信州魅力発掘人

信州に魅せられ、活動する人たちの言葉には「信州の魅力」が凝縮されています。信州の魅力を掘り下げ、それを語る「信州魅力発掘人」。山の強さ、美しさ、厳しさ、素晴らしさを知る人たちが「山の魅力」を伝えます。

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乗る人にとっても、乗らない人にとっても「自転車の街」に

「おおぞら自転車クラブ」の代表として、さまざまな企画を行う松山さん。この冬は、雪上もスイスイ走れる太いタイヤが特徴の「ファットバイク」の魅力を伝えようと考えています。「雪が降っても自転車を楽しむことができれば」と言う松山さんに、現在の活動と今後の展開について伺いました。


イベントをきっかけに、通年走りに来てほしい

- 「信越五高原ロングライド」について教えてください。

長野・新潟両県にまたがる上信越国立公園を周回し、斑尾・妙高・黒姫・戸隠・飯綱の5高原を巡る120kmのロングライドです。ハードなコースですが、天気が良ければ絶景が望め、郷土色あふれるエイドステーションも人気があります。

私は2010年の第1回目の準備段階から携わっています。エリアにあるペンションや民宿など地元の人が中心になって始めたので、自転車乗りが誰もいなくて。皆でコースを考えるのですが、自転車に乗らない人は地図を見てコースを引いちゃうんですよね。「そこは山の中で人は行けないから」「自転車では無理!」ということがあったり、逆に地元の人しか知らないような情報をもらったり、実際に走って「一つ手前で曲がれば、信号を待たなくてもいい」と確認したりしながら、コースを決めていきました。

- 120kmものコースを設定するのは、かなり大変そうです。

最初は距離も短く、道に迷うことも少ないヒルクライムのようなことをやろうと考えていました。ロングライドだと、道案内の看板だけで100枚以上用意しなくてはいけないので、人手も必要になります。事故や予想もしないことが起こる可能性もあるし、そんなときにどう対応するかきちんと準備をしておかなければならない。手を抜けないですよね。毎日、ロングライドのことばかり考えていたときもありました。

でも、年々参加者が増えてきて、今年は400人になりました。振り返ってみると確かに苦労はしたけれど、リピーターも増えてきたし、いろいろなクラブの人が手伝ってくれて、力を貸してくれる。そうなると嬉しいですよね。

- おおぞら自転車クラブでは大会前に、試走会を開いていますね。

クラブからも20人くらいスタッフとして参加しています。スタッフが道が分からないと困るので事前に走っています。でも、ロングライドは大会の日以外でもいつでも楽しめるんですよ。楽しかったら次は誰かを誘って普通の休日に来てもらえれば。イベントのときだけではなくて、一年中走りに来てほしいし、走れるエリアにしていきたいですね。

「自転車に乗るなら北信州」というイメージを

- これから自転車を始めてみよう、という人に何かアドバイスはありますか?

山でも平らな道でも気を付けて乗らないと危険はあるし、ルールは守って、無茶はしないということが基本中の基本です。周りを見て走る、手信号を出す、ヘルメットをかぶる。人にも自然にも迷惑をかけないように心掛けてほしいですね。

自転車に乗ってみたいけれど一人だと不安、という人はクラブに入ればいいと思います。「自転車に乗りたいけど、誰に聞いていいか分からなくて、その辺を走っている自転車を止めて聞こうと思った」という話も聞くので、クラブに入っていろいろな情報を得てもらえば。興味はあるけど始められないという人は、実はたくさんいるのではないでしょうか。まずは、おおぞら自転車クラブに気軽に問い合わせてください(笑)。

- そうですね(笑)。まずは聞いてみるといいですね。

北信州は山があって、信号が少ないという自転車乗りにとっては恵まれた環境です。いずれは自転車乗りだけではなく、地元の人たちもそう思ってくれるようになるといいですね。そうすれば、地域全体の自転車に対する許容率が上がると思います。この辺りはスキーやスノーボードの人に対してはずいぶん慣れていますが、自転車の人に対してはまだまだなので。長野県は一般公道でのタンデム(2人乗り用)自転車もOKだし、最近は「散走」(自転車に乗ること自体ではなく、自転車を道具と考えて何か他のことを楽しみながら走る)という取り組みもあります。2015年春には、北陸新幹線「飯山駅」も開業するので、新幹線を降りた人にどんなふうに遊んでもらおうかということも考えていきたいですね。

- 周辺9市町村の共同体「信越自然郷」という取り組みもあります。

自転車乗りからすれば、市町村の境界は関係なくて大きな一つのエリアのような感覚ですよね。信越自然郷は、ちょうど私たちが自転車に乗っている範囲内。ロングライドももう少し広げて9市町村を走るようなコースを、という話もあるんですが、300kmになってしまうのでさすがに無理だろうと思いつつ、どこかでやってみたいという気持ちもあります(笑)。

- これからの展開も楽しみです。

自分たちはただの自転車乗りだから、何か特別にできるというわけではありません。でも、いつでも自転車乗りが走る地域にしていくために、何かお手伝いができればとは思っています。クラブを立ち上げて10年経って、自転車を見る目も変わってきました。昔は「競輪選手」と言われていたころもありましたから(苦笑)。自転車はエコで健康的なので、これからもっと普及していくはず。地元にいる人もここが良い環境だと思ってもらえるようになれば、更に変わっていくと思います。「自転車に乗るなら北信州」というイメージをどんどん広げていきたいです。


「おおぞら自転車クラブ」の目標は「自転車に乗って楽しく、仲間とふれあい、明るい地域づくり」とあります。楽しいことがあれば、自然とその輪は広がっていく。自転車に乗る人にとっても、そうじゃない人にとっても「北信州=自転車」という意識が広がれば、相乗効果で楽しみの幅も広がっていきそうです。

PROFILE

1951年、長野県飯山市生まれ。高校時代は片道15kmを自転車で通学。県外で就職してしばらくは自転車から離れていたが、地元に戻り30代後半から本格的に乗り始める。デザイン業を営む傍ら、2003年に「おおぞら自転車クラブ」を設立し、北信州を自転車で走る楽しさを発信している。

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