2024.03.15 [ その他 ]
【郷土展示】文学の中の信州
2F郷土展示コーナーでは、「文学の中の信州」と題し、
信州の自然を題材にした文学作品を紹介しています。
美しくも厳しい自然に、避暑地や温泉地が点在する信州は、
古くから文人がこの地を舞台に多くの作品を残しています。明治の文学には、”自然主義文学”と呼ばれる思想に影響を受けた作品もあります。
俳句、短歌、小説、紀行文・・・
豊かな自然に心を映して、信州の四季を感じてみませんか♪
「懐古園内の藤、木蘭、躑躅(つつじ)、牡丹(ぼたん)なぞは一時花と花とが映り合って盛んな香気を発したが、今では最早濃い新緑の香に変わって了った。千曲川は天主台の上まで登らなければ見られない。谷の深さは、それだけでも想像されよう。」
『千曲川のスケッチ』 島崎藤村 1911(明治44)年
「オオルリの声がひろがったりはねたりしている。木々の生命がその枝先にこまやかにはじけてゆくような季節である。花も咲き、小鳥の声も日増しに多くなって行く時、ここはなお遠く槍沢から流れる梓川が、浅くやわらかな音を立てている。」 『初夏の上河内』 串田孫一 1961(昭和36)年
「俤(おもかげ)や 姨(うば)ひとり泣 月の友」 松尾芭蕉 1688(貞亨5)年
「どんどやき どんどと雪の 降りにけり」 小林一茶 1818(文化15)年
📖自然主義文学って? 理想化を行わず、醜悪なものを避けず、現実をありのままに描写しようとする立場。 19世紀後半、自然科学の影響のもとにフランスを中心に興ったもので、人間を社会環境や生理学的根拠に条件づけられるものとしてとらえたゾラなどが代表的。 日本では明治30年代にもたらされ、島崎藤村・田山花袋・徳田秋声・正宗白鳥らが代表。 (出典:デジタル大辞泉)
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