2020.10.23 [ 長野地域の【暮らし】長野地域振興局 ]
長野地域に住もう!(移住・二地域居住のすゝめ Part5) 千曲市編
――なるほど。移住をするときはその市町村の行政HPを見るというより、そういった賃貸の物件などを見る人が多いんですね。
そうだと思います。だから逆に「そうじゃないよ」って言ってあげないと。行政窓口の方が色々な情報をまとめて案内できたりするといいですね。移住は特にいろんなところがいろんな支援をバラバラにやっていたりするので、移住する側はよくわからないことが多い。起業面でも生活面でも。結婚資金や子育ての保育料無料化とかそういう制度なども含めて。
ご自宅のウッドデッキにて(右:田村さん)
――千曲市のまちづくりに携わる中で、田村さんが「今後千曲市をこうしていきたい」というのはありますか?
もともとそんな大きいことはあんまり考えていないですね。「こうあるべき」と捉えるのではなく、「一緒におせっかいをしてあげる」くらいの感じです。来るもの拒まず、去る者追わず、というこの距離感が好きで。
たとえばコロナの影響で人との関わりが減っている中でも観光局や旅館の方といっしょに考えたり、まちづくりとしていろんな場所を活用するよう取り組んだり。そういう人のつながりをこの土地のリズムで、途切れずに広げていけるよう、そういう何かを仕掛けていきたいなあとは思っています。それがワーケーションという形になったり、イベントになったり、中心市街地活性化という大きな文脈の中での取り組みを考えることであったり。千曲市全体、駅の周辺などでそれらを表現しているような感じです。
――今後、お仕事でこういうことをやっていきたいとか、こういう展開にしていきたいとかありますか?
去年の台風からコロナあたりで、旅館、おみやげ販売の商店さん、地元でいろいろなことをされているご高齢の方など、このままの商売でいいのかというのが揺らいでいるところが多いので、このままだといろんな事業がなくなっちゃう可能性がある。でも、そういう旅館業とか、事業なども広い意味で文化だと思っているので、そういう方々が何かを残したり、何かに繋げたり、それを良いなと思う人々が元気づけたり、一緒に何かやったり、もっと流動性のある、コミュニティから生まれるようなビジネスが増えていけばいいなと思って日々活動しています。
この3月に移住してきた方もいて、自分が先輩として参加したセミナーに来てくれて、その後移住してきてくれたwebエンジニアとデザイナーのご夫婦がいるんですが、今回デリバリーサービスを作るのにあたって、ちょっと複雑なHPのシステムを作ってくれたりしました。また、デリバリーサービスではタクシーを活用していたんですが、そのタクシー会社の繋がりで空き店舗を使ってみないかという話をいただき、自分たちのブックカフェと一緒に働けるスペースを温泉街に作ろうとしています。
若い世代や女性も来やすいようにして、自分の夢とその場所の新しい流れを考えて自発的に動いてくれる仲間が少しずつ出来てきたりとか。自分のリズムで自立しながら手伝えるところは手伝っていくみたいな空気感が非常にいいなって思っています。
――田村さんの中では、「活性化」というのはどうなることをイメージしているんでしょうか?
活性化については、今ちょっとコロナで揺らいでいますよね。これまでは賑わいがあるとか、人がいっぱいいるのが良いことだとか、無条件でそうだったと思うんです。今はひとりひとりの居場所づくりでもあるんじゃないかと思います。わいわいするのが苦手な人もいて、必ずしも賑やかなことばかりが、すべての人の豊かさにつながっているわけではない部分もあって。そういう部分も一回整理していくべきじゃないかなと思います。
――一人一人に合った豊かさを考えていくということですか。
そうですね。それをゆるやかに話せたらいいなと。
ただ、一人でずっと閉じこもっているのも、それはそれで孤独に繋がってしまうので、やはり「来るもの拒まず、去る者追わず」的な感じで。
――移住してみて、なにかマイナスに感じた面とかはありますか?
ポジティブシンキングなので特にないですね!
自分自身で、「この場所で自分はこういう生活スタイルをする、仕事をしていくんだ」というのを「選んだ」というのが大きいと思います。それに向かって頑張るだけですね。ただ、仕事づくりという面では、思ったよりも時間はかかったかもしれません。来てすぐに仕事に繋げられるものもあるかなと思ったんですが、やはり1~2年はかかりましたね。一市民として、ビジネスとして、根を下ろしてどっしりやるには、多少時間がかかるものなんだなあと思いました。
仕事面がネックで来られない(移住できない)人も結構いるんですよ。無職だと不動産を借りられないし、仕事辞めてからくるのも怖いと。住まいと仕事と、すべてを並行して全部新たに始めるのは結構ハードなので、それができなくて来られない人も多い。少しでもその負担を軽くしてあげるのがいいかなって思いますね。時間とか場所とか空間をうまく使える人は、こっちの土地の方が向く気がします。こちらだと決して面白いことができないとか、そういうことはないです。
――最後に、これはぜひ伝えたい!というメッセージがあればお願いします。
千曲市はやっぱり、おいしいものがたくさんあるというところがいいですね。お店がたくさんあるというのは地域で暮らしていく中で大事です。事業者の皆さんは本当に頑張っておられるので。
あと、温泉街で日帰り温泉に入る。すごくいいですよ。
今日は田村さんに面白い話をたくさん聞かせていただきました。千曲市が大好きな田村さんの様子が伝わってきました。これからも地域のために頑張ってください!!
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