2010.04.15 [ 長野県立美術館 ]
「エジプト展」の目玉!木棺の秘密
こんにちは、信濃美術館です。
開梱作業が進む「吉村作治の新発見!エジプト展」について、吉村作治先生とエジプト発掘調査隊のメンバー・馬場匡浩さんに、伺いました。
中王国時代、ミイラは頭を北に、顔を、太陽が昇る東に向けて棺(ひつぎ)のなかに安置され、棺に描かれた「ウジャトの眼」を通して、棺のなかから外の世界を見ているのだそうです。
棺は、オシリス神となったミイラが住む家として、王宮の壁の装飾や、かんぬきのある扉が描かれています。約400年後のチャイの場合は、ミイラは上を向いた形で安置されていました。人型の棺の側面には、「チャイに神々のご加護がありますように」という祈りを込めて、チャイの名前と共に、アヌビス神やハピ神など数多くの神々の絵や名前がかかれています。
そして、それぞれの名前のヒエログリフを教えていただきました。
左から、チャイ、セベクハト、セネトイトエス。
「チャイ」は、上から、”口を開けて羽を広げた鳥”が「ch」、”ハゲワシ”が「a」、”葦(あし)の穂が2つ横にならんでいる”のが「y」、さらに、上に書かれた文字が人名であることを表す記号がついています。
「セベクハト」は、杖のように見える”折りたたんだ布”(上右)が「S」、”膝から下の足”(上左)が「b」、”取っ手のついたかご”が「k」、”ライオンの顔と前脚”が「ha」、半月のような”ロールパン”が「t」です。
「セネトイトエス」は、”弓矢”の絵文字(上右)が「sn」、波線のように見える”水”が「n」(上左)、半月のような”ロールパン”が「t」、”葦の穂”(下右)が「i」、”角の生えた毒蛇”が「f(読まない文字)」、杖のように見える”折りたたんだ布”が「S」です。
ぜひ実物でご確認ください!
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