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【休館17日目】インターネットによって役割を終えたものー蔵書目録ー

休館17日目、12月11日(火)です。

インターネットがインフラとなり、スマートフォンなどの通信機器をひとり一台持っていることがもはや当たり前の今、それが無かった頃はどうやっていたか思い出せないことってたくさんありますよね。

誰かと待ち合わせするのも、旅行の予約をするのも、明日の天気を確認するのも、30年前は今と全く違う方法でした。その時代も生きていたはずなのに、どうやって暮らしていたのか思い出すのが難しいくらいに、インターネットの出現は社会をがらりと変えたんだなぁと思います。

遠くの図書館にどんな本があるのかを調べる方法も、インターネットの普及で大きく変わりました。

インターネットが無かった時代、遠くの図書館の蔵書を調べるには、「蔵書目録」という本から探すのが一般的でした。

蔵書目録は作るのに時間もお金も人手もかかるため、どこの図書館でも発行していたわけではありませんが、大きな図書館はたいてい自分の館の蔵書目録を作っていて、さらに「増加目録」という、蔵書目録を作ったあとに増えた蔵書の分を収録した目録まで一定期間ごとに作っていたのです。そして、全国の都道府県立図書館や大きな図書館などに送っていたのです。もちろん当館も全国の図書館から送られたものをたくさん所蔵していました。

こうした蔵書目録を1ページずつめくって、どこの図書館に自分の欲しい本があるかを調べていたのです。ものすごく根気がいるし、見つけるためには運も必要かもしれないですよね

しかし、今ではほぼすべての公共図書館がウェブ上で蔵書検索ができるようになったので、本の形の目録を使って蔵書を調べることはほとんどなくなりました。手元のスマホで家に居ながらにして街の図書館の蔵書を調べて予約をしたり、近くの分館へ配送の手配をしたりなんていうこともできますし、なんならとなり街の図書館のみならず、県立図書館、国立国会図書館、海外の図書館の蔵書だって簡単に調べられちゃいます。

これって図書館の使い方が変わったというだけでなく、何かを知りたい時に選択できる可能性が飛躍的に広がった、世界の知識にアクセスすることが容易になった、という意味で、とても大きな社会の変化だと思うのです。

携帯電話が普及したことで公衆電話がほとんどなくなったように、情報技術の進歩によって蔵書目録という冊子もその役割を終えたのです。図書館がもつ資料の中で、これほど明確に「役割を終えたこと」がわかるものは、実はとても珍しいかもしれません

というわけで、前置きが長くなりましたが、この休館中にはこうした他館の蔵書目録も整理して処分することになったので、その作業を行いました。

書庫の書棚にぱんぱんに詰まったさまざまな蔵書目録の中から、公立図書館の蔵書目録・増加目録をえり分けて抜き出していきます。でも、今はもう無かったり、歴史的な意味のある図書館等の目録は、研究資料としての価値を考慮してきちんと保存していきます。

たとえばこんなものですね。↓

『帝国図書館増加書目録 第4編 和漢書之部 』1897

『哈爾浜図書館増加図書目録 第15号』1941

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