2024.11.12 [ 山好き館長の信州便り ]
人生は「カラフル」―自分を肯定できる生き方のために(FMぜんこうじ「図書ナビ」第20回)
そんな時、出張先の図書館で、ふと目に留まったものがありました。「国立がん研究センター」が作成して、全国の図書館に配布している冊子です。とても有難いことに、「本人」や「家族」が気になることに寄り添った内容で、わかりやすく書かれていたんですね。「国立がん研究センター」では、この冊子を、始めは病院に置いていたそうです。ところが、病院に行く前の時点で、自分自身の体調や、家族の体調が気になる人が気軽に冊子を手に取れる場所として、「図書館」がいいんじゃないかと思われたそうなんです。実はこの「国立がん研究センター」による、『がん情報ギフト』プロジェクトは、今年、すぐれた図書館関係の取組をされている団体に贈られる「Library of the Year 2024」で優秀賞を授与されました。
受賞理由は、「大規模な医療機関のない市町村でも、公共図書館が存在することに着目し、科学的根拠に基づいたがん情報の冊子(「がん情報ギフト」セット)を全国の図書館へ寄贈する仕組みをつくり、より多くの人に情報が届くようにしたこと」です。
図書館は、小説などの「読み物」や「実用書」、「児童書」など、さまざまな本が置いてあります。でもそれだけではなくて、医療を始めとして、いろいろな分野で、「科学的な根拠に基づいた、信頼性の高い様々な情報」を手に入れることができる場所でもあるんですね。(図書館にとっても、医療・健康情報サービスに、新しく有効な手法が加わりました。今後のさらなる展開にも、期待が寄せられています。)
中川さん:図書館は、読書の環境だけではなく、本当にあらゆる情報が得られる窓口のような場所なんですね。それに加えて、図書館であることの意味は、温かい場の空気感もあるかもしれません。ネットの情報が悪いわけではないんだけれど、一人でパソコンに向かって情報を見ていると沈んでしまいそう。図書館という場は、優しく包み込んでくれるというか、安心できる気がします。
森:ありがとうございます!そうありたいです。実は、県立長野図書館にも、これらの冊子を置いたコーナーがあります。でも、私自身は仕事でバタバタしていて、自分がいる図書館のものを手に取る余裕がなくて。出張先の北海道の図書館(北広島市図書館)で、初めて手に取って読んでみて、救われた気持ちになりました。「全国どこにでもある」というのが、私にとっては幸いしました。
皆さまにとって、身近な市町村図書館にも、医療・健康の情報コーナーはあると思います。「ちょっと気になるなぁ」「もっと詳しく知りたいな」というときに、図書館に立ち寄ってみていただけたらと思います。それを目的にしていなくても、偶然の出会いということも、あるかもしれません。あとは、「患者のための図書室」を設けている病院もあります。
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