信州魅力人

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「巧み」に「造る」 「冷間鍛造順送プレス」で21世紀の産業革命

「新・信州魅力人」では、メイドイン信州のすごいものづくり技術や匠の技をご紹介し、ものづくりを支える起業人たちの魅力に迫っています。
5回目は、2009年に社長就任した現在32歳の若きリーダー。サイベックコーポレーション(塩尻市)の平林巧造社長をご紹介します。
サイベックコーポレーションは、独自の「冷間鍛造順送プレス加工」という革新的な技術で、自動車部品を中心に業界の先端を走るものづくり企業です。平林社長のお名前も、まさに「巧み」に「造る」と書いて巧造さん。どんなすごい技術なのでしょうか?

海外の安い部品にも負けない「冷間鍛造順送プレス加工」

―御社が作るのは自動車部品。海外の安い部品も含め、多くのライバルがいると思いますが、そのライバルに負けない「すごい技術」はどこですか?

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弊社のコア技術は、「CFP工法」です。日本語にすると「冷間鍛造(れいかんたんぞう)順送(じゅんそう)プレス加工」。
常温で圧力を加え金属を鍛える「冷間鍛造」というプレス方法と、「板金成形」というプレス方法を組み合わせて、板状から立体形状を高精度・ハイスピードで作るというのが当社の技術です。
これを使うことによって、従来はプレス加工でできなかった粉末冶金品ですとか切削品、機械加工で作っている製品を、プレス加工に切り替えることができます。それによって、大幅なコストダウンに繋がっているというのが当社の強みの技術であります。


クルマなどの量産部品の場合、安くたくさんの部品をつくるのに適した技術が「プレス加工」です。「金型」と呼ばれる金属の型を使って、金属の板をどんどん打ち抜いていく加工方法です。(ドーナッツやクッキーをつくるときの型抜きのイメージです。)

このプレス加工、「早く」「安く」は得意ですが、複雑な部品は苦手。立体的で複雑な形状の部品加工には、金属の粉を固める「冶金」や、金属の塊を削りだしてつくる「切削」加工が一般的でした。
サイベックコーポレーションの「冷間鍛造順送プレス加工」は、特注のプレス機械(後述になります)と、金型を作る感覚のすごさが特徴で、「冶金」や「切削」などの機械加工でしか出来なかった製品を、それと同じ品質で、しかも安価に製造できるのです。

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―先ほど、車のエンジンに使われている部品を見せていただいたのですが、すごいですね。立体造形というのでしょうか。内側に歯車があり、外側は違う形状で、その複雑な部品をプレスだけで作ってしまう。今まではそんなことはできなかったわけですよね?

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粉末冶金品ですとか、機械加工でしか作れなかったものですね。
当社には、VT(バリュー・テクノロジー)研究所があります。
バリュー・テクノロジーつまり、価値ある技術を研究しているのですが、この研究所では、営業、工法開発、設計をやっています。弊社では、お客様に対し開発段階から製品の形状について提案しています。そうすることで、プレスでできない部品を、形状を変えながらいかにプレスに置き換えることができるかを、お客様と一緒になって考えていくことが可能になるのです。


エンジンに使われる複雑な部品を、プレス加工で製造できる…。これこそ、サイベックコーポレーションの真骨頂です。なぜ、そんなことが可能なのでしょうか?
その秘密は、「金型」と「プレス機」にあります。
技術開発に力を注ぎ、試行錯誤を重ねた結果、厚い金属板を立体的に精密に複雑に加工する「金型」を開発しました。さらに、大型で正確に打ち抜くことができるプレス機を、専門メーカーと一緒に生み出しました。

しかし、昔からクルマの部品をつくっていたわけではありません。もともとは、精密機器の部品製造を得意としていました。

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