2024.12.10 [ 山好き館長の信州便り ]
楽しすぎる!? ― 新時代の図書館(FMぜんこうじ「図書ナビ」第21回)
例えば、長野県林業総合センターでは、長野県産の木材(スギ、ヒノキ、カラマツ等)から精油(アロマオイル)を取る機械を開発されたんですね。色んなアロマオイルを嗅いでみて、自分の好みの香りを探したり、精油を作る機械そのものも展示したりしていました。まさに、モノ作りです。(オマケ情報:12月18日に「長野県産精油(アロマオイル)勉強会」をするようですよ!)
プログラミングの得意な方は、画面に映っているAIロボットとじゃんけんをするゲームを作って、参加者とじゃんけんをしたり。県立長野図書館の職員も、レーザーカッター(レーザーで木材やアクリル板をカットする機械)を活用して、クリスマスの飾りを作る体験会をしました。なんと60種類以上ものサンプルから、自分が好きなのを選べるんです。これ、借りて来たサンプルです。
中川さん:わー、可愛い!雪の結晶ですね。しかも、ものすごく細かい…こんなに繊細なカットが出来るんですね?!
森:「本」のパーツを使ったアクセサリーを披露してくれた職員もいました。本には”しおりヒモ”が付いていたりしますよね。こういう本の素材を知ってもらうだけじゃなくて、それを使ってアクセサリーを作ってしまうところが、良いセンスだと思います。レトロゲームコーナーでは、歴代のいろんなテレビゲーム機(例えば、プレイステーション)を何台も並べて、実際にゲームが出来るようにしたり。
ある大学の先生は、ゼミの学生さんと一緒につくった、星座の形を手で触って確かめることができるものを、出展してくださいました。図書館内のマップなど、読書バリアフリー等にも応用できそうで、楽しみです。
超小型のドローンを、図書館の中で飛ばしてみたり。ガチャガチャでおみくじをひいたり、電気の仕組みを知ったり。全部で12種類の出展があって、子どもさんはもちろん、大人の方たちもとても楽しそうでした。120人近くの方がご参加くださったんですよ!この中には、初めて図書館に来たという方もおられたんですよね。これをきっかけに、馴染みのある場所になってくれたら良いなーと思います。
モノ作りと一言で言っても、本当にいろいろな種類があって、異業種交流にもなっていました。勉強をしにきていた中学生の男子たちが、「プログラミングが得意で、興味がある」というので、じゃんけんゲームを作ったお兄さんに紹介したりして、世代を超えた交流にもなっていました。図書館で、こういったフェスティバル、展示会をする意味は、展示してあるモノに関係する本を一緒に展示できることなんですよね。なんと、それぞれの展示に関わる本を、司書たちが全部で220冊以上も展示してくれました。あるご家族は、お母さんとお子さんがゲームをしている横で、お父さんはゲームに関する本を読んでいて、それぞれの過ごし方が良い感じでした。
中川さん:人と本が出会ったり、人と人との出会いの場にもなっていますよね!
森:そうなんです!実は、「モノコトフェス」は、図書館の職員が企画したのではなく、図書館の中にあるモノコトベースというモノづくりのコーナーで、普段からいろいろな活動をしているラボ・モノづくりCommunitiesの方々が企画してくださったんです。
「図書館」は、「本を静かに読むところ」というイメージからすると、かなりぶっ飛んだ姿かもしれません。 でも、図書館のミッションは、皆さんに「学んだり知ったりする環境を提供すること」なので、遊びや体験、モノを作ることから始まって、もっと知りたくなったら本もあるよ。という世界を、これからも広めていけたらいいなと思います。
中川さん:まさに、「楽しすぎる!」新しい図書館の姿ですね。
今月のおススメ本は?
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