信州魅力人

信州の魅力、それは長野県内で頑張るつくり手たちの魅力。そんな魅力人の想いをお伝えします

長野県は、もっと魅力的な県になれる

長野県地域資源製品開発支援センターの総合プロデューサー・鈴木進さんは静岡県磐田市生まれ。そこから愛知県、神奈川県、千葉県と移り住み、現在まで40年間諏訪在住です。「山に住んだり海沿いに住んだり、田舎だったり都会だったりしたことが今の仕事に役に立っている」と鈴木さん。インタビューの後編は、センターに来る前の仕事のことや、これからの長野県のことについてお伺いします。

「機能」から「感性」の世界へ

-以前は「セイコーエプソン」でプロダクトデザインをやってらしたとのことですが…。

長野県地域資源製品開発支援センター 鈴木進さん

高度成長期は作れば売れる時代で、そのころは「HOW(いかに安く大量に作るか)」の世界でした。ところがバブルが崩壊して、「WHAT(何を作るか)」を考えなければならなくなったわけです。企業に勤めていた当時は、デザインの機能を理解してもらうことと、お客様に喜ばれる商品デザインで成果を出して信頼感を得ることの繰り返しという感じでした。「会社のブランド」の重要性の浸透と、いかに世の中に「信頼されファンになってもらうのか」の推進を行いました。

-セイコーエプソンで行っていたことと、今、センターで行っていることはやはり違いますか?

どういう価値が必要とされていて、そのためにどういうものづくりをしていくかということを考えなければならない点は、一企業でもセンターでもほとんど同じですね。これについては、最初は事業主さんに理解してもらうまでには時間がかかるだろうと思っていたのですが、全くそんなことはありませんでした。やる気や情熱を持っているとこともあるけど、特に食品関係の人たちは、「感性価値」について身をもって重要性を感じているんだと思います。

長野県地域資源製品開発支援センター 鈴木進さん

どうして感じるようになったかというと、直売所や道の駅という、生産者が直接販売できる方法を採れるようになったからなんですね。これからやっていくには、商品開発だけでなく販売のことまでちゃんと考えなきゃいけない。素材があって、商品開発をして、販売まで自分でやるというルートができてきたんです。そうするといいものを作るだけではダメで、商品をきちんと発信していかないといけなくなります。販売についてもただ並べているだけじゃなくて、見やすさとか、ポップを作るとかして手にとってもらえるように工夫しなければならない。いい加減なラベルを貼ったり、ただ量が多いものを作ったりしても不評だ、ということがわかってくるわけですね。逆に、お客さんの声も聞きやすくなりました。観光客だったら、その地域に来たら地域で作ったものが欲しいとか、生食だけではなくて日持ちする加工品がいいとか言います。そういうものも含めながら、「感性価値」を高めなきゃいけない。でも皆さん、非常に前向きに取り組んでいます。

長野県は、もっと魅力的な県になれる

-鈴木さんから見ると、長野県はどう見えますか?

「自分のところにはいいものがない」と言う人もいますが、周りから見ればいろいろあるというか、ありすぎるくらいですよね。長野県は「基本価値」のところで恵まれていて、自然や農産物があります。特別に意識してやらなくても「信州ブランド」というようにブランド化している。ただ、それは資源の良さなんですよね。じゃあ他の地域は何をしてきたかというと、資源がないぶん「感性価値」を高めてきた。「いかに楽しんでもらえるか」「お客さんが何を喜んでくれるか」を一生懸命努力して考えてきたわけです。

長野県は資源の強さがあったばかりに、お客さんにいかに楽しんでもらうかという工夫を少し疎かにしていたのかもしれません。でも、これから先、この資源を活かせるように「感性価値」のほうも高めていけば、本当に素晴らしいものになると思います。これから先、魅力的な県になる、というか、なってほしいですよね。

-これからもどんどん魅力的なものを掘り起こして…。

長野県地域資源製品開発支援センター 鈴木進さん

いや、いつまでも県が主導でやっていてはダメです(笑)。先のことを考えて支援する必要はあるし、連携はしていくべきですが、いずれは自走してやっていかないといけないと思います。

地域の活性化というのはもう少し具体的に言えば地域の経済の活性化なんですよ。それが一番重要。だからそれぞれの企業の、それぞれの商品が売れるようにならないといけない。それが集まって、全体の効果として見たときに地域の活性化になるんだと思います。全体を描いてある程度推進するためにはお金が必要なので、それが行政の仕事。全体を包括していくことと、スタートするときに目指す方向をまとめて、必要な資金を援助することですよね。厳しい時代ですが、お客様視点の前向きな商品づくりと発信を継続していけば、絶対に浸透していく。

-ある程度、継続できるように考えていく必要がありますね。

それと、大事なのは地域の人が楽しみながらできるかどうかですよね。難しいことや無理なことでは続けられない。何もないところに突然変なものを作ったり、無理やり持ってきたり、偽物みたいなものが多いですけど…。もともとある地域資源こそが本物で、それをうまく地域活性化で応用していかないといけません。成功しているのは皆、本物なんですよ。

-地域にあるものが素晴らしいってことに気づいてもらいたいですよね。

まずは県内の人にファンになってもらわないと。県内と県外、両方とも大事だけど、やっぱり地元の人に「あれいいよ」って言ってもらわないと。

事業者さんは本当に研究熱心です。真面目で、いろいろなところに積極的に出かけて行ったり、研究会や研修会に参加したり。皆さん前向きで、一緒にやりましょうってことでセンターに来てくれますから。そう考えると、最終的には「人」ですよね。そのくらい熱意を持っている人がいるから、魅力的な商品ができてくるんだと思います。


事業主さんのことを「本当に真面目で熱心。県民性なんでしょうね」と話す鈴木さん自身が、同じくらい、またはそれ以上の情熱がないと、成果を出すことはできないのでしょう。「普通の生活に価値がある。そういうものを発掘して磨けば輝く」と鈴木さん。これからも多くの人たちと一緒に、キラキラ輝くものを長野県から発信してくれるはずです。


長野県地域資源製品開発支援センター
住所 長野県松本市野溝西1-7-7
電話 0263-25-0982
URL http://www.gitc.pref.nagano.lg.jp/joho/chiikishigen/

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