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聞く・触る・見る本、いかがですか?(FMぜんこうじ「図書ナビ」第28回)

以前、図書ナビにも出演していただいた、市立須坂図書館の文平館長さんが、デジとしょ信州の「バリアフリーチーム」のチームリーダーをしておられ、長野県聴覚障がい者支援センターの方たちとしっかりと連携してくださっています。図書館だけではなく、当事者の方々に普段から接している福祉関連の部署の方との連携が大切だと思います。今回も、県の障がい者支援課の方も協力してくださいました。図書館に来てもらうだけではなくて、こちらから出かけて行けたら良いね、と、館内で話しているところです。
私も、体験の際には、参加者の方がスマホで操作をされるのをちょっとお手伝いさせていただいたんですが、「できた!」「わかった!」という表情が見られたのが、何よりのご褒美でした。

今月の一冊は、『おひさまとえんぴつ』

羊の目。『おひさまとえんぴつ』

羊の目。『おひさまとえんぴつ』

森:今日は、羊の目。さんの『おひさまとえんぴつ』というコミックを持ってきました。
この本は、新聞のおススメ本として小学生の男の子が、紹介してくれた本です。「大人にこそよんでほしい」と書いているのを見て、早速取り寄せて読んでみました。

主人公は耳がきこえない女の子、沙希ちゃんです。沙希ちゃんの耳が聞こえないことを知った時、お母さんはとてもショックを受けるのですが、お姉ちゃんは、真っ先に図書館へ行って、手話の本をたくさん借りてきます。

聞こえないことを「異常」だと捉えず、「沙希ちゃんにとっての正しい世界」に寄り添うんですね。沙希ちゃんはすくすくと育ちますが、学校に行くようになると、他の子たちと自分が違うことに気付いて、孤独を感じたり、いじめのような状況も起きてしまいます。でも、先生の一言や、友達に助けられながら、クラスの皆んなが一体となって成長していく様子が描かれ、作家になりたいという夢への一歩を叶えるんです。

一人一人の個性や可能性を信じる気持ちが湧いて来る、とても素敵な作品でした。

リスナーの皆さまへのメッセージをお願いします!

森:今日は、読書バリアフリーを中心に、誰もが生き生きと自分らしく生きられることってどういうことなのかな?と考えてきました。
「障がい」というと、何だか特殊なことのように感じてしまいがちですが、年齢を重ねることによるさまざまな身体の変化は、誰にでも起こることですよね。色んな人がいるということに配慮できる社会というのは、自分自身も含めて、誰にとっても暮らしやすい社会ということだと思います。「心のバリアフリー」が、そんな社会への第一歩なのかもしれませんね。図書館も、そんな社会の担い手の一つでありたいと思っています。

暑い日が続きます! 図書館は地域のクールスポットになっていることも多いので、涼しさと、そして知的発見を求めて、お近くの図書館にぜひお出かけください。お待ちしています!

県立長野図書館「りんごの棚」はこちらのブログで詳しくご紹介しています↓

「りんごの棚」からはじまる ~読書バリアフリーな世界を知る~

 

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