ほっと9(ナイン)ながの 長野で働くスタッフが、長野地域の9つ(ナイン)の市町村の「ホット」な魅力をご紹介!(長野市、須坂市、千曲市、坂城町、小布施町、高山村、信濃町、飯綱町、小川村) 私たちの日々の仕事の話、「ほっと」一息つける癒しの裏話、きっと役に立つ暮らしの豆知識、おすすめ絶品グルメ…などなど、ここでしか出会えない”ながの”のすがたをお見逃しなく!(旧「ほっとスタッフブログながの」)(写真:信濃町 黒姫山の冬)

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世界に届けたい、信州産シルクのネクタイ 「196テキスタ」(いいね!インタビュー⑤)

みなさん、こんにちは。商工観光課のKです。

あれ、今年、秋ありましたっけ?

というぐらいの猛スピードで、暖かい日々が過ぎ去っていきました。

そして、冬が近づき、私たちの職場でも男性職員はネクタイを締めるようになりました。

サラリーマンは、お気に入りの柄のネクタイを着けた日は、少し気分がアガります。

プレゼントでおしゃれなネクタイを貰ったときは、かなりアガります。

そんなおしゃれなネクタイを作っている方が、長野市にいると聞きました。

196テキスタ布施 一(ふせ はじめ)さんです。

布施さんの作るネクタイは、一般的に市販されているものとは大きく異なる部分があるとのこと。

気になったので、たくさんお話を聞いてきました!

代表の布施 一さん

代表の布施 一さん

-今日はよろしくお願いします。最初に、布施さんの行っている事業の内容を紹介してもらえますか?

よろしくお願いします。私は現在、信州産のシルクを使ったネクタイの企画・販売を行っています。

-ネクタイの企画・販売ということですが、製造も布施さんが手がけているのでしょうか?

いえ、私の仕事はネクタイの企画(プロデュース)とデザインの部分で、製造は他社のご協力を頂いています。具体的には、岡谷市宮坂製糸所様に生糸の生産、京都市大平織物(株)様にネクタイの縫製で力をお借りしています。

-色々な方の力が結集したネクタイなのですね。創業の時期はいつごろだったのでしょうか?

2016年の11月ごろにスタートしました。最初はまだ信州産シルクのネクタイはなく、京都西陣織のネクタイを販売しながら、自分のネクタイを作って売る方法を模索していましたね。オリジナルのネクタイは、ことしの6月に完成しました。当初からやりたかったことが今やっと形になり、まさにこれから、いろいろと動き出すという状態です。

信州産シルクを使用した布施さんのネクタイ

信州産シルクを使用した布施さんのネクタイ

-それでは次に、創業に至るまでの布施さんの経歴について教えてください。

私は新潟県で生まれ、5歳のときに親の転勤に伴い長野県に引っ越してきました。自分で起業したいというのは、中学生の頃から考えていましたね。本当に単純ですが、経営者ってかっこいいな、商社ってかっこいいなという憧れがありました。商社マンに憧れたのは、当時母が持っていた山﨑 豊子さんの『不毛地帯』を読んだ影響もあると思います。

-中学生の段階で起業を考えていたとは驚きです・・・。「お店」というよりは、もっと大きな「商社」というイメージだったのでしょうか。

そうですね。物をつくって、大々的に販売するということを目指そうと思っていました。そのために高校も、簿記会計を勉強するために商業科に進みました。

-本当に若い頃から、起業のための勉強や準備をされていたのですね。高校卒業後は、県内で就職されたのですか?

県内で一度就職したのですが、やはり東京で物販の仕事をしたい、一旗揚げたいという憧れがあったので、20歳のときに東京に移りました。衣料品の卸売会社に就職して、そこで製品作りの手配を経験したり、現場を見せてもらったり、学んだことは多かったです。

-なるほど。そして、5年ほど前に長野県に戻ってきたということですが、何かきっかけはあったのでしょうか?

これというきっかけがあった訳ではありませんが、ある程度の資金が貯まったので長野に戻ってきました。いま振り返っても、一度長野県の外に出て働いたことは自分の財産になったと思います。県内に戻ってきたときに、あらためて長野の魅力を見つけることができたのもよかったです。
その後、アルバイト等をしながら起業のアイデア探しをする中で、徐々に「長野県産シルク」と「ネクタイ」というのが自分の中でキーワードになっていきました。

-「これでいこう!」と決めたのはどんな時だったのですか?

ある日、私が定食屋さんでご飯を食べていたとき、お味噌汁をこぼしてネクタイが汚れてしまったんです。気に入っていたネクタイだったのに、もう使えなくなってしまって。そこで閃いたのが、シルクの良さはそのままに、ネクタイにはっ水加工を施すということ。京都の太平織物(株)様に実現可能かどうか問い合わせると、京都には着物を守るためのパールトーン加工という技術があることを教えていただきました。

(パールトーン加工を施したネクタイのはっ水能力はこちらの動画でご覧になれます)

-ちょうどネクタイを作ろうと考えていた矢先に、定食屋さんでの出来事があって、はっ水加工というアイデアが浮かんだのですね。

そうですね。ずっと色々な方向にアンテナを張って、思考がアイデア探しモードになっていたのだと思います。そうでなければ、単に「お味噌汁勿体ないな~」で終わっていたかもしれませんね(笑)。

