郷土展示【信州の百鬼夜行】

二つ目のテーマ <信州百物語>

信州の昔、またはちょっと昔、そして現代の怖い話が載る本を集めました。

『信州のこわ~い話 続』信州児童文学会編
 郷土出版社 1986【N3888/124/2】
昔の話は「昔話」「伝説」として楽しめますが、ちょっと昔の昭和の戦中戦後からの話となると身近な分想像ができるので怖さが違います。
年配の方はもちろん、若い方も新鮮な驚きと怖
さを発見するかもしれません。児童文学雑誌
『とうげの旗』に連載されたものですが、様々
な種類の怖さが混在していて、ぞっとする内容です。

『長野の怖い話』  丸山政也著  TOブックス 2018【388.15/ママ】
県内各地、現代の怖い話を集めた本。どこで何がおきたのか。身近な地名を上げて書かれていて、ほら、あなたのお住まいの所でも、不思議が起きているかも・・・。

三つ目のテーマ <文献に見る怪異>

今も昔も、怪異は恐ろしくも心惹かれるもの。昔の新聞で報じられた怪異の記事とその考察を読みます。

『怪異妖怪記事資料集成』という本があります。
10cmほどの厚みがあり、明治期1冊、大正期上下巻2冊。昭和戦前期上中下巻3冊。今回すべて上巻のみを展示しました。

全国の新聞に載った怪異の記事をまとめた本です。
県内の新聞に取り上げられたもの、その中でも長野県で起きた怪異には蛍光ペンで色を付けた付箋を挟みました。記事の中には信濃毎日新聞の記事もあります。当館では「信濃毎日新聞データベース」を使えますので、興味のあった記事を紙面で見ることもできます。どうぞご利用ください。

また、明治、大正、昭和それぞれの本の巻頭に「その分析と考察」が数ページにわたって掲載されています。怪異と、時代やメディア、時世との関わりについて、どのように変化し、報道のされ方も変わっていったのかという事などが書かれていて興味深いです。
たとえば、『大正期怪異妖怪記事資料集成 上』の「大正期の新聞における怪異記事―その分析と考察」には「消えつつある怪異」として予言獣が取り上げられています。
予言獣とは、悪病の流行や豊凶を予言し、災い除けとして予言獣の絵を描いて拝む、アマビエとか件(くだん)のこと。江戸時代に各地に出現しましたが、それがだんだん記事化されなくなり、昭和においては2件のみ。それが今、令和の時代において「発見」されてブームを巻き起こした不思議。
他にも興味深い切り口で楽しめる本です。

   ・・・おまけの話・・・当館職員の体験談です。
「昔家族で博物館に出かけた時、子どもが駐車場で赤いビー玉を拾いました。見学中、床に落としてしまったビー玉が展示棚の下に転がっていきました。若干こちら側に傾斜のある床だったので戻ってくるのを見守っていたら、投げ返されたかのように勢いよく戻ってきたビー玉は、青色に変わっていたのです」

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