信州魅力発掘人

信州に魅せられ、活動する人たちの言葉には「信州の魅力」が凝縮されています。信州の魅力を掘り下げ、それを語る「信州魅力発掘人」。山の強さ、美しさ、厳しさ、素晴らしさを知る人たちが「山の魅力」を伝えます。

二地域居住×山の日サミット vol.2

2016年7月24 日、「信州山の日」に原村の八ヶ岳自然文化園で行われた「山の日サミット」。そして、同じく活動をスタートさせた「八ヶ岳森林調査隊」。津田さんと一緒に取り組みを進めてきた、富士見町の地域おこし協力隊・「森のオフィス」スタッフの松井彩香さんにもお話を伺います。

山や自然にどうやって“恩返し”をするか

- 「山の日サミット」はどんなことを?

津田さん)
サミットは、3部構成で行いました。自然環境への取り組みを伝える「活動報告」、自然環境とアウトドアアクティビティの理想的関係について議論する「パネルディスカッション」、今後の取り組みを紹介する「活動宣言」です。サミットだけだと堅苦しいかもしれないと思って、「リトルマウンテンモール」という山にちなんだテーマのマルシェも開催しました。

- どんな方がお話をしたんですか?

松井さん)
この辺りの環境保全や自然教育に力を注いでいる団体や企業、学校などの方に登壇していただきました。パネルディスカッションでは、「一人ひとりの意識が山の未来に繋がる」として、八ヶ岳の課題とそれに対しての取り組み、アウトドアアクティビティを楽しむ上で、どのように自然と関わっていうべきかなどの議論が繰り広げられました。活動宣言では「八ヶ岳森林調査隊」としてシカの食害調査を実施することを宣言しました。

- 森林調査隊というのは?

松井さん)
サミットを企画したときから私たちは、その日限りのイベントではなく、継続した活動に落とし込みたいという気持ちがありました。そこで「森林調査隊」も一緒に立ち上げたんです。昨年から今年にかけて4回、調査や勉強会を行う予定で、既に3回が終わっています。

津田さん)
調査隊は、サポーターというかたちでクラウドファンディングを募り、目標額を越える約65万円が集まりました。支援者も調査活動に参加しています。

- そもそも、どうしてサミットを?

松井さん)
最初は自然や山に対して、そろそろ何か“お返し”したいってところからです。

- お返し?

松井さん)
「森のオフィス」にも、山好きやアウトドア好きの人はたくさんいるんですが、楽しませてもらっているばかりじゃなくて、私たちができることをしたいなって。実際にそういう活動をしている人もいる中で、どんな活動があるのか知りたいという興味もありました。それで、興味を持つ人を増やしたり、既に関心がある人に情報を届けたりできないだろうかと考え始めました。

- 何をしたらいいのか考えるきっかけになるような。

松井さん)
ちょうど「山の日」があるので、年1回、皆でそういうことを考えたり発表し合ったりする場があればいいんじゃないか。自然を守ったり、恩返しできたりするような仕組みを作りたいと思いました。サミットで発表を聞いて、考えて、行動を起こす。そしてそれを翌年発表する。そういうことをサイクルにしていければと。

松井彩香さん

津田さん)
それができれば、山にいるときも「何かできることがあるんじゃないか」って意識できるようになりますよね。年に1回、サミットを開くことで、具体的な活動がきちんと見えるということにも意味があると考えました。

- お二人のように、「山に恩返しをしたい」と思っている人は多いのでしょうか?

松井さん)
私も津田さんも、アウトドアメーカーの「パタゴニア」が好きなんです。パタゴニアは環境活動に熱心な企業なんですが、「パタゴニアの活動発表会があったら行きたい?」「そりゃ行くでしょ」みたいな話になって。自分たちが「面白そう!」と感じるのなら、きっと同じように思ってくれる人もいる気がしました。

津田さん)
僕は、ものを買うとき、どういう企業が作っているものなのかって意識することが結構あります。だから同じように思っている人もいるんじゃないかと思っていました。実際、サミット参加者のアンケート結果を見ると、アウトドアメーカーの取り組みに関して関心がある人が90%くらいいました。商品を買うときの参考にするという人も7割ほどいて。しっかり数字にも出ましたね。


「山の日サミット」は今後も毎年夏に開催予定とのこと。年1回、サミットという場を設けることが、普段からの自然との付き合い方を少しずつ変えることにつながっていくのかもしれません。それが長野県から発信されるというということに、大きな意味があるように感じました。

PROFILE
神奈川県生まれ。幼少期はアメリカ・シアトルで過ごす。2001年、武蔵工業大学環境情報学部を卒業後、大手広告代理店に勤務。2011年末、電機メーカーに入社。移住を考え始めたころに富士見町の「テレワークタウン計画」を知り、「自分自身も移住したいし、この計画をプロデュースさせてほしい」と役場にメール。その流れで2015年から東京と長野県富士見町の二地域居住をスタートさせ、Route Design合同会社を立ち上げる。趣味は山と音楽。2児の父。

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