-先ほどお話に出た、パールトーン加工について教えてください。

特殊な溶剤を使って生地を加工して水を弾くようにするという、着物業界では既にメジャーで、京都市の(株)パールトーン様が特許を持っている技術です。
きっと私と同じように、ネクタイを汚してダメにしてしまった方は多いはずです。はっ水加工されたネクタイであれば他社との差別化にもなりますし、需要はあると思いました。

-良いネクタイって、けっこう高いですもんね・・・。

そうですよね。値段の高いものだからこそ、長く使ってもらいたいという思いからこのネクタイが生まれました。京都西陣織のものは、作りがとても丈夫なんです。さらに、職人さんが一つ一つ手縫いで縫製しているので、多くがミシンで縫われている市販のネクタイと比べてペタッとせず、ふっくらとした締め心地を感じていただけます。

製糸工場の様子

製糸工場の様子

-(ネクタイの実物を見せてもらいながら)本当だ。しっかりした作りですね。それに、光沢もあって、とても綺麗です。これまでの市販のネクタイとは、材質が違うのでしょうか?

他社のネクタイもシルクを使っていますが、シルクにもランクがあるんです。一般的なネクタイはA3、A4ランクのものを使っていますが、弊社はもう少し上質なものを使っています。将来的に、女性から男性への記念日の贈り物に選んでもらえるような商品になればいいですね。

-生地などの仕入れ先は、どうやって探したのですか?

昔からの友人をはじめ、持てる人脈を駆使して探してもらいました。この業界では、仕入れ先が全てと言っても過言ではないほど重要なので、協力してもらった方にはたいへん感謝しています。

-色々な方のご支援があったのですね。布施さんはこの事業で、クラウドファンディングも利用されていますよね?

ことしの5月までに、クラウドファンディングを利用して資金を募りました。時代の流れなのか、反響はすごく大きかったですね。

TwitterFacebookの「いいね!」の数もすごいことになっていますよね。

「ネットをうまく使えば多くの人に届く!」という自信はありましたが、想像以上の反応をいただきました。本当にありがたいことです。それに関連してすごく嬉しかったことがあって、ネットの情報を通して信州産シルクのネクタイに興味を持った方が、岡谷市の宮坂製糸所を見学に訪れてくれました。私がネクタイのPRを行ったことが、結果的に、長野県の養蚕・製糸業のPRにもなったと考えると、嬉しいですね。

岡谷市の宮坂製糸所のとなりには、岡谷蚕糸博物館があります

岡谷市の宮坂製糸所のとなりには、岡谷蚕糸博物館があります

-ある意味、それこそが布施さんの最終的な目標でもありますもんね。

いま現在、長野県内に製糸工場は2カ所しかなく、養蚕農家も減っています。自分のネクタイで信州産シルクの魅力を発信して、もっと多くの人にこの産業を知ってもらいたいと思います。

-事業の面で、今後の展開を教えてもらえますか?

今後はネクタイの製造に加えて、オーダースーツの受注を始めます。実は私自身、これまでオーダースーツは作ったことがありませんでした。その理由は、価格が高いこと。安価なものでも4~5万円はしますよね。弊社のオーダースーツは、ウール100%の5万円台のオーダースーツの品質のまま、海外にある日本資本の工場と提携することでコストカットを図り、3万円台で売ることを想定しています。スーツに映えるようなネクタイと、セットにしてご提案していきたいですね。

-その価格なら、私でも手が出せそうです(笑)。

ぜひ、いままでにオーダースーツを作ったことがない方におすすめしたいです。やはり既製品のスーツとは、身体へのフィット感が全然違いますから。
ネクタイでもスーツでも、私がこだわっているのは、世の中にまだ無いものを作るということです。今後も、このコンセプトは大切にしていきたいですね。

コンセプトは、世の中にまだ無いものを作ること

コンセプトは、世の中にまだ無いものを作ること

-信州産シルクの魅力の発信というお話もありましたが、布施さんのゴールはどこにあるのでしょうか。

最終的には、海外の市場に挑戦していきたいと思っています。アメリカ最大級のクラウドファンディングサイトであるキックスターターが日本に上陸しましたし、現代では日本に居ながらにして世界中から支援を集めることが可能になりました。もっとネクタイのバリエーションを増やして、海外に長野県産シルクをアピールしていきたいです。

目指すは世界の市場

目指すは世界の市場

-最後に、これから創業を考えている方へのアドバイスをお願いします!

私が創業した当初は、協力者を探して会社を回っても、全く話を聞いてもらえなかったり、相手にされなかったり、きついこともたくさんありました。正直、楽しいことよりも、辛いことの方が多かったです。でも、そんな時期があっても諦めずに続けてきた結果、応援してくださる方も増えてきました。応援や協力をしてくださる方々がいるから、いまもこうして頑張れますこれから事業を始めるみなさんにも、辛いことがあっても諦めずに頑張ってもらいたいです

-布施さんのネクタイが世界中に届く日を楽しみにしています!今日はありがとうございました!

 

インタビューは以上です。

単に品質が良いだけでなく、水を弾いて丈夫だから、長く使えるという布施さんのネクタイ。

大切に使ってほしいという作り手の願いが込められた商品って、ものすごく素敵だと思います。

現在は、「平安堂 あずみ野店」限定で販売中だそうです。

ぜひみなさんも、信州産シルクの質感を確かめてみてください。

196 テキスタ
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