2025.01.20 [ 山好き館長の信州便り ]
肩ひじ張らず…素敵な一年を!(FMぜんこうじ「図書ナビ」第22回)
森:姪っ子の子どもたちには、クリスマスプレゼントに絵本を選びました。
4歳の子には鈴木のりたけさんの『大ピンチずかん』小学館(2022年)。大人気で、2023年には2巻が出て、シリーズ累計100万部を突破したそうです。例えば、「牛乳をコップに入れるとき、勢いがついて机にこぼしてしまって、大ピンチ!」でも大丈夫。ずずーっと口を付けて吸い込んじゃおう。ところがまたグラスを倒してしまって、さらに大ピンチ!とか。「氷が舌に貼りついちゃった!」とか。子どもにありがち、でも大人でもありそうな笑えるピンチを、図入りで解説しています。保育園にも置いてあるんですが、人気でいつも貸し出されているそう。元気すぎるくらい元気な子なのでピッタリ!と、読み聞かせしていました。
この春小学生になるお姉ちゃんには、『魔女の宅急便』でおなじみ、角野栄子さんの『1年生になるんだもん』文化出版局(1997年)をプレゼント。読書もわりとするほうですが、慎重でシャイな性格なので、小学校には夢や希望と不安の、両方があると思うんです。そんな等身大な女の子が主人公の絵本で、すこしでも不安が和らいだら嬉しいなと思っています。
中川さん:『大ピンチずかん』、すごく人気ですよね。角野栄子さんには、これから1年生になる女の子の物語もあるんですね!さて、今日はどんな話題でしょうか?
母の言葉「何もかも背負いこまないで。肩ひじ張らずに…」
森:また母のことになってしまうんですが、母は病気の影響で、話をしていてもちょっと現実とは違う世界の話になってしまうんですね。でも、母はキリスト教という信仰をもっていて、その点はゆるぎがありません。それから、私たち兄妹のこと、家族のことになると、突然しっかりする瞬間があるんです。ふと真顔になって、じっと私のことを見つめながら、「何もかも自分で背負いこまないで。肩ひじを張らないでね。」と言ってくれて… この言葉がずっと心に残っています。
この「肩ひじを張らないで」という言葉から連想した本をご紹介したいと思います。
内山二郎さんの、『人生、ポレポレで行こう』。2001年から2024年にかけて『長野市民新聞』に連載されたエッセーをまとめたもので、地元長野市の「しなのき書房」さんから2024年7月に出版された本です。
内山二郎さんは、長野県長寿社会開発センターによる、長野県シニア大学の運営委員会で委員長をされていました。とてもお若く見えるんですが、本の著者紹介を見ると1943年、昭和18年生まれの82歳でいらっしゃいます。
シニア大学って、中川さんご存じですか? 県内の10地区(例えば、長野、北信、上小など)それぞれに学部がある、だいたい50歳以上の方を対象とした学びの場です。「自分づくり、仲間づくり、地域づくり」というキャッチコピーのとおり、趣味に関わるような講座のほか、仲間たちと協力し合って、地域に貢献していくような活動もたくさんされています。私もたまたま、シニア大学運営委員会で委員をさせていただいていて、内山委員長とご一緒しました。図書館の「信州・学び創造ラボ」を教室として使っていただくことも多くて、内山さんの授業を覗きに行ったこともあります。例えば、『人生の棚卸』として、自分年表を作るといったワークもされているんですが、始めはみなさん「自分には特に語ることはない」と仰っていても、取り組んでいくうちに、どんどん出て来るらしいんです。
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