信州森林づくり応援ネットワーク

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ろもうマンのくねくね日記 その41

ろもうマンのくねくね日記 その41
「そんなこと気にしていると・・・ の巻」

さてと、唐突ですが、林業専用道のことだよ!!

整備事例が増えているけど、なかなか林業専用道って、林道との違いとか、わかりにくいところがあるよね。
これまでにも、いろいろ説明してきたけど、言い方をかえて今一度、林業専用道って何か、本質を語ってみたい。

・・・すべては、これまでの林道の問題点から始まる。
当然、林道は木材の生産のためにつくられるものだね。だけど、林道は公共施設でもあるから、一般の車も通行する。だから、車の運転のしやすさだとか、安全性とかにも配慮しなければいけなかったんだ。

その結果、平面的(横方向)にも縦断面的(縦方向・上下方向)にも、直線的な道になった。そうするとどうなるかといえば、山を切り取ったり、逆に土を盛ったりする部分が多くなるね。

その結果、山の保全なども損ねるし、林道をつくる工事費も高くなるし、なんといっても、地形を大きく変えることで、法面が高くなって、山の中に入りにくくなったり、木材を伐って道まで運ぶことが難しくなるんだ。


(安全かつ通行しやすそうな道だけど、やや山には入りにくそう・・・)

それで、道の本来の目的である木材の生産のためになっていない道路が多くなってしまった、という反省のもとに、林業専用道、という区分の道ができたんだ。

では、林業専用道をどうやってつくるか、というと、ここまでの話を逆にたどればいいね。

山の中に入りやすくするために、法面の高さを低くしたい。そのために、道路の配置を、直線的ではなく山の地形に沿ったものにする。くねくねっとね。ボクの腕のようにね。

そのかわり、車の走行性などは、ある程度犠牲にしなければならない。くねくねしているから、制限速度を抑える(時速15キロ;普通の同規格林道は20キロか30キロ)、通行できる車を制限する(木材運搬等、林業のための車に限定)。


(オーストリアの林道。くねくねしてるね。)

賢明な読者諸君は、もう理解できたね。林業専用道が、法面緑化や構造物の設置を行わない道、低コストな道、というのは、あくまでもこの結果だということを。最初から、法面緑化をしない、コストをかけない道をつくろうとしているわけではないんだね。

言い方を変えると、できる限り山の地形に沿った、くねくねっとした道をつくろうとした結果、どうしても一部で法面が高い箇所ができたら緑化をしてもいい、というかするべきなんだね。

このように、木材の生産を目的とする路網を整備するためには、道路の構造を林業専用道のように(法面が低い等)することが必要だけど、それだけでなく、道路の配置をどうするかも大切だ。


(農林水産省HP(H22.9 森林・林業再生プラン関連資料)より)

日本とオーストリアの路網の配置に注目すると、日本が谷(川)に沿って整備されているのに対して、オーストリアでは、ほぼ等高線に沿って平行にいくつも整備されているね。もちろん、これは一部のイメージで、すべての路網がこうではないけどね。

オーストリア研修でも実際多く見たけど、確かに等高線に沿って配置された林道が多かったね。木材を効率的に運ぼうとしたら、こういう感じになるんだね。しかも、ほぼ等高線に沿った道は壊れにくいしね。

日本の林道って、まずは、つくりやすい箇所、谷(川)に沿って整備した、いうところなんだろうか。だから、これから木材の生産を考えて林業専用道などを整備していくと、おそらく結果的に、オーストリアのようなイメージの配置になっていくんだろうね。
もちろん、地形や地質など、その地域の特殊事情は考慮しなければならないけどね。

・・・イメージって大切だと思うんだよなあ・・・

えっ?なんか、まともなことしか言ってなくて、熱でもあるんじゃないかって?

えっ?ますます、本当にろもうマンかどうか怪しくなってきたって?

・・・そんなこと気にしていると、この先もたないよ!!

とういわけで、これからも、路網のことはきらいになってもボクのことはきらいにならないでね。


「逆だろ!」

・・・またね!

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林務部信州の木振興課林道係
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メール:ringyo@pref.nagano.lg.jp

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