2013.01.08 [ 佐久のイベント ]
小諸市御影新田(みかげしんでん)の道祖神祭り
農地整備課のH・Sです。
【まずは「御影天領太鼓」で盛り上がります】
1月7日の夜、以前「歴史的農業施設」シリーズでご紹介した、御影用水の水が潤す小諸市御影地区で300年以上も続く「御影新田の道祖神祭り」にお邪魔しました。
このお祭りは、県の無形民俗文化財に指定されています。
小諸市の御影新田は、江戸時代に柏木小右衛門が遠く軽井沢の地から、私財をなげうって開削した長さ20キロを超える御影用水のおかげで、豊穣の地となった場所です。その後、用水により安定した米作りが可能になったこと、中山道と北国街道に挟まれる交通の要所という点から「天領(幕府の直轄地)」とされました。
このことにより当時の最先端の流行や文化が遠く信濃の地にもたらされ、今回ご紹介する「道祖神祭り」が生まれたようです。
【写真2 山車を激突させています・提灯の傾きを見てください】
道祖神祭りと言っても、単なるお祭りではなく、集落を「上宿」と「下宿」に分け、それぞれの「山車(だし)」に道祖神を祭った祠(ほこら)を固定し、子供たちの名前を記した提灯や紅白の幕で鮮やかに飾るところまではよくある風景ですが、その山車に集落の小学校4~6年生を乗せて、大人たちが子供たちを乗せたまま「思いっきり」山車を激突させる勇壮なお祭りなのです。
【写真3 激突したあとは山車の上で上宿・下宿の子供たちの競り合い】
このお祭りは五穀豊穣、子孫繁栄、無病息災などを祈願し、毎年1月7日に行われていますが、以前は1月14日の2回行われていたそうです。
前が持ち上がるほどの勢いで激突する山車の上では、子供たちが「顔面蒼白」と思いきや、女の子も「キャッキャ」と言ってたくましく激突を楽しんでいるようで、将来への頼もしさを感じました。
【写真4 山車の上からの見物人に護符がまかれます】
祭りの途中では山車の上から「護符」や「おかし・みかん」がまかれて、見物人総出の大盛り上がりとなりました。
午後7時頃から激突が始まり、午後8時過ぎには一段落となりましたが、勇壮なお祭りに触れ、先人達が豊かな実りを真剣に祈った歴史に、私も集落の中央にある陣屋稲荷神社で手を合わせ、想いを新たにいたしました。
【写真5 300年以上の歴史をもつ神社におまいりしました】
当日は御影用水開削の租、柏木小右衛門の直系子孫の方や、今も御影用水を守り伝えている「千ケ滝湯川用水土地改良区」の皆さんから、用水の歴史や御影地区の今昔もお聞きでき、楽しいお祭りに満足した一夜でした。
毎年1月7日に行われるこの「御影新田の道祖神祭り」を皆さんもご覧になってみませんか。きっとその豪快さと真剣さに感動すると思いますよ。
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