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“大地に根を下ろし、明るい農村を作る(2)”

I♥信州(あいラブしんしゅう)
大地に根を下ろし、明るい農村を作る(2)
「I♥信州」は、長野県外から信州へ移住された方に、移住のきっかけや信州での暮らしの様子をお伺いし、長野県の魅力をさらに伝えていこうというコーナーです。

第20回目のI♥信州は、2009年に東京都東村山市から小川村に移住された大沢収(シュウ)さん・綾子さんご夫妻にお話をお聞きしました。

前編では、大沢さんが小川村に移住されるまでの経緯をご紹介しましたが、後編では「麦ダンス農園」での有機野菜作りや小川村での生活の様子、また移住を考えている方へのメッセージなどをご紹介します。

◆前編はこちら


<農業は自分と向き合い、自然と向き合い、人と向き合い、時に厳しく、清々しい>

大沢さんは現在、自身の農園『麦ダンス農園』で有機農業に取り組んでいます。
自身の農園を開く前にNPOスタッフから紹介された中野市の有機栽培農家で、約3年間働きながら農業を目指す二人の研修仲間と共に、有機栽培に関する知識を深めつつ、小川村の自身の畑でも学んだ知識を実践する試行錯誤の日々が続きました。

しかし、自然相手の農業は、臨機応変に日々の作業の中身が変わり、また人それぞれのやり方、独自のスタイルが確立されています。

大沢さん:「僕がいろいろと教わってお世話になった農家の方は、ちょっと個性的な方でした。
研修を受けている最中は、反面教師のような一面もあって、この方の農業の仕方は自分には無理だな~と思ってしまうくらい。個性的で職人気質の方ですが、不思議と取引先の方には信頼されていて…普通こんなことしたら次の取引はないんじゃないかと思うことでも、それをつなぎとめる魅力がある人なんですよね。最初は反面教師だと思っていたのに、月日を経て自分もだんだんと似てきているので、本当に不思議です(笑)」

大沢さん:「僕が独立するときに、販売先の面倒をすごく良く見てくださいました。
その方は、自分を犠牲にしてでも弟子を独り立ちさせるんだ、みたいな心意気を持っていた方でした。たぶん長野県中を探してもこういう方はいないだろうなぁと僕は思っています。
今も頻繁に連絡を取り合っていますし、独立した後も良い関係を続けていられるのが嬉しいです。
この方と出会っていなければ、僕は農業に携わっていないと思います。」

大沢さんが自分の畑に付けた名前、『麦ダンス農園』。
そこには、大沢さんが農業を志す原点にもなった、埼玉県小川町のビール醸造所で目にした麦穂の揺れる姿が映し出されています。

初めに育てた野菜はズッキーニとインゲン。
無事取引先の方にも買ってもらうことができ、農業の喜びをあらためて感じました。
自身が育てた作物に評価が付き、それを食べてくれるお客様がいること…趣味の範囲を超えてきちんと仕事として農業が完結したことに感慨もひとしおです。
野菜選びのプロでもある取引先の方々に「美味しい」と言ってもらえたことで、自信にも繋がっていきました。
畑と遠くに見える冠雪の山々…この自然の中、様々な作物が育まれています。
写真右上・下:麦ダンス農園で育ったインゲンとズッキーニ
(写真提供:麦ダンス農園)


大沢さん:「まだまだ農業の経験が浅いので、本当の辛さとか挫折とかはこれからなのかなと思っています。今年(2013年)の台風のときに、育てていたオクラが全滅してしまったことがあったのですが、自然相手なのでしょうがないなと思えたんです。気持ち的に辛いとかではなくて損害の方がダメージあったので。でもこういう辛さは、東京で働いていたときとは全然違います。
農業に携わってみて、今までとは違う生き方をし始めたことで、喜びや発見の方が大きく感じることが出来るようになりました。気持ちが滅入ってしまうような辛さではなくて、清々しい辛さです。」


<地域に住まう一人として、自分たちが小川村にできること>

大沢さんは、小川村の地域のみなさんとも積極的にコミュニケーションをとっています。
土地のことを良く知り、同じ地域に住んでいる人々と接点を増やすことが地域に溶け込む第一歩だと考え、声をかけられたことはできる限り参加しようと決めています。
地域には、消防団をはじめ、伝統の祭りや恒例行事など、声がかかることはたくさん!
自分自身のできる範囲で、多くの役割をこなしています。

大沢さん:「半年くらい生活を続けた中で、“村”ってこういうことなんだってことが徐々にわかるようになりました。できないのにやると言ってしまうのはいけないですが、声をかけてもらったことはなるべく全部やろうと決めたんです。小川村に住んでいる自分の役割を期待されている部分はあるなと感じています。」

大学を卒業し、出版社に勤務していた奥様・綾子さんも、前職で培った経験を生かし、小川村のパンフレット制作や公民館報の編集など、地域に貢献しています。

綾子さん:「ある時、編集会議でデザインや編集に携わっていた自分の経験をお話ししたところ、じゃあ小川村のパンフレット作ってみない?と企画がスタートしました。村内のいろんな方に取材して、文章や写真、レイアウトなど全て自由にやらせていただき満足できるパンフレットが作れたと思います。」

村人としての目線だけでなく、移住者としての目線を兼ね備えたパンフレットは、小川村のありのままの姿やそこに暮らす村民の想いが素直に伝わり、パンフレットを手に取った人たちに日本の原風景を思い起こさせるステキな冊子です。


