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大北地域の自然エネルギーを考える集いを開催しました

 環境課Tです。

 自然エネルギー大北地域協議会は、自然エネルギーの導入が多くの方々の関心を集める大きな課題となっている中で、大北地域の豊かな自然の恵みを活かした自然エネルギーの導入をより一層推進するなどを通じて、地域の活性化を図るため、様々な企業・団体や行政の協働の場として、平成24年12月に設立されました。

 この3年間で大北地域でも、再生可能エネルギーの導入が進みました。
同時に推進力となった電力の固定価格買取制度も大きく変貌を遂げました。例えば、太陽光発電10kW以上の場合、27年度買取価格は27円まで下がり、制度開始時に比べるとおおよそ6割程度の価格です。今後は、太陽光発電だけではなく、小水力発電や木質バイオマスなどの再生可能エネルギーの導入促進が重要となっています。

 大北地域の自然エネルギーを考える集いは、協議会のこれまでの活動のひとつの区切りとして企画いたしました。自然エネルギーの地産地消の取組みが促進されますよう参考となる映画の上映やノンフィクションライターの高橋真樹先生のご講演、大北地域の先進的な取組に関する事例発表を行いました。

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【映画「パワー・トゥ・ザ・ピープル」の上映】
 この映画は、オランダでの風力発電による再生可能エネルギー普及の取組や10年かけてデンマークのサムソ島を100%再生可能エネルギーで賄う島とした取組などを紹介しており、エネルギーの地産地消を目指した取組を進める私たちに勇気や力を与えてくれる明るいビジョンに満ち溢れたドキュメンタリーでした。グローバルからローカルへ、大手電力会社に頼らず自らエネルギーを創出する住民グループの活動、顔の見える同士がお金を出し合って作った基金など、新しい経済システムへの移行が進む様子をご覧いただきました。大北地域におけるエネルギーの地産地消に取り組むきっかけとなることを期待しております。

【ノンフィクションライター 高橋真樹先生のご講演】
 映画の上映後、ノンフィクションライター 高橋真樹先生から、「大町でもできる地域のエネルギー事業」と題して、ご講演をいただきました。まず、今年の4月から始まる「電力小売りの自由化」についてわかりやすくご解説をいただきました。直ちに飛びつくのではなく、少し様子を見るのも一案ではないかとのアドバイスをいただきました。
 次に、「地域でエネルギーにどう取り組むか。」について、お話をいただきました。高橋先生が全国各地を歩き集めた豊富な実例に基づくお話で、「1億円の壊れたEVステーションと30万円の手作り充電器」、「東京と福島の関係を問い直す会津電力の躍進」、「エネルギーを通じたまちづくり石徹白(いしとろ)集落の小水力発電」など、興味深いお話をお聞きしました。また、長野県の自然エネルギーに関する施策は他県と比較すると進んでいる、とのお褒めもいただきました。
 最後は、「自分の地域では何ができるかを考える。」について、お話をお聞きしました。
 エネルギーの地産地消、地域主導で行う自然エネルギーの導入を進めるためのたくさんのヒントをいただいた1時間のご講演でした。

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【大北地域の先進的な事例について】
 最初は、大町市生活環境課の西山直幸様から、「大町市の取組み」について発表をいただきました。大町市は、高瀬ダムなど水力発電による自然エネルギーの先進地ですが、太陽光発電、農業用水を利用した小水力発電、温泉熱や地中熱利用など様々な取組を行っていること、更に、地域の資源であるがあまり利用されてこなかった雪を利用した温度差発電の研究を開始したことなどについてご説明をいただきました。

 次に、「平川頭首工の小水力発電施設」について、北安曇地方事務所農地整備課農業水利係の久保田益寿主査から発表をいただきました。白馬村にある平川小水力発電所は、豪雪地帯にあることから冬場の管理のため集塵機に建屋を建設したこと、最大出力は180kWであるが平均出力は140kW程度であること、土地改良区が管理を行うに当たっての課題等についてのお話をいただきました。

 最後は、池田町保育課長の勝家健充様から「池田保育園の地中熱ヒートポンプシステム」について、発表をいただきました。町内にある別の保育園の光熱費との比較などにより導入のメリットをわかりやすくご説明いただきました。

 「大北地域の自然エネルギーを考える集い」には、大北地域からだけではなく、県内各地から80名を超える方のご参加をいただき、ありがとうございました。各地域において、エネルギーの地産地消、地域主導型の自然エネルギー導入事業を進めるきっかけになることを期待しております。

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