い~な 上伊那 2つのアルプスと天竜川からなる伊那谷の北部に位置し、雄大な自然に囲まれた上伊那地域。 この地域の自然、食、歴史や地域のがんばる人々など、私たち職員が見つけ、感じた上伊那の魅力と地域の活力を発信します。

い~な 上伊那

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凧(いかのぼり)揚がる頃 【井月さんのこころ2】

井月さんのこころ シリーズ その2
2月23日(土)辰野町小野の「小野奴の会」の皆さんが手作りの大凧を揚げました。
毎年この時期に凧を揚げ続けており、20年以上も続いているのだとか。
その大凧は、およそ3畳分の大きさで、竹の骨に防水紙を貼った角凧で、今回の作品には切り絵風の娘さんが描かれています。モデルは何処の女雛なのでありましょうか。
風が強く、左右の連凧を絡みとって なお勢い良く揚がっていました。



 さて、井月さんの句にも、凧揚げを詠んだものがいくつかあります。

  遣り過し糸のたるみや凧(いかのぼり)  井月

手元から日の暮れ行くや凧(いかのぼり) 井月

後者の句の評釈について井上井月研究者である竹入弘元氏の『井月の魅力 その俳句鑑賞』(ほおずき書籍)から引用させていただくと・・・、

凧は空へ揚げて遊ぶたこ。正月から子供も大人も夢中になって揚げる。既製品もよいが、自分で竹を削って紙を張り糸を付けるのも楽しみ。尾を付け角度を工夫して。最近では洋凧もあり形は多彩。空はまだ残光があるが、地面から上がってくる闇。春日愚良子著『井上井月』の「瞬時に過ぎてゆく時間を糸を握る手元に感じている。感傷の起伏が繊細」という説に共感。
(凧・春)

春日愚良子(かすがぐらし・信州井月会代表)さんも、伊那市在住の俳人で井月研究家。
今年は小林一茶生誕250年で新聞紙上などが賑わっていますが、「信濃では、北の一茶、南の井月」として井月についても、もっともっと知名度が上がってほしいところです。
春日愚良子さんの『信州二人の放浪俳人 一茶と井月』(ほおずき書籍)では、この二人の俳句を比較されており、「一茶の我執、井月の失意」と副題がつけられています。


井月さんは、どのような気持ちで、夕暮れが近い空に舞う凧を見ていたのでしょうか。

手作り凧を楽しむ「奴の会」の皆さん、70歳を過ぎても意気盛んですね。

地域づくりの原点は、その「夢中さ」にありそうです。

 千両の糸の唸りや三畳凧   青巒

前回(その1)の続き
 東風吹かば帰り待たるる吾が女雛
青巒

今年度の地方事務所長調整費の一部を活用して去る1月26日(土)に開催しました「い~な上伊那地域づくりフォーラム」では、井上井月を描いた映画「ほかいびと」を鑑賞し、北村皆雄監督さんらと「井月さんと地域づくり」をテーマにパネルディスカッションを行いました。その様子をホームページに掲載しましたので、是非ご覧ください。
リンク先はこちらです。

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