また、大沢さんは小川村に文化を根付かせようと、“HESO ROCK(ヘソロック)”という自主企画の音楽イベントを企画しています。“暮らす”ことに関してはすべてが揃っている小川村に、音楽という文化が混ざれば暮らしがもっと楽しくなるのではないかと考えました。文化を根付かせるには、継続していくこと。それは気持ちだけではクリアすることができない難しさもありまが、地域の方の応援や様々な声を受け、気持ち良い音楽と心地良い空間で、自分なりの生き方を見つけるきっかけ作りにもなればと、企画に励んでいます。

<守りたい楽園、小川村。"明るい農村プロジェクト">

東京から離れて、少しスローに生きられる場所へ…そう思い飛び込んだ小川村。
大沢さんが、はじめの一歩を踏み出してから5年の月日が経とうとしています。何もかもが順風満帆に進んだ田舎暮らしではなかったですが、少しずつ小川村の風土に馴染み、村民として暮らしを根付かせています。

大沢さん:「小川村は、長野市とか安曇野とかみたいに観光地ではありません。他の地域に比べれば見過ごされがちな場所かもしれませんが、“暮らし”がすごくある場所なんです。
自分自身、地に足をつけて生活していきたいという想いがあったのでこの小川村を選んだのですが、住んでみて大地に根をおろす感覚はだんだん強くなっていますね。それに、“村”って言えるのが自分の中で嬉しいんですよ(笑) あと、気付いたのは意外とアクセスが便利な場所だな、ってことですね。長野に大町に松本…と市街地にも出やすい場所です。」

綾子さん:「地元の方がどう思っているかは別ですが、小川村で畑をやっている人はみんな畑をきれいに、丁寧に作ります。歩いてしかいけない山の向こうにも畑があるのですが、そういうところは機械じゃなくて完全に人間の手でやるしかない。機械で整備できない畑はなかなか手を入れづらいですが、村のおじいちゃん・おばあちゃんたちは、そういう畑でもきれいにやってるんですよね。
森に囲まれたその畑の中は、鳥の声が響くくらいの静けさ。生活音が何も聞こえなくて、木の葉のさざめきとかそういう音しか聞こえません。まさに“楽園”みたいな…現実とはちょっと世界が違う感じです。そういった雰囲気の場所が村のところどころに残っている、小川村ってそういう場所です。」

大沢さん:「だから、それが失われていってしまうのはさみしいので、小川村で元気で暮らし続けていくために、農村が明るくなればいいなと。これは、林業をしている友人と二人で話していることなんですが、僕たちの中で『明るい農村プロジェクト』って名付けていて。定期的に何か活動をしているわけではないのですが、まず自分たちの仕事をきちんと確立させようとお互い日々の仕事に取り組んでいます。こんなところでも農業で生活していけるんだってことに気付いた人が、自分も何かやってみようかなと思ってもらえれば…だからまだ始めの一歩の段階ですね。」


綾子さん:「そのプロジェクトに、地域の子どもたちとおかあさんたちも入れてもらって、子育てのこともできるといいなと私は思ってます。
何だか壮大な話ですが(笑)一緒に農村を明るくしていくメンバーになってやれればいいな!」




<移住を考えている方に向けてメッセージ>

最後に大沢さんご夫妻に、これから移住を考えている方へのメッセージをお聞きしました。

大沢さん:「農業のことは今自分のことで精一杯なので、まだアドバイスできるような立場ではないですが…楽ではないですけどやりがいはあります。
移住を考えるときに、いろんな準備や情報を探したりすると思いますが、それが先行しすぎると動けなくなってしまうので、『移住したい!』という想いがあるなら飛び込んでしまうのも良いんじゃないかと思います。足踏みしているよりは、飛び込んでしまった方が、後で壁にぶつかったときでも自分で決めたことだと真剣になれると思うんです。田舎の人で悪い人なんていませんから。」

綾子さん:「長い年月を経て本当の意味で土地の人間になれるんだと思いますが、状況が変わって、ここから出なければいけない日が来るかもしれません。地元が小川村ではないということを考えるときもありますが、できればずっと小川村で暮らし続けていきたいですね。」

大沢家の家族、猫のつぶちゃん
日本の原風景が残る小川村。村に生きる人々の日々の積み重ねが作り出した尊い景色がそこにはあります。大沢さんご夫妻はそんな小川村で、生活のリズムをスローに、しかし、しっかりと大地に根をおろした暮らしを続けています。『明るい農村プロジェクト』は、まだ種の段階かもしれませんが、大きな花が咲き、実りになる日は遠くないと感じました。

・麦ダンス農園  http://www.mugidance.com/
・HESO ROCK(ヘソロック) http://hesorock.web.fc2.com/

【インタビュー時期:2014年1月】

●長野県では、東京・有楽町の東京観光情報センター内に「長野県移住・交流センター」を開設し、県内各市町村とも協力しながら移住に関する取り組みに力を入れています。
また、名古屋・栄、大阪・梅田の各観光情報センターに「移住・交流サポートデスク」を開設し、中京圏や関西圏からの移住をサポートをしています。
信州への移住に関心のある方はお気軽にご来場ください。

また、移住に関するセミナーや相談会、体験ツアーなどが長野県内各地域で行われています。
移住に興味を持たれている方や信州を知りたい方など多くの皆様のご参加をお待ちしております。

信州へ移住を考える人のポータルサイト
田舎暮らし 楽園信州 http://www.rakuen-shinsyu.jp/



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