶりに読み返して、「こんなに面白かったのか!」と、ゾクゾクするほどでした。

『だれも知らない小さな国』

森:『よむよむかたるのほうに戻って…(笑)。読書会ではだれも知らない小さな国を一人一節ずつ読みながら、感想を言い合います。本質を突くような発言があったり、延々と脱線したり…。本のタイトルは『よむよむ・かたる』ですが、分量で言えば『よむ・かたるかたる』が実態に近いです。読書会の会場「喫茶シトロン」の雇われ店長になった、自称小説家の若者”やっくん”が語り手なんですが、その描写の眼差しが温かくて、可笑しくて、そしてほろりとさせられる場面もあるんです。

中川さん:本の表紙は、可愛い女の子がぬいぐるみをギュっと抱いている絵なんですね?

森:そうなんです。登場人物たちは高齢の方々なのに、どうして?と、ちょっと不思議ですよね。その謎も、本の中で明かされます♪

よむよむかたるは、読書推進運動協議会が作成する、「2025 敬老の日読書のすすめ」にもリストアップされている作品です。中川さん、キャッチコピーを読んでみていただけますか?

中川さん:~心ゆたかに生涯読書~  読むこと、語ることは、人生の彩り!

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