じょうしょう気流 「上小(じょうしょう)地域」と聞いて、みなさんは長野県のどの地域を思い浮かべますか?「上小地域」は、上田市、東御市、小県郡長和町、青木村の2市1町1村からなり、群馬県の西側に接する地域です。「上小」には自然、歴史、文化、おいしい農産物など、さまざまな魅力がありますが、それらを上田合同庁舎の職員の目で見て綴り、皆さんにご紹介してまいります。

じょうしょう気流

「上小(じょうしょう)地域」と聞いて、みなさんは長野県のどの地域を思い浮かべますか?「上小地域」は、上田市、東御市、小県郡長和町、青木村の2市1町1村からなり、群馬県の西側に接する地域です。「上小」には自然、歴史、文化、おいしい農産物など、さまざまな魅力がありますが、それらを上田合同庁舎の職員の目で見て綴り、皆さんにご紹介してまいります。

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上小ふしぎ発見!?(その7) トキ現る?

ミステリーハンター見習いのKです。

愛鳥週間(バードウィーク)真っ只中ということで、今回はトキの話題を追ってみました。

 日本の愛鳥週間は、昭和22年(1947年)4月10日に実施された第1回バードデーが始まりですが、日本は南北に長く、4月では積雪のある地域もあるということから、昭和25年(1950年)からは1か月ずらし5月10日から16日までの一週間を愛鳥週間としたとのことです。

トキといっても、佐渡島で飼育され放鳥されたものではありません。残念ながら剥製のトキです。
しかし、トキの剥製は県内には6体しかなく、そのうち2体が上小地域にあるというので行ってまいりました。


◆東御市立和(かのう)小学校の剥製

この剥製については、今年3月以降、新聞等でたびたび報道されているので、ご存知の方も大勢いらっしゃると思います。

その剥製が、5月6日まで東御市立図書館で公開されているというので行ってきました。
3階の閲覧室の入口には、2009年3月に下高井郡木島平村などに飛来したトキの写真が展示されていました。

さて、目当ての剥製ですが、閲覧室のカウンター近くに、この剥製について報じた新聞の切り抜きや、トキについて説明したチラシとともに展示されていました。
 何人かの方が興味深げにご覧になっていましたが、東御市内だけでなく、わざわざ佐久市からお越しになった方もいらっしゃいました。

残念ながら羽のトキ色はあせてしまい見ることはできませんが、くちばしの形や後頭部の冠羽からはトキの特徴が見てとれます。大きさは約60cmで、わずかに広げた左翼にくちばしを向けているのは羽づくろいをしている様を表しているのでしょうか。

 この剥製がなぜ和小学校にあるのか不明でしたが、新聞を読まれた方が申し出て、大正9年(1920年)の夏ごろ和村に住んでいた兄弟が水田にいる鳥を見つけ、石を投げて捕獲し、弟が通っていた和尋常高等小学校(現・和小)に持って行き、理科の先生が剥製にしたものであることが判明しました。当初はサギと言われていたようです。

トキは、江戸時代までは国内に広く分布しており、田畑を踏み荒らす害鳥だったようですが、明治以降は肉食習慣の広まりや羽毛需要の急増から乱獲され激減し、捕獲された1920年代には絶滅したとも言われていたようです。そんな貴重なトキを、それも石を投げて捕まえたとは驚きです。

さて、この剥製ですが、今後は再び和小学校で保管されることになりますが、5月17日(金)午前8時50分からの一時間目の授業で、全校児童に修復の披露をし、元環境省企画官の柳沢盛一氏からトキのお話をしていただく予定とのこと。せっかくの機会なので保護者や地域の皆さんにも来校を呼びかけています。詳細は東御市教育委員会教育課文化財係(電話:0268-64-5879)へお問い合わせください。

◆長野県上田染谷丘高等学校の剥製

こちらの剥製については、佐渡島で放鳥されたトキが県内でも目撃されて話題になった平成21年(2009年)3月、上田染谷丘高校にトキの剥製があるという信濃毎日新聞の記事を見て、ぜひ見たいと思っていました。

電話をしたところ、校長先生と直接お話しすることになりました(汗)。校長先生から「都合のいい時にお越しください。私が不在の場合は事務室の者に分かるようしておきます。」と温かいお言葉をいただきましたので早速お伺いしました。

 お邪魔すると校長室に案内されました。前記の新聞を読んで剥製が校長室にあることは知っていましたが、校長室に入ることなど久しくなかったので少し緊張しました。しかし、出張から戻ったばかりだという校長先生に優しく迎えていただきました。

剥製は校長先生の机の後ろのキャビネットの上にありました。こちらも羽の色は抜けてしまっていますが、くちばし等にはトキの特徴が見られます。ドジョウか何か餌に近づこうとしているのでしょうか、少し右脚を持ち上げています。

前記の新聞によると、長年理科室の戸棚にあり羽なども傷んでいたので、平成14年(2002年)に補修し、校長室で飾るようにしたとのことです。

剥製の足元のラベルには、「産地 朝鮮 四十四年十二月採集 島津製作所標本部」とあります。
島津製作所といえば、あのノーベル化学賞を受賞した田中耕一さんがおられる会社。ググってみると明治28年から昭和19年まで標本部があったようですから、このトキは、明治44年(1911年)12月に朝鮮で捕獲されたものなのでしょうか。

校長先生のお話では、この剥製の貸出もしていただけるとのこと。イベント等での展示をお考えの方は染谷丘高校(電話:0268-22-0435)までお問い合わせください

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