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Vol.54■読まなきゃチョーソン市町村 伝統野菜 王滝かぶ

伝統野菜「王滝かぶ」と「すんき漬」【王滝村】

御嶽山の麓に広がり、古くから登山口として知られた王滝村は、人々に「おんたけ村」と呼ばれ親しまれてきました。
平安の昔、後白河法皇が病で苦しんでいた時、「信州木曽御嶽山に祈りなさい」と夢のお告げに従い祈願したところ、しばらくして全快しました。法皇は大変喜び、ふもとの村へ後世に残る証として、「王」の字を与え、王滝村とすることを許されたと伝えられています。


【王滝かぶ】
王滝かぶは、すんき漬の原材料として、王滝村で江戸時代から利用されてきました。約300年前の古文書に、尾張藩へ年貢としてカブを出した記録があり、また元禄年代には俳人小西凡兆が“木曽の酢茎(すんき)に春もくれつつ”と連句を詠んでいます。この酢茎が王滝かぶの原型ではないかと云われています。
「葉が大きく、葉の柄がしっかりしている」、「草丈はあまり高くならず、カブとの生育量のバランスがよい」ことが特徴で、赤紫色のカブは、肉質がやわらかいのが自慢。村内の農家では、この王滝かぶの種を自家採取し、「家宝」のように大切にしてきました。

そんな王滝かぶですが、自家採取を繰り返してきた各農家では、それぞれ微妙な形の違いが見られるようです。しかし、数年前に品種改良で誕生した「王滝甘かぶら」は、形が整い、その上、安定した生産量を得ることができます。しかも、霜に強いことから、春作の栽培でも、上質な赤かぶが収穫可能です。

王滝かぶは、長野県の信州伝統野菜認定委員会の定めた「信州の伝統野菜」に認定されています。
信州の伝統野菜についてはコチラ≫(パソコン用)


「王滝かぶ」と6月下旬の収穫風景

【すんき漬】
村内の家庭では、味の文化財に指定されているすんき漬やぬか漬・甘酢漬が代々受け継がれてきました。
すんき漬は、長野県内でも木曽地域だけで作られてきた、塩を一切使わず、植物性乳酸発酵で漬ける冬の伝統的な漬物です。
最近は、研究機関などですんき漬に含まれる乳酸菌による抗アレルギー作用などの研究が進められています。
そして、今までは冬の漬物だったすんき漬ですが、今年の夏、春作の王滝かぶを使い、見事に夏のすんき漬の商品化に成功しました。


すんき漬:王滝かぶの茎や葉を使い、ほのかな酸味が特徴

  
赤かぶ漬:王滝かぶのカブを使い、酢と砂糖で漬けた、無添加無着色の甘酢漬け

平成19年、木曽の赤かぶとすんき漬は、「味の箱舟」に認定されました。
「味の箱舟」とは、インターナショナルスローフード協会が、世界で絶滅の危機にある優良な食品を世界規模で登録するプロジェクトです。

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