4 結 果
皆伐施業地(2.65ha)では、植栽6ヵ月後の11月20日から30日までの間、以下の各項目について試験区域内の植栽木の調査を実施しました。
(1)枯損率
植栽した苗木の種類で枯損率に有意差はなかった。(χ2乗検定による)
(2)根元径成長量
全植栽木の平均根元径成長量は、普通苗0.6mm 大苗0.9mm コンテ
ナ苗0.7mm という結果で、大苗が有意に高いという結果が得られ
た。(Tukey-Kramerの多重比較検定による)
(3)樹高成長量
全植栽木の平均樹高成長量は、普通苗4.9cm,大苗6.5cm,コンテナ苗
4.8cmという結果で、大苗が有意に高いという結果であった。
(Tukey-Kramerの多重比較検定による)
5 課題と今後の対応
皆伐跡地での調査で、他の苗木と比較して大苗の成長がよいという結果が得られたが、調査期間が短かったため、エネルギーが成長ではなく活着に使われたとも考えられました。今後も同様の項目について継続的に調査を続け、各条件下の苗木の成長差を明らかにしていきます。
また、今後事業量が増加していく植栽の作業歩掛の算定も、植栽及び下刈りの作業工程調査結果をもとに進めていく予定です。
帯状間伐跡地については、隣接地にクリ等の有用広葉樹があることから、一部を広葉樹の天然更新試験地とするほか、平成25年度には通常のスギの他に小花粉スギの植栽も行います。小花粉スギは県営米子苗畑で採取した種子に由来するが、山林への植栽実績が少ないことから、材木としての優劣や花粉量に関する調査を実際の林地において行い、その価値を実証することで県産小花粉スギの普及を目指していきます。
また、今回実施した小面積皆伐により実施効率の向上が図られるが、それに伴う作業歩掛が整備されていないので、早急に進めていく必要があると思われます。
平成23年度の小さくてもキラリと光る取組み事例は こちらから
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