南信州お散歩日和 南信州は、広い長野県の南端に位置しています。やわらかい方言が使われ、人も土地柄も温かく穏やかな当地域には、 各所に温泉があり、賑やかなお祭りもたくさんあります。 この地域ならではの魅力を職員がお伝えしていきますので、 南信州にどうぞおいでなんしょ!

南信州お散歩日和

南信州は、広い長野県の南端に位置しています。やわらかい方言が使われ、人も土地柄も温かく穏やかな当地域には、 各所に温泉があり、賑やかなお祭りもたくさんあります。 この地域ならではの魅力を職員がお伝えしていきますので、 南信州にどうぞおいでなんしょ!

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南信州民俗芸能継承セミナー~南信州の宝「民俗芸能」を未来に伝承するために~

地域政策課のRMです。

3月20日(月・祝)に、飯田市竜丘公民館で南信州民俗芸能継承推進協議会主催による「南信州民俗芸能継承セミナー」が開催されました。

このセミナーは、南信州の宝である民俗芸能を未来に伝承していくために、住民の皆様の理解と関心を高め、継承活動の活性化を図る目的で開催されました。

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セミナーは午前・昼食交流会・午後の3部構成で、芸能披露、講演、活動報告と盛り沢山の内容。

オープニングは「和合の念仏踊り」保存会の皆様の芸能披露です。和合の念仏踊りは、国の重要無形民俗文化財に指定されている南信州を代表するお祭りで、毎年8月のお盆(13日~16日)に開催されます。

【詳しい情報はこちらから】

・阿南町ホームページ → http://www.town.anan.nagano.jp/kanko/cat177/000369.html

・南信州お散歩日和(お祭りの様子) → https://blog.nagano-ken.jp/shimoina/culture/14312.html

和合の念仏踊りは、近年、移住者を中心とした若い方の参加が増えており、まさに継承のモデルともいうべき存在です。普段はお祭りに行かないと見られない貴重な芸能披露です。スペースを一杯に使った迫力ある踊りで観客を魅了しました。

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昼食交流会は、3月9日の銀座NAGANOでのイベント(→詳しくはこちら)に引き続き、「南信州交流の輪」の皆さんからの「祭り街道弁当」の披露です。天龍村の霜月神楽をイメージした「神楽舞」弁当が、本年度、元気づくり支援金を活用して研究された「弁当箱」の形式で提供されました。祭り街道弁当をお膳だけでなく弁当箱でも提供可能とすることで、普及・拡大を図っていきたいとのことです。

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霜月神楽の「湯飾り」をイメージした大根(酢の物)や、南信州地域のお年取りの御馳走である「ごった煮」、さつまいもや柚餅子を乗せ縁結びを表す「結びご飯」など、それぞれの料理にきちんと意味が込められています。食材とともにかみしめながらありがたく頂戴しました。

午後の部は、まず、飯田市美術博物館 学芸係長の櫻井弘人さんの講演「南信州の祭りは地域の財産・日本の宝」です。櫻井さんは南信州地域の民俗芸能研究の第一人者であり、地域に数ある民俗芸能を「中世的な神事芸能(霜月神楽や盆踊りなど)」と「近世以降の娯楽的芸能(人形芝居、歌舞伎、獅子舞など」に分類した上で、時代的な背景や祭りの持つ意味を、網羅的に分かりやすく説明していただきました。

講演のまとめで、民俗芸能を「地域を知り、愛する心や誇りを育て、日本の心を学ぶことができるもの」と位置付ける中で、「地域全体で、理解し、守り・伝え、活かし、磨きを掛けていく」ことや「地元の伝承者・保存会・地域任せでなく皆で支えて盛り立てていく」ことの必要性を強調されていました。民俗芸能継承の担当者として、身の引き締まる思いでお聴きしました。

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続いて、興亜エレクトロ二クス株式会社(→会社ホームページ)の伊東達也さんから、南信州民俗芸能パートナー企業(→制度の詳細)の活動報告がありました。

従業員の皆さんが民俗芸能に参加しやすい環境づくりとして、地域のお祭りの日程を考慮して工場の稼働カレンダーを設定した上で、お祭りの中心となる従業員の名簿を共有しているとのこと。加えて、各お祭りには幹部の方が積極的に参加(観覧)するという徹底ぶりに、会場からは驚嘆の声があがっていました。まさにパートナー企業の「鑑」です。

大鹿歌舞伎保存会事務局長の北村尚幸さんからは、大鹿小学校・大鹿中学校の歌舞伎クラブによる後継者育成の取組の紹介がありました。この経験が元で大鹿歌舞伎の担い手となる若者が増えており、昨年秋の定期公演でも、若い役者の熱演が、観客の皆様のおひねりと掛け声を誘っていました(→公演の様子はこちら)。

大鹿歌舞伎は、本年3月3日に国の重要無形民俗文化財に指定されました。地芝居が重要無形民俗文化財に指定されるのは全国初で、今後の益々の発展が期待されます。

最後は、飯田女子高等学校人形劇クラブの顧問の水上隆先生から、今年度からスタートした黒田人形浄瑠璃への挑戦についての報告がありました。2018年夏に本県で開催される全国高校総合文化祭への出演を目標に練習を続けているそうで、部員数が少ないのが悩みどころだが、お隣の飯田高等学校へも輪を広げ、何とか実現させたいと抱負を語られました。

内容が多岐にわたり、大変充実したセミナーとなりました。参加した皆様に民俗芸能の継承の意義を考えていただく良い機会になったと思います。

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