い~な 上伊那 2つのアルプスと天竜川からなる伊那谷の北部に位置し、雄大な自然に囲まれた上伊那地域。 この地域の自然、食、歴史や地域のがんばる人々など、私たち職員が見つけ、感じた上伊那の魅力と地域の活力を発信します。

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早咲きの菊に 【井月さんのこころ83】

井月さんのこころ シリーズ その83

 23日(木)は二十四節気の「霜降」です。秋も深まるに連れて、早咲きの菊が見頃を迎えています。11月2日、3日に開催予定の休戸耕地文化祭に出品しようと春先から育ててきましたが、開花の時期は天候次第であり、なかなか上手くいきません。

 昨年は、管物を中心に僅かばかり育てていましたが、耕地役員を引き受けることになった今年は、少しは会場が賑やかになればと思い、厚物の盆養も6鉢加えました。

 管物3鉢はまだ咲き始めで、間に合うかギリギリといったところですが、厚物は既に見頃を迎えてしまい、このところの冷え込みで来週まで花が持つかギリギリといった感じになっています。霜にあわせないように玄関に取り込んだり、寒冷紗をかぶせたりしながら管理しています。

 今年の出来が最も良かったのは、「国華八十吉」という品種の白厚物で、走り弁も揃ったことのほか大きな花が咲いてくれました。草丈もバランス良く「天・地・人」に納まってくれました。

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 盆養の菊を育てるのは、手数がかかりますが、3色4段を全て異なる品種12鉢で花壇として飾れるのが理想です。父が存命の頃は、盆養、達磨、福助を合わせて百鉢以上を育てたことがあり、資材も残っています。今はそんな余力がないので無理ですが、陶淵明の「歸去來兮(かへりなんいざ)」の境地に辿り着けたら、いつかまた挑戦したいと思っています。

  井月さんの「陶淵明」の「菊」の句については、遡回その33をご覧ください。昨年の菊の出来具合なども載せてあり、井月さんの代表的な「菊」の句も、その時にあらかた紹介してしまったのですが、竹入弘元先生の「井月の魅力 その俳句鑑賞」(ほおずき書籍)には、菊の歴史についても良く解る評釈とともに次の句が掲載されていますので、引用させていただきます。

  延年の薬も出来て菊の主  井月

 この句について、井上井月研究者である竹入弘元氏の評釈を引用させていただくと・・・、

 「延年の薬」は菊酒のこと。菊は奈良時代に中国渡来というが、万葉集には一首もない。七五一年成立の漢詩集『懐風藻』の田中浄足作に、「水底遊鱗戯巌前菊気芳」とある一節が最古。古今集には盛んに詠まれる。

 花の美もさりながら、まず気品ある香が尊ばれた。そして、菊の花の露を綿に移して身を拭うと老いを去り、長寿といわれ、菊花を浸した酒も同様。

  (菊・秋)

  菊花を愛でられるのは、土づくり苗づくりから始まった菊作り一年の集大成です。

 「菊作り菊見るときは陰の人という句は、作家 吉川英治が『新・平家物語』を連載していた当時、平清盛の菊人形の出来栄えの見事さを褒め、丹精を込めて育て上げた陰の菊職人に贈った句だそうです。よく結婚披露宴のスピーチに引用され、新婦を育てた両親を讃えるために使われますが、菊根分けあとは自分の土で咲けの句とセットで初めて活きてくるものと思います。

 むしろ子供の教育に菊づくりのような偏狭な丹精は敵であり人の子を教育するは菊好きの菊を作る様にはすまじく、百姓の菜大根を作る様にすべきこと細井平洲が説いています。細井平洲は、名君の誉れ高い米沢藩主・上杉鷹山を育て上げた儒学者です。

 菊づくりのように自分の好みに合ったものだけを選んで育てるようなことをせず、菜っ葉や大根を作るように多少の大小不揃いは気に掛けず、一本一本を大切に育てて、うまく食べられるようにすればそれでよい。これが真の教育であると。

 また、『菊作り菊見るときはよその人』に徹する。を人脈作りの格言としたのは、田中角栄です。

 人脈を作るには日常不断の細心な気配りがいる。約束したら実行する。出来ないことは引き受けない。嘘をつかない。人の好き嫌いはしない。他人の悪口をいわない。どんな人にも長所と欠点がある。欠点に目をつむり、長所を引き出し、自分に役立てる。年寄り、目上の人を立て、仲間に先を譲り、下のものに威張らない。面倒な仕事は率先して引き受け、他人の見えないところで汗を流し『菊作り菊見るときはよその人』に徹する。  田中角栄は、こうして人脈を広げ、大正生まれでは最初の宰相に出世しました。 

 いずれも至言でありますが、よそ様からの評価は後から付いてくるもので、日常の地道な努力の積み重ねの結果なのだと思います。

 上伊那管内でも、社会貢献等を評価され、この秋に全国的なレベルの表彰を受けられた企業等がありました。

 まずは、社会福祉法人アンサンブル会(小椋年男理事長)さんです。所在地は、下伊那郡松川町ですが、一昨年からヒノキのウッドウール(木毛)を原材料とした「ひのき畳床」の開発を行っており、当所林務課が伊那市にある障害者福祉施設を通じて、平成25年度信州の木先進的利用加速化事業による商品化などのお手伝いをしてきました。

 ひのき畳スツールの寄贈(社会福祉法人アンサンブル会) 2014.06.11

 この度、GTF(グレータートウキョウフェスティバル実行委員会)の Green Challenge AWARDS2014の製品づくり・利用部門で林野庁長官賞(55件応募のうち第1位)を受章されました。

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